エンターテインメント・ウェブマガジン
NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」で、明治期に群馬県令(知事)となった楫取(かとり)素彦(大沢たかお)と共に群馬に入った美和(井上真央)らを、上州女らしい威勢の良さで支える阿久沢せいを演じている三田佳子。夫が営む飛脚業を手伝いながら、自ら製糸工場も運営するバイタリティーあふれる女性だ。大ベテランの三田が、初めての土地で苦悩する美和の良き理解者になっていく、せいについて語る。
せいは群馬そのものを代表するキャラクターです。上州は「かかあ天下とからっ風」と言いますが、せいは権蔵さんという夫(江守徹)のあくの強さも何もかも懐に入れて、自分のやってほしいこと、やりたいことを、権蔵さんを通してちゃんと思うようにやっていく、そんな人です。それと、群馬の女性は声が大きいと聞き、とても大きな声を出しています。笑うのもオホホじゃなくてアハハハ。群馬の人が見ても気恥ずかしいぐらい群馬の人だと思ってもらえるようになれば、ぴったりだなと思います。
せいとは逆に江守さんはあまり大きな声を出さない感じで権蔵を作っていらっしゃるんですが、この夫婦がとても似合っていまして、江守さんもすごく楽しそうに面白がっていらっしゃいます。この夫婦は評判になるんじゃないかしら。
美和は最初のころ、知らない土地に来ていじめられるかもしれない、どんなふうに扱われるか分からないと用心しています。でもせいと本音でやり合いながら、心を通わせていく。そのシーンには私が自分の孫に感じた感情を生かしました。美和がとってもいじらしい告白をしてせいが抱きしめるシーンなんですが、その時、撮影に入る前にしばらく会えないからと孫をぎゅっと抱きしめた時の感情を、真央ちゃん演じる美和に対してぶつけてみたんです。そうしたら、いいシーンになりました。とにかく、群馬編は私の大声と情の強さとせっかちさとで、明るくしていけたらと思っています。ドラマに活力を与えたいです。
恥ずかしがらずに、役を作っていくことに夢中になったら、絶対に超えていけるものがあると思います。こういう大きな流れを引っ張っていく役柄を演じるには、恥も外聞もなく、役へ向かっていく気持ちがないといけません。私も先輩にいろいろと教えてもらってきました。まだ20代で大河の主役を張った真央ちゃんに、少しでも切迫感とか苦しさとか乗り越える力を教えてあげたいなと思っています。
さきほど話した美和とせいが心を通わせるシーンはぜひ見ていただきたいですね。それと、今後の「花燃ゆ」では群馬の製糸業について描かれていきますが、世界遺産に登録され、連日たくさんの人が訪れている富岡市の旧富岡製糸場とどんな関わりがあるのかにも興味を持っていただけたらうれしいです。
映画2025年12月5日
戦争がもたらす狂気を圧倒的なリアリティーで描き、第46回日本漫画家協会優秀賞を受賞した武田一義の戦争漫画をアニメーション映画化した『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』が12月5日から全国公開された。太平洋戦争末期、激戦が繰り広げられたペリリ … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年12月4日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 2016年に四代目・玉田玉秀 … 続きを読む
ドラマ2025年12月1日
WOWOWで毎週(日)午後10時より放送・配信中の「連続ドラマW シャドウワーク」は、佐野広実の同名小説を原作にしたヒューマンミステリー。 主婦の紀子は、長年にわたる夫の暴力によって自己喪失し、すべて自分が悪いと考えるようになっていた。 … 続きを読む
ドラマ2025年12月1日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。これまで、いくどとなく視聴者を驚かせてきたが、第4 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年11月30日
今期も三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」に出演するなどドラマや映画で注目を集め、舞台やさまざまなジャンルでも活躍する富田望生。その富田が、2026年1月10日から上演する舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダ … 続きを読む