「菅田さんとは、本当に万千代と万福のようないい関係になっています」井之脇海(小野万福)【「おんな城主 直虎」インタビュー】

2017年11月26日 / 20:50

-万千代と万福が草履番だった頃、六角精児さん演じる本多正信が加わって、マイペースな正信とそれにイラつく万千代、2人の間を取り持つ万福といった形で、いいトリオになっていましたね。

 万千代と2人だった時は、ただがむしゃらな感じでしたが、正信が加わったことで、正信が投げる変化球を万千代が空振りして、万福が取る、みたいな、一見かみ合っていないようで実はまとまっている感じになりました。多分、正信と万千代だけだったら、延々と空振りしまくって、時々ホームラン、みたいな極端なことになっていたでしょうね(笑)。だから、うまくバランスを取るように心掛けて演じました。どういう着地点になるのかと思いながらやっていましたが、「こんなふうにまとまるんだ!」という発見もあって楽しかったです。

-草履を投げてそろえる場面は驚きました。

 台本に「草履をシュターン、シュターンと投げる」と書いてあったので、これはどうするんだろうと(笑)。実際に草履を投げている絵が残っているので、それを菅田さんと一緒に見たりもしたのですが、やっぱり想像がつかなくて。練習してもなかなかきれいに決まらないんですが、僕が渡して菅田さんが投げるタイミングが全部合うと、何十回に1回かは草履がそろうんです。そうしたら、2人ともうれしくなって、本番中なのに思わずニヤッとしてしまいました(笑)。

-投げてそろえるのは大変そうですね。

 でも、その「シュターン、シュターン」が開発される前は、ひたすら取って、持って行って、預かって、下げて、を繰り返していたんです。延々とスクワット込みのシャトルランを繰り返しているような気分でした(笑)。僕はバスケットボールをやっていたので、体力には自信があったんですけど、草履番の初日が終わった次の日は筋肉痛になりました。足のどこかではなくて、もう足全体が痛くて…。昔の人はすごいですよね。“伊賀越え”したのも納得です(笑)。

-万福の見どころはどんなところでしょう。

 万福は、政次の件を始め、実はかなり重い過去を背負っています。画面には映っていませんが、大きくなるまでに、そういったものを自分なりに克服してきたと思うんです。そういう、過去に捉われず、自分たちで新しい未来を作っていこうとする万千代と万福の真っすぐさには、共感してもらえるのではないでしょうか。

-お話を伺っていると、雰囲気が万福に似ているように感じますが、ご自身では万福と万千代のどちらに似ていると思いますか。

 それはやっぱり、万福ですね。万千代に似ている人は、あまりいないのでは…(笑)。時代が異なるので、責任感や立場の違いはありますが、最初に台本を読んだ時、根本的な性格は、普段の自分とそれほど違わないと感じました。ただそうすると、映ったものが井之脇海になってしまうのではないかという怖さもあったので、演じる上では、似ているところよりも違うところを探している感じです。

(取材・文/井上健一)

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

尾上松也「金田一耕助を演じる喜びがふつふつと」奥智哉「今の時代にふさわしい作品に」名作ミステリー映画で共演『八つ墓村』【インタビュー】

映画2026年9月18日

-お二人は今回が初共演だそうですが、そういう金田一と辰弥の関係をどのように作っていったのでしょうか。 松也 僕のクランクインが、ロケ地の岡山でちょうど奥さんや堀田(真由/森美也子役)さんと3人のシーンでしたので、初日の撮影が終わった後にみん … 続きを読む

有村架純、石田ひかり、姫野花春「見終わった後ですごく幸せな気持ちになれる映画です」『さとこはいつも』【インタビュー】

映画2026年9月18日

有村 花春ちゃんは、その青さといい輝きといい、本当に今しかないものがしっかりと画面に映っていました。15歳の聡子ちゃんには、まだ名の知れぬ感情がいっぱいある。これからこの子はいろいろな感情を知って大人になっていく。今はそのスタートラインにい … 続きを読む

見上愛「樹里ちゃんは周りを安心させる空気感を持っている」上坂樹里「愛さんが私を直美にしてくれました」主演の2人が撮影を振り返る【連続テレビ小説「風、薫る」インタビュー】

ドラマ2026年9月17日

-看護師役を演じて、看護師に対する印象が変わった部分はありますか。 見上 最初の頃は、「技術職」という印象が強く、看護婦養成所のパートが始まったときは、包帯やシーツをきちんと扱えるようにしなければ…という意識が強かったんです。でも、イベント … 続きを読む

丸山隆平「きっと誰も見たことがないものになる」 舞台「water」で挑む半自伝的作品【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年9月14日

 丸山隆平と、演劇団体マームとジプシーの主宰を務め、劇作家・演出家として注目される藤田貴大が企画し、作り上げる舞台「water」が9月27日から上演される。本作は、丸山の記憶の断片を散りばめながら、藤田の視点で見つけた京都という土地、そして … 続きを読む

倉悠貴 豊臣兄弟を支える軍師・黒田官兵衛を好演中「最後までしっかり演じ切りたい」【大河ドラマ「豊臣兄弟!」インタビュー】

ドラマ2026年9月13日

-本作では戦国時代の過酷さが描かれる一方で、ユーモアのあるシーンも多いですが、その辺もお二人が空気感を作っているのでしょうか。  その点は、お二人と一緒に現場を引っ張ってくださる蜂須賀正勝役の高橋努さんの存在も大きいです。この作品は、戦国時 … 続きを読む

page top