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私の理想の主演像、みたいなものはあったんです。とはいえ、そういうことをやる技術も器の大きさもないから、とにかく現場では誰よりも元気でいようという気持ちは大切にしました。そうしたら、現場の空気が上がる瞬間があって、すごくうれしくなったんです。それまでは、「私なんかが…」と思っていたことを、主演にかこつけてやってみたら、みんなも一緒になってくれた。きっと今までも見えていないことがたくさんあったんだろうなって。でもそれも、森ガキ組のスタッフ、キャストの皆さんがいてくれたから。森ガキ組でなければ、こんなに変われなかったと思います。
光石さん、赤間(麻里子)さん、池本(啓太)くんと私が家族で、みんなお芝居で絡むのは初めてだったんですけど、最初から変に意識しなくても、家族の空気がありました。だから、とてもやりやすくて、ずっと楽しかったです。岩松さんや水野さんも、現実的な部分と非現実的な部分がある人物をきちんと成立させていて、さすがだなぁと。あと、熊本の開放的な雰囲気や温かさみたいなものも、作品に流れる空気を作ってくれた気がします。
すごく難しい題材だったと思います。でもお葬式って、何かしらハプニングがあるんですよね。私も小さい頃、おばあちゃんのお葬式で、「去る何月何日、何々様が…」と話しているのを聞いて、「え?猿、猿?どこにいるの?」と言ってしまったことがあります。それを親戚中が白い目で見る中、お母さんだけが苦笑いしている、みたいな…(笑)。
人が亡くなっているんだけど、そうやって笑っちゃうようなことも起きる。それがお葬式だと思うんです。この映画でも、おじいちゃんの遺体の前で光石さんと岩松さんのクスッとさせる場面があって、絶妙な家族の空気感に感動しました。深刻な話ではなく、誰でも「家族ってそうだよな」と感じることができる作品になっています。ライトな面白さと同時に、グッとくる部分もあるすてきな映画なので、たくさんの人に見ていただきたいです!
(取材・文・写真/井上健一)
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