【インタビュー】「獄門島」長谷川博己「金田一耕助を演じてきた歴代の俳優の中に、自分の名前が連なると思うとすごくうれしかったです」

2016年11月19日 / 13:41

 横溝正史の原作をドラマ化した「獄門島」(19日、BSプレミアム午後8時~午後10時)で、長谷川博己が名探偵、金田一耕助を演じる。戦友が残した「妹たちが殺される」という最期のメッセージを胸に、瀬戸内海に浮かぶ獄門島にやってきた金田一が連続殺人の謎に挑む様子を描く。今回の金田一像は従来とは一線を画すという。長谷川が、実際に演じた感想、さらに役者としての思いを語った。

 

金田一耕助を演じた長谷川博己

金田一耕助を演じた長谷川博己

-横溝作品の中でも絶大な人気を誇る「金田一耕助」シリーズですが、オファーが来た時の心境はいかがでしたか。

 金田一耕助を演じてきた歴代の俳優の中に、自分の名前が連なると思うとすごくうれしかったです。日本を代表する探偵シリーズ、シェークスピアでいえば『ハムレット』みたいなものですから。そういった意味では“金田一アクター”という枠の中に入れた。これほど光栄なことはない、という気持ちでした。

-「獄門島」の印象はどのようなものでしたか。

 やはり、僕は市川崑さんの作品(1977年の同名映画)が好きだったし、素晴らしかったので、それを自分がやるというのはかなり大変なことだなと思いました(笑)。僕の中では市川監督の金田一のイメージが強かったのですが「金田一は傍観者としているべき」「例えて言うなら天使だ」とおっしゃっていたと、どこかで聞いたことがあります。ところが、今回の金田一は、それとは違って、ズバズバいろんなことをしゃべるし、エキセントリックな印象でした。原作を読むと、今回は原作に割と近いなと感じたので、そういう意味では、一度、過去のイメージから「自由になっていいんだ」という気がしました。

-今回の金田一の魅力は何でしょう。

 最初に台本を読んだ時に、ヒーローというよりも、後半に関しては「こっちがヒール(悪役)なんじゃないかな」と感じる部分がありました。なので、従来の金田一像と比較できる、そこが魅力かもしれません。戦争のトラウマなど金田一の心の闇が描かれている。それも一つの魅力だと思います。

-演じる上でのこだわりはありましたか。

 台本に忠実に、求められていることを表現していく、というのがいつもの役に対するアプローチです。そういう意味では今回特に強いこだわりのようなものはありませんでした。それよりもとにかく佐渡が島という素晴らしいロケーションで、周りの役者さんたちと一緒に、その場所、その場で生まれたものを大切にワンシーン、ワンシーンを丁寧に演じていく感じでした。あえて言えば、げたではなくブーツでやったということですかね。山の中をとにかく猛スピードで走りまくるので、監督に「げただと転びそうですね」と話したら、「じゃあ、ブーツにしようか」となったので、それでいいんだ…と思って、そうなりました(笑)。

-“探偵役”を演じるということに対しては、何か特別な思いはありますか。

 イギリスで言えば、シャーロック・ホームズですよね。探偵役はすごく魅力的です。自分も役者じゃなかったら、探偵をやりたかったなと思うほど。いろいろ変装とかできて楽しいじゃないですか。どこかアウトローですしね。

-撮影を通じて、今後何度も演じてみたいキャラクターになったのでは?

 それはもちろんです。ただ、今回は結構せりふの量が多かったので(笑)。金田一って、あまりしゃべらないイメージがあったのですが。金田一が「そうですか?」「でもこうじゃないですか?」ってちょっと言ったら、周りがワーッとなって、一気に解決していくみたいな。そういう展開をちょっと期待していたのですが、世の中そう楽には行きませんよね(笑)。でも、シリーズ化されたら、ぜひまたやらせていただきたいです。

-夏目漱石に続いてまた有名なキャラクターを演じたことへの思いは?

 夏目漱石という実在した偉大な作家を演じられたり、金田一耕助というポピュラーなキャラクターを演じることができたり、本当に役者冥利(みょうり)に尽きます。こういう役を任せていただけるようになったことをうれしく思うのと同時に身が引き締まります。

-来年は40歳を迎えます。今年はとても忙しく充実した時を過ごされたと思いますが、来年への意気込みをお願いします。

 今年はいろいろな役を頂けて確かに充実していました。これからも気負うことなく一つ一つ丁寧にやっていけたらな、と思っています。

-最後に視聴者にメッセージを。

 皆さんには一度、これまでの金田一像を忘れて、先入観なく見ていただけたらうれしいです。

「獄門島」

「獄門島」

 


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