「主演のようなテンションで盗賊団の頭を演じています」柳楽優弥(龍雲丸)後編【「おんな城主 直虎」インタビュー】

2017年6月4日 / 20:45

 直虎(柴咲コウ)の計らいにより、晴れて井伊の人々からその存在を認められた龍雲丸と盗賊団の仲間たち。直虎との絆も徐々に深まり、今後ますますの活躍を見せることになる。前回に続いて龍雲丸役の柳楽優弥が、盗賊団のメンバーとの共演や、役に込めた思いなどを語った。

 

龍雲丸役の柳楽優弥

龍雲丸役の柳楽優弥

-第22回は一緒に木を切ったり、酔っ払って絡まれたり、直虎との共演場面が見どころでしたね。

 木を切るシーンの、(直虎を)後ろから抱え込む体勢を“バックハグ”というそうですね。恥ずかしかったですけど、今まで経験したことのないシチュエーションだったので、ここぞとばかりに楽しみました。共同作業です(笑)。酔って絡まれる場面も、モテた気分になれたのでうれしかったですね(笑)。

-盗賊団のメンバーとの共演はいかがですか。

 心強いです。始まる前は、個性が強過ぎる人がいたらどうしようと心配していました。みんなとコミュニケーションを取ってやっていきたかったので。でも、みんなすごくフレンドリーだったので安心しました。知識が豊富な人ばかりでいろいろな話を聞けたり、チームワークは抜群です。とても活気にあふれたチームなので、一緒にいてすごく楽しいです。

-それぞれのメンバーの印象は?

 いろいろなことを知っているマキタスポーツさんからは、しゃべり方について「落語を参考に」というアドバイスをもらえたのが助かりました。前田航基くんは僕と同じように、デビュー作が是枝(裕和)監督の『奇跡』(11)で、撮影中に陣中見舞いに行ったことがあったので、話が合いました。吉田健悟くんとはお互いの不安をぶつけ合ったりしていました。あと、僕は運動が好きなので、真壁刀義さんには筋トレのやり方について聞きました。プロレスの試合を見たいという話もしたので、みんなで行こうと思っています。

-龍雲丸は、その個性的な面々を束ねる“頭(かしら)”という立場ですが、どんな気持ちで演じていますか。

 自分のこれまでの経験を生かして、映画に主演するようなテンションで演じています。最初はすごく悩みました。こんな個性豊かなメンバーの中で、どうやって頭の雰囲気を出せばいいのかと。だけど、風貌や見た目で“いかにも”という雰囲気を出すより、みんなと楽しくやっていたら結果的に頭になっていた、というタイプの方が僕には合っていると思ったので、そんなつもりでやっています。僕が「やるぞ!」と言うと、みんなが「おー!」と応えてくれるので、こっちのテンションも上がります。この軍団の頭で良かったと本当に思います。

-メンバー同士で役づくりの相談などはされるのでしょうか。

 そうですね。マキタスポーツさんや真壁さん、吉田くん、前田くんの他にも、エキストラさんを含めて10人ぐらいいるので、時代背景や「吉田くんの役柄、龍雲丸のことが好きだよね」みたいなことをみんなで話し合っています。

-今後、盗賊団はどうなっていくのでしょう。

 登場して間もない20回台の前半は、龍雲丸と盗賊団の明るく楽しい個性が発揮されていくので、楽しんでいただきたいです。後半になると、徐々に龍雲丸の過去も見えてきて、盗賊団も明るいだけではないシリアスな状況になっていきます。

-柳楽さんはこれまで、『許されざる者』(13)や『合葬』(15)といった時代劇にも出演経験がありますが、他の時代劇と大河ドラマの違いはどんなところに感じますか。

 大河ドラマは他の時代劇と比べて、見て下さる方の数も多くて、層も幅広いということが一番違います。特定の層を狙った作品に比べて、圧倒的に大衆性が問われます。『合葬』のようなメッセージ性の強い映画も楽しいですが、多くの人に見てもらえる大河ドラマには、自分をスキルアップさせていく楽しさや緊張感があります。

