北川悦吏子さんに感謝。清楚なイメージを覆す“ぶっ飛びキャラ”を「楽しみながら演じています」小西真奈美(加藤恵子)【「半分、青い。」インタビュー】

2018年9月8日 / 08:30

 これまでの清楚(せいそ)なイメージを覆し、頭のてっぺんから足のつま先まで全身緑色という奇天烈なビジュアルで、「ちゅらさん」以来17年ぶりに朝ドラに帰ってきた小西真奈美。演じる加藤恵子は、大好きな緑色と手触りの良さに特化した商品を開発している会社「グリーングリーングリーン」を一人で立ち上げたエネルギッシュな女性で、鈴愛(永野芽郁)のモノづくりの人生に影響を与える。自身にとって「挑戦的」と話すキャラクターに挑む思いを聞いた。

加藤恵子役の小西真奈美

-全身緑色というインパクトのあるビジュアルを見たときは、「これが小西さん!?」と確認してしまいましたが、ご自身ではどう思われますか。

 お話しを頂いたときは、ビジュアルで驚くし、エネルギッシュなところに圧倒されるし、生きる原動力にあふれて言葉も心に突き刺さるので、(脚本の)北川(悦吏子)さんには「(内面も外見も)ぶっ飛びましょう」と言いましたが、想像以上に緑でびっくりしました(笑)。でも、ここまで何かを突き詰めて愛して、強く生きている人だから、相手の心も動かすのでしょう。北川さんが、私の今までに見たことのない部分を見せたいと思って書いてくださったこともすごくうれしいです。

-具体的にどのような役作りをされましたか。

 「よく通る高い声で、早口で、アニメのキャラクターみたい」というお話しだったので、それは意識しました。他にも、「ドアを“どべし”と開ける」「ダーッと走る」というところから、全力で走って、全力でドアを開けて、全力で生きる人なんだと、台本から自分の中に落とし込んで消化して出しています。でも、衣装を着て、ウイッグを着けることでふに落ちて、加藤恵子が100パーセントになった気がします。

-とてもユニークで、かなり挑戦的な役柄のようですね。

 こういうタイプの役は全くなかったですし、とても挑戦的です。ただ、やってやろう!と意気込むのではなく、楽しみながら演じています。

-役に共感できるところもあるのでしょうか。

 好きなところを語り始めると熱くなって止まらなかったり、空気が読めなかったり…(笑)。でも、そういうところが鈴愛ちゃんの人生にいい意味で影響を与えるのであれば、半分は反省、半分はこのままでいいのかな…と勇気づけられます。

-撮影で苦労したことはありますか。

 恵子が出てくる最初のシーンは、まだ役をつかみ切れていない中での早口の長ぜりふだったので大変でした。最後も恵子の内面から湧き出るものが見える感じが、今までにないようなシーンだったので、突然キャラが変わったと思われないように、より自分の中で消化する時間が必要でした。

-恵子は緑色に愛着がありますが、小西さん自身が愛しているものを教えてください。

 仕事では、昨年から音楽活動を始めて、作詞作曲をしていますが、その面白さにはまってからは、気付いたら曲を作るというペースになって、いつの間にか朝になっていることもあります。プライベートでは、5~6年前から始めたバレエが熱冷めやらぬで、レッスンに行けるときは週に何回も行ったり、同じ趣味の方と会うと話が盛り上がったり、海外ではオープンクラスに参加したりしています。

-ちなみに、なぜ緑なのでしょうか。小西さんの一番好きな色なんですか。

 私も、何でだろうと思ったんですよ。北川さんとご一緒したときに緑色の服を着ていたかもしれないです。そうだとしたら北川さんのキャッチ力はすごいですよね。個人的に好きな色は春だったらピンク、夏だったら青や白とか、季節で変わりますが、好きな色の中に緑は絶対に入っています。

-北川さんとはドラマ「オレンジデイズ」(04)でご一緒されていますが、北川作品の魅力とは何でしょうか。

 文字にすると詩的に見えることもあるけれど、それを口に出すと体温を感じて心に刺さるところですね。このドラマも、リアルな日常の物語だけど、独特のエッセンスはなくならず、詩的な要素がありながら、視聴者との距離感が近いせりふやシーンが描かれているところが好きです。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

なにわ男子・大西流星「“timeleszのお兄さん”な原くんは印象通り」 timelesz・原嘉孝「流星は優しくてしっかりしてる子」 1月期ドラマでW主演【インタビュー】

ドラマ2025年11月20日

 なにわ男子・大西流星と、timelesz・原嘉孝がW主演する「東海テレビ×WOWOW 共同製作連続ドラマ 横浜ネイバーズ Season1」が、2026年1月から放送がスタートする。  本作は、令和版『池袋ウエストゲートパーク』として注目を … 続きを読む

早見沙織「プレデターの新しい魅力をこの映画から感じていただけると思います」『プレデター:バッドランド』【インタビュー】

映画2025年11月19日

 未熟故に一族を追われた若きプレデターのデクは、生存不可能とされる最悪の地「バッドランド」に追放される。デクはその地で謎のアンドロイドの少女ティアと出会う。「プレデター」シリーズ中、初めてプレデター自身を主人公に据えて描いた『プレデター:バ … 続きを読む

【Kカルチャーの視点】「ユミの細胞たち」の原作者、ウェブトゥーン作家イ・ドンゴン

インタビュー2025年11月17日

 韓国文化の“今”を再構築し続けるKカルチャー。今回は、デジタル空間で物語を紡ぐウェブトゥーンの世界に焦点を当てる。平凡な会社員ユミの頭の中で繰り広げられる細胞の物語――。2015年に連載を開始した「ユミの細胞たち」は、全512話で32億ビ … 続きを読む

尾上眞秀「お母さんやおばあちゃんが喜んでくれました」寺島しのぶの長男が舘ひろしとの共演で映画初出演『港のひかり』【インタビュー】

映画2025年11月14日

 日本海沿岸の小さな漁師町を舞台に、元ヤクザの漁師・三浦と目の見えない少年・幸太という、年の離れた孤独な2人の絆を描くヒューマンドラマ『港のひかり』が、11月14日から全国公開中だ。  主演に舘ひろしを迎え、『正体』(24)の俊英・藤井道人 … 続きを読む

『物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家の物語』(7)神々がすむ土地を語る

2025年11月14日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼玉田永教と神道講釈  銭湯の湯け … 続きを読む

Willfriends

page top