エンターテインメント・ウェブマガジン
それと同時に由羅は、久光に対しても溺愛するばかりではなく、ちゃんと駄目なことは駄目だと言えるし、女性らしい優しい心のひだも持っている。演じれば演じるほど、すてきな女性だと感じています。今は親子の悲しい事件がニュースになることも多いですが、だからこそ母の豊かな愛を皆さんに見てもらいたいです。
由羅のせりふには、すごく強い言い回しのものもありますが、根底には相手のことを思う愛情や純粋さがある。もしくは、誤解を招きかねない言動も、決して意地悪な気持ちから出たものではない。常にそういうことを意識して演じています。例えば、ある回で大久保家を訪ねて、「これが家ですか?」と言う場面があります。それだけ聞くと、「なんてきついことを」と思いますよね。でもその後に、「懐かしいわ」と続くんです。つまり、自分が生まれ育った家も、こんなふうに狭い家だったと。意地悪ではなく、素直にふっとそう言える…。だから本当の由羅は、おなかの中にはなにもない真っ白な人だったに違いありません。
最初に顔合わせしたときから、殿とはあえて距離感を置きました。ご本人と親しくなり過ぎると、緊張感みたいなものがなくなるような気がして…。逆に久光は、初対面から飛び込んで、距離を近づけました。メールアドレスもすぐに交換しました(笑)。
私自身、本心からそう思い、その気持ちを全身で表現するようにしています。側室として尊敬し、愛する一方で、いつも憎まれ口ばかりたたく殿が、かわいらしくていとおしい、放っておけない大きな子どものようでもある。そんな気持ちで接しています。
面白い質問ですね(笑)。キーパー…ですかね? キーパーがスーパーセーブをすると、試合が締まるんです。キーパーには時々しかボールは来ませんが、ちゃんと試合の流れを読んでいないと、瞬時に反応できない。飛んでくるときはものすごい勢いで、目を背けるほどですが、それを怖がらずにキャッチする。その度胸と大胆さに加えて、繊細さも必要ですし、自分が守っているからという安心感をチームに与えなければいけない。そう考えると、やっぱり由羅は島津家のキーパーですね(笑)。
(取材・文/井上健一)
映画2025年8月19日
-この映画の主役は倉敷という街とそこに暮らす人たちだと思いましたが、演じながらそういうことは感じましたか。 山時 僕たちのお芝居がどうこうというよりも、本当に倉敷の景色や街並みや雰囲気が、僕たちの役を作ってくれたという気がします。これは自分 … 続きを読む
ドラマ2025年8月17日
-主演の松本潤さんとお芝居で対峙(たいじ)してみての印象を教えてください。 松本さんは、演じられている徳重先生と共通して、とても包容力のある方だと感じます。現場でもオフでも、相手を受け止めて認めた上で、的確かつ愛を持ってアプローチされるの … 続きを読む
ドラマ2025年8月16日
-そんな魅力的な蔦重を演じる横浜流星さんの座長ぶりはいかがでしょうか。 横浜さんは、蔦重さんをどう演じるか、常に誠実に真面目に考えていらっしゃいます。そういう空気がスタッフやキャストにも伝播し、しっかり取り組もうという空気感が現場全体に生 … 続きを読む
映画2025年8月15日
-ネプトゥーヌス国王役の三宅さんはいかがでしょうか。人魚という設定の上に、娘と接するときと、それ以外では雰囲気がだいぶ違いますが。 三宅 ネプトゥーヌス国王は、「屈強で、威厳があり、でも娘に甘い」。最初にその3つのファクターを大事に、と伺い … 続きを読む
映画2025年8月14日
-リアム・ヘムズワースとラッセル・クロウを演出してみていかがでした。 2人とも自分が演じるキャラクターを見いだすための努力を惜しまず、そのキャラクターの中にある真実や誠実さを見つけてくれます。さらにそのキャラクターにエンタメ性や楽しさも持 … 続きを読む