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万千代と2人だった時は、ただがむしゃらな感じでしたが、正信が加わったことで、正信が投げる変化球を万千代が空振りして、万福が取る、みたいな、一見かみ合っていないようで実はまとまっている感じになりました。多分、正信と万千代だけだったら、延々と空振りしまくって、時々ホームラン、みたいな極端なことになっていたでしょうね(笑)。だから、うまくバランスを取るように心掛けて演じました。どういう着地点になるのかと思いながらやっていましたが、「こんなふうにまとまるんだ!」という発見もあって楽しかったです。
台本に「草履をシュターン、シュターンと投げる」と書いてあったので、これはどうするんだろうと(笑)。実際に草履を投げている絵が残っているので、それを菅田さんと一緒に見たりもしたのですが、やっぱり想像がつかなくて。練習してもなかなかきれいに決まらないんですが、僕が渡して菅田さんが投げるタイミングが全部合うと、何十回に1回かは草履がそろうんです。そうしたら、2人ともうれしくなって、本番中なのに思わずニヤッとしてしまいました(笑)。
でも、その「シュターン、シュターン」が開発される前は、ひたすら取って、持って行って、預かって、下げて、を繰り返していたんです。延々とスクワット込みのシャトルランを繰り返しているような気分でした(笑)。僕はバスケットボールをやっていたので、体力には自信があったんですけど、草履番の初日が終わった次の日は筋肉痛になりました。足のどこかではなくて、もう足全体が痛くて…。昔の人はすごいですよね。“伊賀越え”したのも納得です(笑)。
万福は、政次の件を始め、実はかなり重い過去を背負っています。画面には映っていませんが、大きくなるまでに、そういったものを自分なりに克服してきたと思うんです。そういう、過去に捉われず、自分たちで新しい未来を作っていこうとする万千代と万福の真っすぐさには、共感してもらえるのではないでしょうか。
それはやっぱり、万福ですね。万千代に似ている人は、あまりいないのでは…(笑)。時代が異なるので、責任感や立場の違いはありますが、最初に台本を読んだ時、根本的な性格は、普段の自分とそれほど違わないと感じました。ただそうすると、映ったものが井之脇海になってしまうのではないかという怖さもあったので、演じる上では、似ているところよりも違うところを探している感じです。
(取材・文/井上健一)
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