【花子とアン インタビュー】黒木華、「ゆっくり地道に頑張りたい」 しっかり者の花子の妹・かよ役

2014年8月27日 / 17:34

 NHK連続テレビ小説「花子とアン」で主人公の村岡花子(吉高由里子)の妹・安東かよを演じる黒木華。二つ年下のかよは、小学校を出てから家計を助けるために住み込みで働いた製糸工場を逃げ出し、花子を頼って上京。カフェの女給として働き、悲しい恋を経て職業婦人としてたくましく生きていく。短期間で2度目の出演となる朝ドラ、自身の役者としての心構えとステップアップについて思いを語った。

花子の妹・安東かよを演じる黒木華

 

-演じるかよの人物像をどう捉えていますか。また、共感できる部分はありますか。

 きょうだいの中で一番しっかりしていて、女性として生きていく道を自分で切り開いていく人だと思います。かよは仕事や炊事洗濯など身の回りのこともしっかりできて、生活力もある人。私も見習いたいと思います(笑)。

 

-かよを演じて、明治から大正に変わる時代を生きた女性についてどう思われますか。

 関東大震災から復興していく中で、みんながすごく前向きです。みんな抱えるものは違えど、前を向いて生きていくという力強さを感じます。女性は特にさまざまな制約があった時代だと思いますが、当時の方々がいらしたから現代につながっているのだと思います。

 

-姉妹を演じる吉高さんの印象をお聞かせください。

  吉高さんはすごく明るい方で、とても仲良くしていただいています。撮影が大変な中、みんなを引っ張ってくれています。吉高さんがいるだけで周りが明るくなって、さすがヒロインだといつも思っています。役柄としては危なっかしいお姉やんですが、やっぱりお姉やんとして支えてくれたり、かよとして甘えたりできるシーンが好きです。家族やきょうだいっていいなと見ていても演じていても思います。

 

-平成24年度後期の「純と愛」に続いて2回目の朝ドラですが、違いはありますか。

  「純と愛」は現代の話で、今回は明治・大正・昭和の話なので、それだけで違っていて面白いです。どちらにも通じるのは、視聴者の方がヒロインを見て「今日も頑張ろう」と思えることだと思います。「純と愛」は役柄的に撮影期間が短かったのですが今回は半年間ずっと出演できたので、また違った見え方があります。

 

-先ほどかよの成長の話が出ましたが、演じていて黒木さん自身が成長、変化したことは。

  1話15分間なので撮影が割と早く進みます。その中で生きている人間を演じるのは難しいと思いました。その場でちゃんとその役を生きていないと物語にゆがみが生じてしまう。周りの方々と助け合いながら世界観をつくっていく作業を半年続けるのは他ではできないことだと思うので、面白いです。

 

-黒木さん自身はデビューから4年たって『小さいおうち』で銀熊賞受賞(第64回ベルリン国際映画祭最優秀女優賞)や朝ドラ出演とどんどん自分の道を切り開いておられます。

  自分にできることを一生懸命頑張ろうというのは昔から変わっていなくて、まだまだ頑張らなければと思っています。野田秀樹さんの舞台に出られたことが自分の中で大きな始まりだと思っていて、今まで本当に周りの方々に助けられています。花子さんのように自分で切り開くというよりは、助けられながら一歩一歩、歩いているような感じ。ゆっくりと地道に頑張っていきたいです。

 

-周囲の反響も変わっているのではないでしょうか?

  私は全然変わらないです。『小さいおうち』での賞も山田洋次監督と松たか子さん、関わった方々と皆さんで頂いた賞で、自分だけの賞とは思っていません。地に足をつけて、お芝居に対しても本当に頑張らないといけないことがたくさんあり過ぎて力不足な部分が多いです。いつも全力投球ですが現場に入るたびに反省する部分も多くて、もっと成長していきたいです。

 

-今後の見どころを教えてください。

  かよは物語が進むにつれて衣装や髪形が変わっていきます、高梨臨さん演じる醍醐亜矢子さんの次にファッションが見どころになると思います。今後は悲しいことがありながらもそれを乗り越えていく人間の姿を見ていただければ元気をもらえるのではないかと思います。


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