【インタビュー】『デメキン』山田裕貴 「一度は人生にふたをした…」挫折が開いた役者道を“ハート”を武器に突き進む

2017年12月4日 / 14:30

 『亜人』、『あゝ、荒野』、『HiGH&LOW』シリーズなど、本年度だけで12作の映画に出演し、注目を集めている実力派若手俳優・山田裕貴。彼の役者人生は決して平たんなものではなかったが、 人生にふたをするほどの大きな挫折を乗り越え、自分を信じて選んだ道を歩き続けている。そして今、「俳優王になりたい」と屈託のない笑みを浮かべる山田が、役者を目指すに至ったいきさつや、まさに役者のかがみともいえる驚きの私生活などを赤裸々に語った。

山田裕貴

 特撮ドラマ「海賊戦隊ゴーカイジャー」(11)のゴーカイブルー役でデビューし、役者として順調に滑り出した山田。数々の話題作に出演している他、主演経験もあり、順風満帆のようだが、いまだ手応えを感じていないようで、9月に行われた映画『二度めの夏、二度と会えない君』の舞台あいさつでは「跳ねたいな…」と思わず本音を吐露した。

 しかし、その真意は単に「売れたい」ということではなかった。山田は「自由に、悔しさを感じずに、自分を試せる日が来たら、跳ねたと感じるのかな」と推測すると、「漫画『ワンピース』の主人公ルフィが『支配なんかしない。この海で一番自由なやつが海賊王だ!』と言っていたように、やりたい役をやって、好きな監督や役者と自由に映画を作れるようになったら俳優王!」とあどけない表情を浮かべながら語った。

 ところで、山田が役者を目指すきっかけとは? 実は、父は元プロ野球選手の山田和利(現広島東洋カープ コーチ)で、山田は周囲の期待を背負い、小学生の頃から野球選手を目指して練習に励んだ。ところが、野球センスに恵まれず、「いろんなうまいやつを目の当たりにして、もう頑張れないと高校で諦めて、一度は人生にふたをした…」と告白する。さらに、居場所を失った山田は「学校生活では生き残らなきゃ。そのためにもみんなから好かれなきゃ」という強迫観念めいたものにとらわれた学生時代を送ったという。

 その中で巡り会った役者業は、山田いわく「ハートの職業」。「生まれ持った運動能力とかは関係なく、必要なものは誰もが持つ人間性。だったらフェアだと思った。それに、人間性は自分次第でいくらでも磨けるし、他人の気持ちを考えることもできれば絶対にうまくいく。何があっても全てを自分のせいにして戦う!」と奮起。エキストラから始め、ぞんざいに扱われて悔しい思いもしたが、それすらも原動力に変えていった。

 そんな山田の最大の魅力は、少女コミックに登場するようなキラキラした高校生やギラついた凶暴な男など、どんな役をもナチュラルにこなす演技力。それは、演出家の前田司郎からもらった「役作りは役半分、自分半分。自分の中にある感情を掘り起こせば、その役になれる」という言葉を胸に、「役を生きる」ことに徹しているからこそ生み出される。

 それ故、日常のさまざまな場面で湧き起こる感情や行動をストックすることは大事な作業で、例えば「ゲーム中にムカついてコントローラーを投げつけてしまったときでさえ『この怒りは使える』と思う」のだとか。そうやって意識を張り巡らせた1日が終わると疲れ切っていることもあるというから、その役者魂には脱帽だ。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

片岡凜「花梨が持っている正義すら悪に見えるように演じることを心掛けていました」『鬼の花嫁』【インタビュー】

映画2026年3月28日

 コミック版も人気を博した和風恋愛ファンタジー小説を、永瀬廉と吉川愛のW主演で実写映画化した『鬼の花嫁』が3月27日(金)から全国公開された。鬼と人間との究極のラブストーリーを描いた本作で、ヒロイン柚子の妹の花梨を演じた片岡凜に話を聞いた。 … 続きを読む

岩本照「プライベートで元太と聖地巡礼がしたい」 松田元太「ロケ地で照くんとオソロッチのセットアップを買いました」

ドラマ2026年3月28日

 Snow Manの岩本照とTravis Japanの松田元太がW主演するドラマ「カラちゃんとシトーさんと、」の“ととのい上映会&取材会”が東京都内で開催された。本作は、おいしいものが大好きなファッションモデルのカラちゃんと、サウナ … 続きを読む

【映画コラム】3月後半の映画から『プロジェクト・ヘイル・メアリー』『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』

映画2026年3月27日

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(3月20日公開)   未知の原因によって太陽エネルギーが奪われ地球に滅亡の危機が迫る中、その謎を解明する“イチかバチか(ヘイル・メアリー)” のプロジェクトのために、中学の科学教師グレース(ライアン・ゴズ … 続きを読む

望海風斗が挑むラテンミュージカル「ただのドタバタコメディーではなく、深みを持った作品に」ミュージカル「神経衰弱ぎりぎりの女たち」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年3月27日

 望海風斗主演、スペイン映画界の名匠ペドロ・アルモドバルによる傑作映画を原作としたミュージカル「神経衰弱ぎりぎりの女たち」が、6月7日から上演される。本作は、ある日、唐突に恋人から別れを告げられた女優のぺパが、彼のアパートへ向かったことで、 … 続きを読む

戸塚祥太&辰巳雄大、ビートルズの結成初期を描いた「BACKBEAT」がついにFINAL 「今回だけのビートがそこに生まれる」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年3月26日

 戸塚祥太と辰巳雄大が出演する「BACKBEAT」が、4月17日から開幕する(プレビュー公演は4月12日)。本作は、世界的ロックバンド・ビートルズの結成初期を描いた1994年公開の伝記映画『BACKBEAT(バックビート)』をイアン・ソフト … 続きを読む

page top