「無鉄砲でも当たってみることが大事ということを吉之助さんから学んでいます」鈴木亮平(西郷吉之助/西郷隆盛)【「西郷どん」インタビュー】

2018年1月1日 / 17:00

-幕末は、日本の歴史の中でも熱量の高い時代ですが、その熱量をどのように表現しようと思っていますか。

 当時の「黒船が来た!」という外国の列強に脅かされている状況を、どうやったら実感できるかを考えてみました。そうして思い付いたのが、「エイリアンが侵略してくる」というタイプの映画です。「突然、圧倒的な力を持つ巨大な宇宙船が東京上空に現れた! どうにかしないと、地球はエイリアンに支配されてしまう。どげんかせんといかん!」と。そういう危機感を想像しながらやっています(笑)。

-西郷は生涯で三度、結婚するそうですが、西郷を巡る女性たちの見どころは?

 最初の奥さんとは、ほとんど夫婦らしい生活もないまま別れていて、記録にも残っていないのですが、今回はその奥さんとのこともしっかり描かれるので、楽しみにしていただきたいです。また、篤姫さまとの関係が恋といえるような、いえないような、微妙な感じになっています。北川景子さんがおてんばな篤姫さまをとてもチャーミングに演じられているので、これから一緒にどんなお芝居ができるのか楽しみです。

-脚本を担当するのは、鈴木さんも出演した「花子とアン」(14)の中園ミホさんですが、今回発見した中園さんの脚本の魅力を教えてください。

 グッとくるせりふが多いです。特に、自分のせりふよりも言われる方に。(島津)斉彬(渡辺謙)さんの言葉、赤山(靱負/沢村一樹)先生の言葉…。吉之助さんに向けた言葉の一つ一つが強烈なので、今はそのせりふをノートに書き留めているところです。クランクアップを迎える頃、こうやって吉之助さんは人から影響を受けてきたんだ、と見返せるものになればいいなと思っています。

-クランクアップが楽しみですね。

 それともう一つ。男の社会が舞台ですが、主従の関係や親友同士の関係を、男女の恋愛のように描いているんです。そのせいか、男性が書くものより濃い人間関係になっているように感じます。それが、“男が男にほれる”という当時の薩摩の気風とマッチしているような気がして、演じがいがあります。先日、瑛太くんと共演したシーンでも、僕は(大久保)正助さんに対してこんなに愛情を感じているんだと気付かされたことがありました。

-このドラマでは、失敗を繰り返しながら成長していく西郷を描くそうですが、私たちが生きる上でのヒントにもなりそうですね。

 吉之助さんは、生まれた時から“当たって砕けろ”の精神を持ち、考えるよりも先に行動する人です。その行動力には憧れます。僕も日ごろからそうありたいと思っていますが、リスクや自分が傷つくことを恐れて、動けないことが多々ありました。でも、動かなければ見えてこない世界があり、動かなければ出会えない人もたくさんいます。それが後々、西郷さんの財産になっていくので、無鉄砲でもいいから当たってみることが大事だということを吉之助さんの姿から学んでいます。それは今の社会でも同じだと思います。僕は今、30代ですが、その熱さや勢いのようなものは、ずっと忘れずに持っていたいと思います。

(取材・文/井上健一)

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

柚香光「つややかで、あでやかで、華やか、そして情に深く」 最後の「髑髏城の七人」に挑む思い【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年10月11日

-役者としては、そのいのうえさんが提示したものを超えるというのは大変だったのでは?  いのうえさんがやると稽古場がドカンと揺れるぐらい周りにいる皆さんが笑うので、いのうえさんの後にやるというのはなかなかのプレッシャーでした(笑)。 -今作の … 続きを読む

堤真一「自分なりの演じ方」で描き出す 濵田崇裕、ローマは「僕が出会ったことがない人間」 「グレンギャリー・グレンロス」で初共演【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年10月10日

-そうした役柄に共感するところはありますか。 濵田 ローマは、二幕になると、途端に本性が見えてきて、それまで隠していたものがあることが分かるので、どれが本当のローマなんだろうかと思います。なので、共感は難しいですが、これまで僕が出会ったこと … 続きを読む

戸田菜穂「スッとあの時代に入っていけるような空気がありました」名作漫画の実写映画化で、昭和の母を好演『遥かな町へ』【インタビュー】

映画2026年10月9日

-戸田さんが当時の生活に引かれる理由は何でしょうか。  昔から、向田邦子さん(「寺内貫太郎一家」、「阿修羅のごとく」などを手掛けた昭和の脚本家、小説家)の作品や、そこ描かれている戦後昭和の生活スタイルが好きだったんです。世の中は今よりもずっ … 続きを読む

【映画コラム】9月の公開映画から

映画2026年10月8日

「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」(11日公開)★★★ 戦争が残した加害と被害の記憶  ベトナム戦争に従軍した元海兵隊員アレン・ネルソン(ロドニー・ヒックス)は、帰国後も戦場の記憶に苦しみ続ける。だが、自らの戦争体験を人前で語り始 … 続きを読む

伊原六花「七五三掛さんが一緒で心強い」七五三掛龍也「伊原さんはオールマイティーな方」痛快リベンジ・エンターテインメントで共演「小麦とバターと復讐と」【インタビュー】

ドラマ2026年10月7日

 10月7日(水)よる11時からカンテレ・フジテレビ系全国ネット「水ドラ★イレブン」枠で、新ドラマ「小麦とバターと復讐と」がスタートする。  夫と助手に裏切られ、命を落としたパン職人の野崎ミチルが、2年前にタイムリープし、過去をやり直しなが … 続きを読む

page top