エンターテインメント・ウェブマガジン
それと同時に由羅は、久光に対しても溺愛するばかりではなく、ちゃんと駄目なことは駄目だと言えるし、女性らしい優しい心のひだも持っている。演じれば演じるほど、すてきな女性だと感じています。今は親子の悲しい事件がニュースになることも多いですが、だからこそ母の豊かな愛を皆さんに見てもらいたいです。
由羅のせりふには、すごく強い言い回しのものもありますが、根底には相手のことを思う愛情や純粋さがある。もしくは、誤解を招きかねない言動も、決して意地悪な気持ちから出たものではない。常にそういうことを意識して演じています。例えば、ある回で大久保家を訪ねて、「これが家ですか?」と言う場面があります。それだけ聞くと、「なんてきついことを」と思いますよね。でもその後に、「懐かしいわ」と続くんです。つまり、自分が生まれ育った家も、こんなふうに狭い家だったと。意地悪ではなく、素直にふっとそう言える…。だから本当の由羅は、おなかの中にはなにもない真っ白な人だったに違いありません。
最初に顔合わせしたときから、殿とはあえて距離感を置きました。ご本人と親しくなり過ぎると、緊張感みたいなものがなくなるような気がして…。逆に久光は、初対面から飛び込んで、距離を近づけました。メールアドレスもすぐに交換しました(笑)。
私自身、本心からそう思い、その気持ちを全身で表現するようにしています。側室として尊敬し、愛する一方で、いつも憎まれ口ばかりたたく殿が、かわいらしくていとおしい、放っておけない大きな子どものようでもある。そんな気持ちで接しています。
面白い質問ですね(笑)。キーパー…ですかね? キーパーがスーパーセーブをすると、試合が締まるんです。キーパーには時々しかボールは来ませんが、ちゃんと試合の流れを読んでいないと、瞬時に反応できない。飛んでくるときはものすごい勢いで、目を背けるほどですが、それを怖がらずにキャッチする。その度胸と大胆さに加えて、繊細さも必要ですし、自分が守っているからという安心感をチームに与えなければいけない。そう考えると、やっぱり由羅は島津家のキーパーですね(笑)。
(取材・文/井上健一)
映画2025年4月3日
-松本動監督の演出について、また寺尾聰さんら共演者の印象をお願いします。 松本監督とは初めてでしたが、私の問い掛けにも親切に細かく答えてくれました。とにかく自由にやらせてもらいました。寺尾聰さんは、昭和49年のドラマ「天下のおやじ」で寺尾 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年4月2日
-ところで、門脇さんは映像作品でもご活躍されていますが、舞台に立たれることに対してはどのような思いがありますか。 気持ちの面では変わらないですが、舞台はカメラが寄ってくれるわけではないので、声や体の所作で伝えなければいけないと思います。映 … 続きを読む
ドラマ2025年4月1日
-高知県の「やなせたかし記念館 アンパンマンミュージアム」も訪問されたそうですね、 「アンパンマンミュージアム」には二度伺いました。どちらの日も親子連れでいっぱいで、改めて『アンパンマン』という作品が幅広い世代に愛されていることを知り、「 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年4月1日
-なるほど。では、坂本さんは増田さんのテッド、増田さんは坂本さんのジムについてはどんな印象がありますか。 坂本 テッドは一見すると自分の意見を押し通して歩んでいるように見えるけれども、実は周りを自然と幸せにしたり、勇気づけたりするタイプの役 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年3月29日
-では、鋼太郎さんの演出の魅力はどこに感じていますか。 鋼太郎さんらしい的確に丁寧な演出をつけてもらえるので、われわれとしてはやりやすいです。尊敬していますし、シェークスピア作品の演出家としてこの方の右に出るものは今、日本にはいないんじゃ … 続きを読む