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横溝正史の原作をドラマ化した「獄門島」(19日、BSプレミアム午後8時~午後10時)で、長谷川博己が名探偵、金田一耕助を演じる。戦友が残した「妹たちが殺される」という最期のメッセージを胸に、瀬戸内海に浮かぶ獄門島にやってきた金田一が連続殺人の謎に挑む様子を描く。今回の金田一像は従来とは一線を画すという。長谷川が、実際に演じた感想、さらに役者としての思いを語った。
金田一耕助を演じてきた歴代の俳優の中に、自分の名前が連なると思うとすごくうれしかったです。日本を代表する探偵シリーズ、シェークスピアでいえば『ハムレット』みたいなものですから。そういった意味では“金田一アクター”という枠の中に入れた。これほど光栄なことはない、という気持ちでした。
やはり、僕は市川崑さんの作品(1977年の同名映画)が好きだったし、素晴らしかったので、それを自分がやるというのはかなり大変なことだなと思いました(笑)。僕の中では市川監督の金田一のイメージが強かったのですが「金田一は傍観者としているべき」「例えて言うなら天使だ」とおっしゃっていたと、どこかで聞いたことがあります。ところが、今回の金田一は、それとは違って、ズバズバいろんなことをしゃべるし、エキセントリックな印象でした。原作を読むと、今回は原作に割と近いなと感じたので、そういう意味では、一度、過去のイメージから「自由になっていいんだ」という気がしました。
最初に台本を読んだ時に、ヒーローというよりも、後半に関しては「こっちがヒール(悪役)なんじゃないかな」と感じる部分がありました。なので、従来の金田一像と比較できる、そこが魅力かもしれません。戦争のトラウマなど金田一の心の闇が描かれている。それも一つの魅力だと思います。
台本に忠実に、求められていることを表現していく、というのがいつもの役に対するアプローチです。そういう意味では今回特に強いこだわりのようなものはありませんでした。それよりもとにかく佐渡が島という素晴らしいロケーションで、周りの役者さんたちと一緒に、その場所、その場で生まれたものを大切にワンシーン、ワンシーンを丁寧に演じていく感じでした。あえて言えば、げたではなくブーツでやったということですかね。山の中をとにかく猛スピードで走りまくるので、監督に「げただと転びそうですね」と話したら、「じゃあ、ブーツにしようか」となったので、それでいいんだ…と思って、そうなりました(笑)。
イギリスで言えば、シャーロック・ホームズですよね。探偵役はすごく魅力的です。自分も役者じゃなかったら、探偵をやりたかったなと思うほど。いろいろ変装とかできて楽しいじゃないですか。どこかアウトローですしね。
それはもちろんです。ただ、今回は結構せりふの量が多かったので(笑)。金田一って、あまりしゃべらないイメージがあったのですが。金田一が「そうですか?」「でもこうじゃないですか?」ってちょっと言ったら、周りがワーッとなって、一気に解決していくみたいな。そういう展開をちょっと期待していたのですが、世の中そう楽には行きませんよね(笑)。でも、シリーズ化されたら、ぜひまたやらせていただきたいです。
夏目漱石という実在した偉大な作家を演じられたり、金田一耕助というポピュラーなキャラクターを演じることができたり、本当に役者冥利(みょうり)に尽きます。こういう役を任せていただけるようになったことをうれしく思うのと同時に身が引き締まります。
今年はいろいろな役を頂けて確かに充実していました。これからも気負うことなく一つ一つ丁寧にやっていけたらな、と思っています。
皆さんには一度、これまでの金田一像を忘れて、先入観なく見ていただけたらうれしいです。
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