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高畑充希がヒロインを演じる連続テレビ小説「とと姉ちゃん」。第100回からは常子たちが以前に住み込みで働いていた仕出し屋、森田屋の主人・宗吉(ピエール瀧)とその妻・照代(平岩紙)が再登場。終戦により東京に戻ってきた2人は洋食屋「キッチン森田屋」として新たな一歩を踏み出した。平岩が朝ドラに登場するのは「ちゅらさん」(01)、「ゲゲゲの女房」(10)に続き3度目。常子たちを温かく見守る夫婦を演じる上で、大切にしていることや共演者とのエピソードを語った。
常子たちに久々に会ったら、大人びていてちょっと寂しくなりました(笑)。あれ、色気づいた?って…。自分もまだ36歳なんですが、常子たちに会うと“大人になったなぁ”と感じます。
表には見せないのですが、夫婦2人でいる時は照代が主導権を握っているんだなと、瀧さんとも、お互いにそう思ってやってきました。(宗吉の母の)まつさんがいなくなって、照代もしっかりしなきゃと思う半面、自分も年を取ってきているので、前よりも夫婦で仲良く支え合っているような印象です。
はい。瀧さんもコックの姿になっているし、私もシワを増やしたり、髪を分けて白髪にしたりなど、見た目がまず変わっています。前より落ち着いて腰が据わった感じになっていると思います。
肝が据わっている人です。ほんわかとしているけど、考えをちゃんと持っていて、たまにすごく辛辣(しんらつ)なことを言ったりもするけど嫌味はない。ある意味、裏表がないんです。
似ているかもしれない。親には「すごく頑固だ」と言われるし、決めたことは曲げないタイプなので。照代よりも頑固です(笑)。ほかにも、共通点はあります。自分ではあまりのんびりしているとは思っていないけど、周りの人にそう思われていたり、モニターで自分の映像を見た時に、動きがすごく遅いなと自分でもびっくりすることがあります(笑)。
怒鳴らなくなりました。怒鳴る相手もいないんですよね(笑)。
体も心もでっかくて器も大きいし、めちゃくちゃ優しいです。リハーサルの時も全体を見ていて、「ここ違和感あるよ」という部分があれば監督に伝えてくれる。みんなの思いをまとめるリーダー的な存在です。それでいて圧力もない。すごく自然で優しい方です。
自然体だけどちゃんと考えて役作りをされている。音楽をやっている方の演技に私自身すごく興味を持っているんです。役者だと「こういうせりふはこうしゃべる」といった、せりふのリズムがメソッドのように決まっている部分があるのですが、音楽の人ってそれをいい意味で乱してくれる。それが楽譜みたいで、いきなりビョーンと違う音符にいったりするのが面白いなって思っていて。昔、忌野清志郎さんとご一緒した時も「こういう球を投げるんだな」って感動しました(笑)。
私が「役者になる」と言い出した時も、やると言ったら曲げないので、親も意外と驚かずに「じゃあ東京に行きなさい」とパーッと送り出してくれたんです。私が幼いころにちょっと病気をしてしまったこともあって、「こうしなさい」「ああしなさい」という家庭ではなく、やりたいことをやらせてあげようという環境で。それが今につながっていると思います。
仕事では柔軟でありたいし、監督の言うことも聞きますが、昔からどこかで平岩としてのスパイスを効かせたいなというのはあります。自分が出させてもらう意味をなんとなく残せたらいいなと。名前を知らなくても「この役者さんまた出てる」と思ってもらえるような存在でありたいです。
自分が体験したことのない年齢を演じるのがすごく難しいです。背伸びをしている状態で演技をしているんですけど、それを見せたくないというのもあって(笑)。自分の母親だったらこんな時にどんな顔をするだろうって、身内の表情を想像しながら頑張っています。
全然です!(笑)。声のトーンを落としたりして、工夫しながらやっています。
年を取ってくると監督にあまり怒られないと聞くし、先輩からも「怒られた方がいいよ」と言われてきたのですが、中堅になると本当に言われなくなるので、やばいやばいと思って(笑)。自分より若い人が増えているのでもっとしっかりしなきゃと思います。
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