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こんなドラマは他にありません。これだけチャンネルや媒体が増えているにもかかわらず、同じ枠で何十年も続いている。泉ピン子さんが「ドラマの紅白歌合戦」とおっしゃっていましたが、それぐらい俳優にとって大きな存在の番組です。
いろいろな時代の人物をいくつも演じさせていただき、俳優冥利(みょうり)に尽きます。今回で言えば、薩摩藩士の有村俊斎を演じた「翔ぶが如く」から28年たって、同じ幕末の物語で立場が変わることになりました。若い頃は幕府を倒そうとした若者たちの心情がよく分かりましたが、還暦を過ぎたこの年になってみると、果たしてあの怒りはどうだったのかという気持ちも湧いてくる。大河ドラマは歴史を振り返るきっかけにもなりますし、特に幕末は今の国のあり方に連なって感じられるので、決して昔話には感じられません。そこが意義深いですよね。
井伊直弼と言えば、大河ドラマ第1作「花の生涯」(63)の主人公です。なので、当時、直弼を演じた尾上松緑さんや歴代の直弼公を演じられた方々に対して恥ずかしくないようにしなければと。荷が重いですが。何よりも直弼公ご本人にご覧いただくことができるならば、井伊大老の無念を晴らすべく努め、失礼のないようにとの思いです。
(取材・文/井上健一)
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