「寺田屋騒動で仲間を死なせたという負い目が、大山のトラウマになるはず」北村有起哉(大山格之助)【「西郷どん」インタビュー】

2018年6月18日 / 10:00

 有馬新七(増田修一朗)が壮絶な最期を遂げ、幼なじみである吉之助(鈴木亮平)たちの心に深い傷を残した寺田屋騒動。血気にはやる有馬を説得できず、騒動の当事者となったのが、同じく吉之助の幼なじみ、大山格之助である。生き残った大山は心の傷を抱えたまま、動乱の幕末を駆け抜けていくことになる。演じる北村有起哉が、寺田屋騒動の舞台裏から演技に込めた思いまで、縦横無尽に語ってくれた。

大山格之助役の北村有起哉

-大山は寺田屋騒動の当事者として、有馬の死に立ち会ったわけですが、そのときの心境はどんなものだったのでしょうか。

 有馬は幼なじみですから、動物に例えたら共食いみたいなもの。やっぱり、同士討ちは嫌だったでしょう。何とか説得したかったはずです。とはいえ、藩の命令には逆らえないし、暴走しているので止められないだろうと覚悟していた部分もあったに違いありません。いずれにしても、相当つらかっただろうと思います。

-寺田屋騒動は、大山にとって一つの転機になりそうですね。

 仲間を死なせてしまったという負い目が、大山のトラウマになるはずです。これによって吉之助に頭が上がらなくなり、後の西南戦争での資金援助につながっていく。僕はそう考えています。その辺りの脚本はまだ頂いていませんが、大河ドラマは長期間の撮影になるので、そういった、点と点の出来事をうまくつなげて、大事に演じていきたいです。

-寺田屋騒動では殺陣も披露されましたね。

 薩摩独特の剣術“示現流”をきちんとやらなければいけなかったので、難しかったです。現場には示現流の先生と殺陣師の先生がいるのですが、どうやるかをその場で決めなければいけないことも多いんです。例えば、忠実に構えようとすると、刀がスタジオの天井に当たってしまう。そんなとき、どこかで折り合いをつけて、臨機応変に対応しなければなりません。さらに、示現流はいわゆるチャンバラのように刀を合わせるのではなく、基本的に一太刀で相手を倒す“一撃必殺”のスタイル。だから、それをどう殺陣に織り込むかという難しさもありました。また、味方同士の斬り合いになるので、監督はその直前の一瞬のためらいを大切にしていました。

-ここまで精忠組のメンバーと一緒に演じてきた手応えはいかがでしょうか。

 こんなに一緒にいることになるとは、思ってもいませんでした。ただしその分、気付いたことをお互いにアドバイスするなど、探り合いながらやってこられました。そのうち、役割分担みたいなものが見えてくると、最年長の僕に何ができるか考えるようにもなり…。大山を演じる立場上、真ん中でみんなを引っ張って行かなければいけないし、多少なりとも説得力がなければいけませんから。とはいえ、時間はたくさんあったので、自然とそういうところに入っていくことができました。

-最近は深刻な雰囲気ですが、江戸編あたりでは高橋光臣さん(有村俊斎=海江田武次役)と一緒に伸び伸びと演じて、楽しい場面も多かったですね。

 僕も高橋くんも、そういう役どころになるとは思っていませんでした(笑)。でも、やるならとことんやろうと。どんなことをしても「イメージと違う」と言われるときは言われますし、それだけ注目されるドラマに出られるのは幸せなこと。気にせず振り切って、にぎやかなときはとことんにぎやかに、シビアなところはとことんシビアに。高橋くんと相談しながらでしたが、それが結果的に伸び伸びとしているように見えたのであれば、うまくいったのかもしれません。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

川口春奈、高杉真宙「自分や家族、周りの人たちを大事にしようと思うきっかけになったらうれしいです」『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』【インタビュー】

映画2026年10月1日

 大腸がんによって24歳で他界した遠藤和(のどか)さんが亡くなる10日前までつづり続けた手記を映画化した『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』が、10月2日から全国公開される。本作で、主人公の和と夫の将一を演じた、川口春奈と高杉真 … 続きを読む

木戸大聖「悲しいと思っていてもそれを表情に出せないのが難しかったです」『沖晴くんの涙を殺して』【インタビュー】

映画2026年10月1日

 余命1年の音楽教師・京香(広瀬アリス)と、喜び以外の感情を失った高校生・沖晴が織りなす、切なくも温かい感動の人生賛歌『沖晴くんの涙を殺して』が10月2日から全国公開される。本作で、訳あり高校生の沖晴を演じた木戸大聖に話を聞いた。 -沖晴の … 続きを読む

小瀧望「ファンの皆さまの声に応え続けたい」 舞台「ロックンロール」では「僕たちの芝居とともに、当時のロックミュージックも楽しんで」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年9月30日

 小瀧望が主演する舞台「ロックンロール」が、11月6日から上演される。本作は、世界的な劇作家トム・ストッパードが祖国チェコスロバキアを舞台に、20年以上にわたる歴史のうねりを描きながら、自由の尊さをうたう物語。愛するロックンロールと母親を守 … 続きを読む

佐津川愛美「酒井監督に惚れました(笑)」念願だった酒井麻衣監督との初タッグ『時給三〇〇円の死神』【インタビュー】

映画2026年9月30日

 10月2日から全国公開となる『時給三〇〇円の死神』は、累計発行部数36万部を突破した藤まるの同名小説を原作にしたファンタジーだ。生きる希望を失った大学生・佐倉真司(西畑大吾)が、謎めいた同級生・花森雪希(福本莉子)に誘われ、この世に未練を … 続きを読む

【K-POPもKドラマも深読みしたら韓国が見えた】#受験競争だけではない韓国の教育問題、「鉄槌教師」が問う教師の役割

2026年9月29日

 K-POPや韓国ドラマは、エンターテインメントであると同時に、韓国社会を映す鏡でもある。何気ない言葉やしぐさ、習慣の背景をたどると、その国ならではの価値観や歴史、人との関わり方が見えてくる。この連載では、韓国カルチャーを入り口に、知ってい … 続きを読む

page top