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時効を迎えた連続殺人事件の殺人犯・曾根崎雅人が、事件の真相を語る告白本を出版。素顔をさらして記者会見に現れ、日本中の注目を集めていく。だが、果たしてその目的は…?そんなセンセーショナルな展開が待ち受ける新感覚サスペンスエンターテインメント『22年目の告白‐私が殺人犯です‐』が6月10日から公開される。事件当時の22年前と現代を行き来しつつ、二転三転する物語が疾走感あふれるタッチで繰り広げられる本作。藤原竜也、伊藤英明ら豪華キャストがそろう中、過去編の重要人物を演じた野村周平と石橋杏奈に、撮影の舞台裏を聞いた。
野村 台本を読んだ時も面白かったんですけど、出来上がった映画を見たら、「あぁ、こうなっているんだ」と改めて思いました。こういう心をえぐるような映画は最近なかったので、「早く見てほしい」という気持ちになりました。
石橋 私はサスペンスが大好きなので、台本を頂いた時は、続きが気になって一気に読んでしまいました。そして出来上がった映画はゾクゾクするような音の使い方や疾走感がすごくて、脚本以上に面白くなっていたので、客観的に夢中で見てしまい、本当にあっという間に見終わってしまいました。
石橋 私は福岡に住んでいたので、大きな震災を体験した方は周りにほとんどいません。仕事でお会いする方からお話を聞いたことはありますが、リアルには想像できないところがありました。自分で体験したことがあるのは、一番大きくても震度5ぐらいで、その時の恐怖よりもさらにすごいものであったことをひたすら想像して臨みました。
野村 当時の事は覚えていなくても、東京も東日本大震災でかなりすごいことになりましたよね。僕は高校2年生でしたが、あの時の衝撃は本当に大きかったです。今でも復興作業を進めているぐらいですし…。あと、僕は神戸出身なので、がれきが崩れた場所など、震災の跡が今でも残っているので、それも思い出しました。
石橋 感情の流れがすごく複雑なので、とにかく一つ一つ丁寧にということを心掛けました。ひたすら夢中になって撮っていたという感じで、ハードなシーンも多かったですが、だからこそすごくやりがいを感じる役柄でした。
野村 石橋さんの心に傷を負っているお芝居が本当に素晴らしかったので、そこにいるだけで感情移入できました。むしろ、石橋さんのお芝居を邪魔してはいけないという緊張感があったおかげで、その場面に緊張感が出ました。
石橋 バックボーンが壮絶な割に、描かれている部分はそんなに多くないので、毎回、撮影の前にその状況を想像する作業がとても大変でした。それが画面に出ていない時には、監督が「もっと!」と指示を出してくださったり、その時の状況を細かく説明して下さったりしました。
野村 前半は好青年でいようと思いながら、しっかり彼女を支える彼氏役を演じていました。後半は感情が乱れる場面が多かったですが、いろいろと想像を膨らませて感情をマックスまで持って行くことができました。簡単ではありませんが、演じていて面白かったです。
野村 衣装も髪形も、当時を意識したこだわりがすごく感じられたので、演じる上でも助かりました。上京するって、当時はこういうことだったんだなということなども分かって、世界観に入り込みやすかったです。
石橋 私は外見から役に入るタイプなので、今回は時代設定もきちんとしていて、演じやすかったです。メークさんに髪を整えていただいたんですが、その当時の前髪がとても薄いんですよね(笑)。あと、伊藤英明さんが演じる兄のアパートのセットは、私が片付けるということで、ものすごく汚くしてあったんです。それもすごく時代感が出ていて新鮮でした。
野村 入江監督の作品に出演するのはこれで3回目になりますが、信頼関係ができているので、やりやすかったです。言葉数が少なくて、本当に重要なことを言うだけで、あとは任せてくれます。
石橋 私は入江監督とは初めてご一緒させていただきましたが、野村くんも言っていたように、本当に重要なことしか言いません。事前に長い説明をされることもなく、カメラを回してみて違うと思ったら、重要なところだけ指示されます。言葉数が少なくてびっくりしたのですが、自分のビジョンがはっきりされている方です。NGの時は「もう1回!」というのも早いですし、オーケーの時は「うーん、オーケー…」ではなく「オーケー!」という感じだったので、演じていて気持ちが良かったです。安心して撮影できました。
野村 現代編の前に過去編をまとめて撮影していただいたおかげで、間が空くことがなかったのでありがたかったです。過去編は16ミリフィルムで撮影したので、「フィルムの交換は、こんなに時間がかかるんだ」などと分かったのも面白かったです。
石橋 フィルムはNGを出すとその分が無駄になってしまうので、緊張感が生まれて背筋がビシッと伸びますよね。あと、私は撮影初日が誕生日だったので、お祝いしていただいたのですが、「初日からすみません」という気分になりました(笑)。でも撮影当日が誕生日だったのは初めてで、とてもうれしかったですし、また忘れられない現場になりました。
石橋 もう素直に、全部が面白かったので、その疾走感やスリル、ハラハラドキドキする感じを体感していただきたいです。
野村 始めから終わりまで、一瞬たりとも見逃せません。いい意味での裏切りがたくさんあるので、目をそらさずに見ていただいて、最後のどんでん返しに驚いて帰ってほしいです。
(取材・文/井上健一)
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