「直弼は文化的素養の深さ、厚さ、広さにおいて、並みの人物ではありません」佐野史郎(井伊直弼)【「西郷どん」インタビュー】

2018年4月29日 / 08:50

-佐野さんはこれまで「翔ぶが如く」のほか、「独眼竜政宗」(87)「花の乱」(94)などに出演してきましたが、大河ドラマに対してはどんな思いを持っていますか。

 こんなドラマは他にありません。これだけチャンネルや媒体が増えているにもかかわらず、同じ枠で何十年も続いている。泉ピン子さんが「ドラマの紅白歌合戦」とおっしゃっていましたが、それぐらい俳優にとって大きな存在の番組です。

-役を変えて何度も出演する面白さはありますか。

 いろいろな時代の人物をいくつも演じさせていただき、俳優冥利(みょうり)に尽きます。今回で言えば、薩摩藩士の有村俊斎を演じた「翔ぶが如く」から28年たって、同じ幕末の物語で立場が変わることになりました。若い頃は幕府を倒そうとした若者たちの心情がよく分かりましたが、還暦を過ぎたこの年になってみると、果たしてあの怒りはどうだったのかという気持ちも湧いてくる。大河ドラマは歴史を振り返るきっかけにもなりますし、特に幕末は今の国のあり方に連なって感じられるので、決して昔話には感じられません。そこが意義深いですよね。

-最後に、井伊直弼役に対する意気込みを。

 井伊直弼と言えば、大河ドラマ第1作「花の生涯」(63)の主人公です。なので、当時、直弼を演じた尾上松緑さんや歴代の直弼公を演じられた方々に対して恥ずかしくないようにしなければと。荷が重いですが。何よりも直弼公ご本人にご覧いただくことができるならば、井伊大老の無念を晴らすべく努め、失礼のないようにとの思いです。

(取材・文/井上健一)

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