エンターテインメント・ウェブマガジン
動乱の幕末、世を変えようと立ち上がった有馬新七だったが、説得に来た大山格之助(北村有起哉)らとの交渉が決裂。壮絶な斬り合いの末に散っていった。世にいう「寺田屋騒動」である。有馬の死は、幼なじみである吉之助(鈴木亮平)たちの心に深い傷を残すことになった。有馬を演じた増田修一朗が、寺田屋騒動に至る心情や、これまでの撮影を振り返ってくれた。
寺田屋騒動の有馬というと、剣術に長けていたことから、壮絶に戦って散ったという武勇伝的なイメージで知られています。でも今回は、そういった部分よりも、感情的なものに重きを置いて演じるつもりでした。ただ、そのときの演技については、本番まで深く考えることはしませんでした。この1年、みんなと一緒に芝居をしてきたので、そのときになれば何らかの感情は湧いてくるはず…。そう思っていたので。
撮影で一緒だったのは、(北村)有起哉さんと(錦戸)亮くん(西郷信吾役)だけでしたが、最期の瞬間はみんなの顔が頭に浮かび、感情があふれてきました。せりふも「吉之助、すまん」の一言ですが、そこにはみんなに対する気持が詰まっています。
これでいいのかという思いと、誰かがやらなければという思い。その二つの間で揺れていたに違いありません。それを表現するため、演出の方と相談して、テストではあまり動かずに芝居をしていましたが、本番ではもっと動く芝居に変えました。これによって、剣と剣を交えるピリピリした緊迫感とは違った、「これでいいのか?」という迷いを含んだ同士討ちの緊張感を醸し出すことができたと思っています。
有馬は頭が切れる人物なので、知恵を絞って世の中を変えようとしていたはずです。ただ、それがうまくいかず、けじめをつけるために死に場所を探していた。自分が犠牲になることで、成し遂げようとしていたことを継ぐ人が出てきて、世の中を変えるきっかけになる。僕は有馬の真意をそう解釈して演じました。
今まで、吉之助や大久保と2人で芝居をすることがなかったので、あの場面では有馬の本心や年上ならではの優しさをうまく表現したいと考えていました。ただ、演じている中で少し違った感情が生まれてきたので、台本通りではありません。大久保とのシーンは、土下座して脱藩を止めようとする大久保に「立て」と言う予定だったんです。でも、それだと違和感があったので、僕も腰を落として、同じ目線で「行かなければいけないんだ」と、兄が弟を優しく諭すような芝居にしました。
あそこも、もともと台本では緊張感が高まって終わるはずでした。でも、僕はそれを緩和して終わりたかった。有馬が今まで吉之助という存在をどう感じていたのか。その本心をこのやり取りで見せたかったんです。そうすることで寺田屋騒動が生きてくるに違いない。そう思ったので。そこで、監督に相談した上で、リハーサルでは熱い感じだったのを、亮平くんには黙ったまま本番では芝居を変えて、仕掛けてみました。亮平くんのリアルなリアクションが引き出せたと思っています。
映画2024年11月22日
『六人の嘘つきな大学生』(11月22日公開) 大手エンターテインメント企業「スピラリンクス」の新卒採用の最終選考に残った6人の就活生への課題は「6人でチームを作り、1カ月後のグループディスカッションに臨むこと」だった。 全員での内定獲得 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2024年11月20日
ドラマ・映画・舞台と数多くの作品で活躍する生駒里奈が、ストーリー性のある演劇的な世界観をダンスとJ-POPで作り上げるダンスエンターテインメント集団「梅棒」の最新作、梅棒 19th GIFT「クリス、いってきマス!!!」に出演する。生駒に … 続きを読む
ドラマ2024年11月17日
毎週月曜夜10時からカンテレ・フジテレビ系で放送している、ドラマ「モンスター」。趣里演じる主人公・神波亮子は、“高校3年生で司法試験に合格した”人物で、膨大な知識と弁護士として類いまれなる資質を持つ“モンスター弁護士”という設定。しかし今 … 続きを読む
映画2024年11月15日
韓国発の大ヒットWEBコミックを日本で映画化したサスペンスホラー『他人は地獄だ』が、11月15日から公開された。 地方から上京した青年ユウが暮らし始めたシェアハウス「方舟」。そこで出会ったのは、言葉遣いは丁寧だが、得体のしれない青年キリ … 続きを読む
ドラマ2024年11月15日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。11月10日に放送された第四十三回「輝きののちに」では、三条天皇(木村達成)の譲位問題を軸に、さまざまな人間模様が繰り広げられた。 病を患い、視力と聴力が衰えた三条天皇に、「お目も見えず、お耳 … 続きを読む