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最初ははなに対しても「ただの年下の女の子」という意識で接していた蓮子ですが、あるとき、はなとぶどう酒を一緒に飲み、それを先生たちに知られてしまうという“事件”が起こります。はなは退学の危機に陥るのですが、彼女は蓮子を責めることなく“どうしても学校に残りたい”という気持ち一つで先生たちに立ち向かいます。このことで蓮子ははなの持つ素朴な純粋さに触れ、心が揺れ動いていきます。
他にも学校の行事でやった劇中劇を通じて二人の距離が近づいていきます。実は蓮子はある人に復讐(ふくしゅう)をしたいがためにその劇中劇に出るのですが、はなが本番前に蓮子の本心を知り、寂しく孤独な気持ちに寄り添い励ますシーンがあります。蓮子にとっては涙が出るぐらいうれしかったと思います。はなを受け入れてからの蓮子は、本当に“はなちゃん”のことが大好きになり、毎朝起きてはなちゃんの顔を見るのが生きがい、じゃないですけど(笑)、それぐらい心の距離が近づいていきます。
すごく切ないし苦しかったと思います。この時代には、好きではない人と結婚させられることはよくあったとはいえ、蓮子は“それは違う”とはっきり分かっている女性です。はなにうそをつくのもつらかったでしょうが、心のどこかで「はなちゃんにこのしきたりが多分理解してはもらえない」と思っていたのでしょう。大切なはなを突き放すという方法でしか前に進めないというシーンでしたので、演じる際は、とにかく蓮子の寂しさや苦しさを押し殺して、これまで積み上げてきた勝ち気な蓮子像というのを前面に出そうともがいていた気がします。
あんなことをしてしまった自分からはなに連絡を取る資格はないと思いながら、結局は蓮子らしい高飛車な手紙を送りつけます(笑)。なんだか不思議ですよね。時間がたっていろんなことを乗り越える中で、やっぱり忘れられない、忘れちゃいけない、そういう相手だったと思います。私にも半年に1回ぐらい連絡を取り合う学生時代の友人がいます。毎日忙しくしているときは気付かないけど、ふとしたときに“元気かな?”と思える、そして久しぶりに連絡をしても、ブランクを感じさせない空気をつくってくれる友達がいるというのは幸せなことだと思います。
白蓮さんに関する資料を読んだり、写真も見させてもらいましたが、私の中では雲の上の存在のような方なのでとにかく想像するしかないというか…。それに伯爵家ってどんなふうに育つのだろうと(笑)。衣装は写真を見ても、やはりすごくいいものをたくさん着ていらっしゃるので、全部本物を準備するのはとても大変ですが、そうした方が着るであろうと思われる衣装を年代に合わせていろいろと準備してもらっています。あとは、他の人とは少し風情を変えるために髪の作りも他の人よりも大きく作ってもらっています。皆さんはかつらを着けて出ていますが、私は地毛を結って“大きな頭”にしているので、スタジオ入りの際に「今日も頭大きいね!」と言われると“今日もいい感じなんだな”と思います(笑)。
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