エンターテインメント・ウェブマガジン
NHKで好評放送中の連続テレビ小説「あんぱん」。『アンパンマン』を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦をモデルに、何者でもなかった朝田のぶ(今田美桜)と柳井嵩(北村匠海)の2人が、数々の荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでを描く愛と勇気の物語だ。5月21日に放送された第38回では、出征した原豪(細田佳央太)の戦死の報せが届き、結婚の約束をしていたのぶの妹・蘭子が悲しみに沈む一幕があった。蘭子を演じる河合優実が、役や作品に対する思いを語ってくれた。

(C)NHK
とても大切なせりふだと思ったので、きちんと伝えることを何よりも大事にしました。世の中がのぶの言うような「御国のために、命をかけて戦うべき」という思想にどんどん傾いていく中、もはや何も言えない豪ちゃんの代わりに、強い気持ちで私がこれを伝えなければ、という思いでした。
細田さんとの共演は今回が3度目なので、役や1つ1つのシーンに真っすぐに取り組んでくれるという信頼感がありました。どんなふうに心を通わせればいいのか、テストの段階からお互いに探るようなところもあり、演じていて自然と背筋が伸び、いい時間を過ごすことができました。壮行会で蘭子たちが「よさこい節」を歌うときは、言葉を交わさずとも、目を合わせたまま交感している感覚があり、私がニコっと笑ったら、ほほ笑み返してくれたことが強く印象に残っています。
中園さんから直接伺ったわけではありませんが、そういう思いは台本からもはっきりと伝わってきました。しかも、現実に世界で戦争が起きていることを考えても、今こそ皆さんがご覧になるこの作品を通して、伝えられることがあると思っていたので、蘭子という役を通して私が反戦の役割を担わせていただけたことは、ありがたかったです。その分、大切に演じなければ…と思いながら、台本を読んでいました。ご覧になった皆さんが、少しでも戦争について考えるきっかけになればと思います。
やなせ夫妻をモデルにしているだけでなく、作品全体にやなせさんの考えや『アンパンマン』の要素がちりばめられている点が楽しく、大きな魅力になっています。命の尊さを真っすぐに描いている点にも、思いの切実さと強さを感じました。
台本ややなせさんご自身が遺された言葉を読み、やなせさんの作品の根底にある哲学は、戦争や幼少期の体験から生まれたものだと実感しました。「逆転しない正義とは、飢えた人にパンをあげることだ」という言葉が出てくるのは、身をもって体感された方だからこそです。そこから『アンパンマン』が生まれたことを考えると、うそのない思いの強さを感じます。
『アンパンマン』は、誰もが子どもの頃に接する作品で、私も同じようにいつの間にかおもちゃや絵本で親しんでいました。さらに今回、「あんぱん」に参加して、蘭子のモチーフになっているロールパンナが大好きになりました。子ども向けのキャラクターなのに、正義と悪の心を併せ持つ人間味のある設定が魅力的で、孤高の存在という点もかっこいいです。

(C)NHK
映画2026年10月8日
「バックルームズ」(9月4日公開)★★★ 出口のない迷宮が生む恐怖 “あるはずのない隙間”から、黄色い壁に囲まれ蛍光灯に照らされた迷宮のような空間へ迷い込んだ男(キウェテル・イジョフォー)が、出口を求めてさまよう。インターネット発の都市伝 … 続きを読む
ドラマ2026年10月7日
10月7日(水)よる11時からカンテレ・フジテレビ系全国ネット「水ドラ★イレブン」枠で、新ドラマ「小麦とバターと復讐と」がスタートする。 夫と助手に裏切られ、命を落としたパン職人の野崎ミチルが、2年前にタイムリープし、過去をやり直しなが … 続きを読む
映画2026年10月1日
大腸がんによって24歳で他界した遠藤和(のどか)さんが亡くなる10日前までつづり続けた手記を映画化した『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』が、10月2日から全国公開される。本作で、主人公の和と夫の将一を演じた、川口春奈と高杉真 … 続きを読む
映画2026年10月1日
余命1年の音楽教師・京香(広瀬アリス)と、喜び以外の感情を失った高校生・沖晴が織りなす、切なくも温かい感動の人生賛歌『沖晴くんの涙を殺して』が10月2日から全国公開される。本作で、訳あり高校生の沖晴を演じた木戸大聖に話を聞いた。 -沖晴の … 続きを読む
舞台・ミュージカル2026年9月30日
小瀧望が主演する舞台「ロックンロール」が、11月6日から上演される。本作は、世界的な劇作家トム・ストッパードが祖国チェコスロバキアを舞台に、20年以上にわたる歴史のうねりを描きながら、自由の尊さをうたう物語。愛するロックンロールと母親を守 … 続きを読む