【花燃ゆインタビュー】大東駿介「大河ドラマはメーク室の匂いが独特なんです」 群馬で製糸業の発展に尽くした星野長太郎役

2015年10月17日 / 05:59

 NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」で、民間初の器械式製糸場、水沼製糸所を群馬に創設し、弟を米国に派遣して生糸を直輸出する道を開くなど、製糸業の発展に尽くした星野長太郎を演じている大東駿介。大東が、後に主人公・美和(井上真央)の夫となる群馬県令、楫取(かとり)素彦(大沢たかお)に感銘を与えることになる星野の実業精神と高い志を語る。

 

星野長太郎役の大東駿介

星野長太郎役の大東駿介

-星野長太郎という人物像をどのように作っていきましたか。

  星野は何もない状態から作っていくという時代に生きました。そういう人たちが作った歴史の上に僕らは立っているんだということに思いをはせながら演じると、とても心地良くて身が引き締まります。

-大河ドラマは「平清盛」以来ですが、久しぶりに戻ってきて、大河の現場ならではだと感じるところはありましたか。

 匂いです(笑)。メーク部屋の匂いが独特なんです。古いかつらとか整髪料の匂い。髪を巻くコテも歴史のあるものを使っていて、ここで大河ドラマが作られてきたんだなと感じる場所なんです。

-群馬の産業の象徴である世界遺産の富岡製糸場を訪れたことはありますか。

 星野役のお話を頂いた後に行きました。僕は壁フェチなんですが、富岡製糸場の壁を見ているとドキドキしました(笑)。それに、蒸気で生糸を作っていた工場なので、ここにその熱が宿っていたのかなと想像すると、自然に気持ちが入ったりしました。

-大沢たかおさんとの共演の感想は?

  楫取という役の魅力なのか大沢さんの魅力なのか分からないぐらい、人を巻き込む力のある人だなあと感じました。楫取は僕が演じる星野の情熱や、何かを変えなくてはならないという熱意に触発されて動くので、楫取に負けない情熱を持っていないといけないと思いました。

-今回の役柄の時代性について何か感じることありますか。

  星野は生糸という部門で新しいものを生み出していった人です。それで時代を切り開いていった。日本の国内でバラバラになっていては駄目で、日本というブランドを世界に発信しないといけないと訴えます。そのために共同組合も作りました。星野はただ単に「新しいことをしよう」と思っただけでなく、周りの人のことや生糸のこと、群馬の誇りなどを「これでいいのか」と突き詰めていったら、結果としてそれが新しいことだったんだと思います。何より中身がないと駄目です。

-演じるときに特に気を付けていることはありますか。

  大河ドラマや時代劇では、事前に何をしたらいけないかをきちんと確認しておくようにしています。やっていいのかどうかが分からないために演技の動きが制限されるのが嫌なので注意しています。時代によっては腕を組んだり、拍手したりしてはいけない場合もありますからね。

-ドラマの見どころは?

  激動の時代に奮闘する人々ですね。星野の新しいことをしようとする熱量にも注目してください。それと星野の着ている着物はとてもきれいです(笑)。


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

生田斗真が驚きの一人二役!「最初から決まっていたわけではありません」制作統括・藤並英樹氏が明かす舞台裏【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月8日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。謎の絵師“写楽”が、蔦重の下で歌麿(染谷将太)ら当 … 続きを読む

板垣李光人「最初から、戦争を考えて見るのではなく、実際に見て感じたことを広めていっていただければ、それが一番うれしいです」『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』【インタビュー】

映画2025年12月5日

 戦争がもたらす狂気を圧倒的なリアリティーで描き、第46回日本漫画家協会優秀賞を受賞した武田一義の戦争漫画をアニメーション映画化した『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』が12月5日から全国公開された。太平洋戦争末期、激戦が繰り広げられたペリリ … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(8)百年ぶりの復活へ 四代目が掲げた三つの大願

舞台・ミュージカル2025年12月4日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。    2016年に四代目・玉田玉秀 … 続きを読む

多部未華子「学びの多い現場でした」DV被害者役に挑んだヒューマンミステリー「連続ドラマW シャドウワーク」【インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 WOWOWで毎週(日)午後10時より放送・配信中の「連続ドラマW シャドウワーク」は、佐野広実の同名小説を原作にしたヒューマンミステリー。  主婦の紀子は、長年にわたる夫の暴力によって自己喪失し、すべて自分が悪いと考えるようになっていた。 … 続きを読む

森下佳子「写楽複数人説は、最初から決めていました」脚本家が明かす制作秘話【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。これまで、いくどとなく視聴者を驚かせてきたが、第4 … 続きを読む

Willfriends

page top