-過去の時代劇の経験が、今回役立っている部分はありますか。

 殺陣の経験は役に立っています。馬に乗ったり、所作を学んだりした経験も、今回は直接関係ありませんが、気持ちの上で作品になじみやすくなっているので、無駄ではありません。そういう精神が好きで個人的に武道を習っていますが、道場に通っていると、気持ちがビシッとして人生楽しいです。まったく自由な状況の方が、逆に不自由に感じてしまいます。

-柳楽さんご自身と龍雲丸で似ている部分はありますか。

 龍雲丸は、自由といいつつ過去にとらわれている人間です。僕にもそういう経験があるので、演じる上でうまく生かせると思いました。僕は節目節目でいい人たちに出会えて、いいアドバイスをもらうことができました。龍雲丸にとってはそれが直虎であり、直虎も龍雲丸からいい刺激を受けているのではないかと感じています。ただ明るいだけではない、そんな龍雲丸の内面に絡む部分も、話が進むにつれて演技で見せていけると思うので、ぜひ注目してほしいです。

-アウトロー的なイメージがある柳楽さんは、龍雲丸という役がぴったりハマっている印象です。そんなふうに見られることをどう思いますか。

 違うんですけどね(笑)。でも確かに、ものすごい暴力で相手をボコボコにしたり、両親がいなくなったり、フラれたりする役が多くて、ハッピーエンドを迎えられることが少ないんです。そういう、実際とイメージのギャップが俳優の面白さでもあるのかなと思います。“いい人そうに見えて実は嫌なやつ”よりは“すごく怖そうだけど実はいい人”の方が、長く仕事が続けられそうですし(笑)。もう少し穏やかな印象を持ってもらえたら…とは思いますが。龍雲丸は男っぽいだけでなく、直虎と心を通わせる部分もあるので、今回はちょっとした挑戦です。しっかり楽しみながら頑張りたいです。

(取材・文/井上健一)


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

中川大志、三谷幸喜の最新作は「現代にも通ずる、過去の出来事として片付けられないもの」を描く PARCO PRODUCE 2026「アメリカン・ドリーム」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年8月8日

 三谷幸喜が長年温めていたテーマを豪華キャストで描く、渾身(こんしん)の書き下ろし新作舞台「アメリカン・ドリーム」が8月15日からPARCO劇場で上演される。本作は、1940年代後半のアメリカを舞台に、反共産主義に基づく“赤狩り”によって告 … 続きを読む

【K-POPもKドラマも深読みしたら韓国が見えた】#韓国人はなぜ「呼称整理」をするのか、「脱出おひとり島」が映す韓国社会

2026年8月7日

 K-POPや韓国ドラマは、エンターテインメントであると同時に、韓国社会を映す鏡でもある。何気ない言葉やしぐさ、習慣の背景をたどると、その国ならではの価値観や歴史、人との関わり方が見えてくる。この連載では、韓国カルチャーを入り口に、知ってい … 続きを読む

福原遥「自分の大切な人を大事にして生きていこうと思いました」【インタビュー】『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』

映画2026年8月6日

 大ヒット映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』の続編にして完結編『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』が8月7日から全国公開される。前作に続いて主人公の百合を演じた福原遥に話を聞いた。 -始めに、前作『あの花が咲く丘で、君とま … 続きを読む

【映画コラム】7月の公開映画から

映画2026年8月3日

「トイ・ストーリー5」(7月3日公開)★★★ おもちゃを取り巻く“変化”を描く  持ち主の少女ボニーの成長を見守ってきたカウガール人形のジェシー。だが、タブレット端末「リリーパッド」の登場で、ボニーは画面の世界に夢中になり、おもちゃと遊ぶ時 … 続きを読む

「ConChu!」が大昆虫展アンバサダーに就任! ハロプロ研修生から羽化した4匹たちの、その先とは

インタビュー2026年7月31日

 夏休みの人気イベント「大昆虫展 in 東京スカイツリータウン(R)」のアンバサダーに、杉原明紗(モーニング娘。’26)、長野桃羽(アンジュルム)、西村乙輝(つばきファクトリー)、相馬優芽(ロージークロニクル)による特別ユニット … 続きを読む

page top