「見ている方に楽しんでもらえることを常に心掛けています」高橋光臣(海江田武次)【「西郷どん」インタビュー】

2018年8月18日 / 14:09

-さらに、仲間だった有馬新七も寺田屋事件で命を落としました。

 人の生死というのは、大きなターニングポイントです。昔から一緒に歩んできた仲間が命を落とす。どこかで仕方ないと感じながらも、みんながそれぞれ、そこで死を意識した。明日、あさって、自分がそうなる可能性もある。だとしたら、これから何をしていけばいいのか。そういうふうに、自分の考え方や生き方をもう一度見詰め直すポイントになったのではないでしょうか。

-海江田は、薩英戦争の引き金となった生麦事件の当事者となりましたが、当時の海江田の心境は?

 外国人を斬ったらどんなことになるか、予想はしていたはず。それでもやったということの裏には、海江田なりの覚悟があったのではないかと。大名行列を乱した外国人の礼節のなさに対する怒り、日本を狙う外国に対する怒り、そんな外国に対して弱腰な幕府への怒り。そういったものに対して、「俺たち薩摩はいくらでも対抗してやるんだ」と。とはいえ、そんな外国の人間に対しても武士の情けを見せ、一対一の人間として、礼節を持ってとどめを刺した。だから、僕はあのとき、海江田の取った行動はカッコよかったと思っています。

-大河ドラマは1年という長期にわたる作品ですが、どんな印象をお持ちでしょうか。

 長い作品の場合、ずっと作り続けることはできないので、演じる側の人としての“なり”が、どこかで必ず出てきます。人によってそれが合う、合わない、はありますが、僕自身は長い作品の方が好みです。時間を掛ければ掛けるほど、役と重なることができますから。

-というと、これからますます高橋さんの味が出てくると?

 そうなるといいですね(笑)。僕も楽しみにしていた坂本龍馬(小栗旬)が登場して、ますます盛り上がってきました。今まで、見ている方に楽しんでもらえることを常に心掛けてきましたが、これからも頑張って海江田武次を演じていきます。

(取材・文/井上健一)

海江田武次役の高橋光臣

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「光る君へ」第四十四回「望月の夜」孤独を深める道長を支えるまひろとの絆【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年11月23日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。11月17日に放送された第四十四回「望月の夜」では、3人の娘を天皇の后にした藤原道長(柄本佑)が、有名な「このよをば わがよとぞおもふ もちづきの かけたることも なしと思へば」という「望月の歌 … 続きを読む

【週末映画コラム】『六人の嘘つきな大学生』/『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』(11月22日公開)

映画2024年11月22日

『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』(11月22日公開)  真面目な税務署員の熊沢二郎(内野聖陽)は、天才詐欺師の氷室マコト(岡田将生)の巧妙な詐欺に引っかかり大金をだまし取られてしまう。  熊沢は、親友で刑事の八木(皆川猿時)の … 続きを読む

生駒里奈が語る俳優業への思い 「自分ではない瞬間が多ければ多いほど自分の人生が楽しい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年11月20日

-なるほど。では、公演が12月ということで、2024年の振り返りをお願いします。  今年は自分で掲げた目標に対しての成果も感じることができたので、充実した1年でした。これまではどこかで「やらされている」という感覚があって、自分の意志でできた … 続きを読む

史上最年少!司法試験に合格 架空の設定ではないリアルな高校2年生がドラマ「モンスター」のプロデューサーと対談 ドラマ現場見学も

ドラマ2024年11月17日

  Q:合格に向けて、どのように勉強されたか教えてください。 早川 中3の2月に、予備試験を目指すぞって決めてからは、興味の赴くままがむしゃらに勉強してました。平日は、学校から帰ってきて、先ほどお話しした「伊藤塾」のオンライン授業を夜10時 … 続きを読む

八村倫太郎「俊さんに助けられました」、栁俊太郎「初主演とは思えない気遣いに感謝」 大ヒットWEBコミック原作のサスペンスホラーで初共演『他人は地獄だ』【インタビュー】

映画2024年11月15日

-お2人は今回初共演となりますが、現場での様子はいかがでしたか。 八村 「シェアハウス対ユウ」という構図がある中で、共演者の方々とどういう距離感で接すればいいのか、だいぶ悩みました。でも僕は、役のために距離を取ったりすることが苦手なんです。 … 続きを読む

Willfriends

page top