【花子とアン インタビュー】仲間由紀恵「撮影の合間もお嬢さま言葉で話しています」 はなの“腹心の友”葉山蓮子役を演じる

2014年4月26日 / 19:32

はなの生涯の友、葉山蓮子を演じる仲間由紀恵

―最初ははなを使用人のように扱っていた蓮子ですが、はなとの関係が変わっていくきっかけは何だったのでしょう。

  最初ははなに対しても「ただの年下の女の子」という意識で接していた蓮子ですが、あるとき、はなとぶどう酒を一緒に飲み、それを先生たちに知られてしまうという“事件”が起こります。はなは退学の危機に陥るのですが、彼女は蓮子を責めることなく“どうしても学校に残りたい”という気持ち一つで先生たちに立ち向かいます。このことで蓮子ははなの持つ素朴な純粋さに触れ、心が揺れ動いていきます。

―そこから“腹心の友”となっていくわけですね。

 他にも学校の行事でやった劇中劇を通じて二人の距離が近づいていきます。実は蓮子はある人に復讐(ふくしゅう)をしたいがためにその劇中劇に出るのですが、はなが本番前に蓮子の本心を知り、寂しく孤独な気持ちに寄り添い励ますシーンがあります。蓮子にとっては涙が出るぐらいうれしかったと思います。はなを受け入れてからの蓮子は、本当に“はなちゃん”のことが大好きになり、毎朝起きてはなちゃんの顔を見るのが生きがい、じゃないですけど(笑)、それぐらい心の距離が近づいていきます。

 ―政略結婚の話が持ち上がり、強がる蓮子は結果としてはなを突き放すことになりますが、そのときの蓮子の気持ちはどうだったのでしょう?

  すごく切ないし苦しかったと思います。この時代には、好きではない人と結婚させられることはよくあったとはいえ、蓮子は“それは違う”とはっきり分かっている女性です。はなにうそをつくのもつらかったでしょうが、心のどこかで「はなちゃんにこのしきたりが多分理解してはもらえない」と思っていたのでしょう。大切なはなを突き放すという方法でしか前に進めないというシーンでしたので、演じる際は、とにかく蓮子の寂しさや苦しさを押し殺して、これまで積み上げてきた勝ち気な蓮子像というのを前面に出そうともがいていた気がします。

 ―こうして一度は交流が途絶えてしまう二人ですが、やがて文通で再び親交を深めていくことになります。この辺りはどういう心境だったのでしょうか。

 あんなことをしてしまった自分からはなに連絡を取る資格はないと思いながら、結局は蓮子らしい高飛車な手紙を送りつけます(笑)。なんだか不思議ですよね。時間がたっていろんなことを乗り越える中で、やっぱり忘れられない、忘れちゃいけない、そういう相手だったと思います。私にも半年に1回ぐらい連絡を取り合う学生時代の友人がいます。毎日忙しくしているときは気付かないけど、ふとしたときに“元気かな?”と思える、そして久しぶりに連絡をしても、ブランクを感じさせない空気をつくってくれる友達がいるというのは幸せなことだと思います。

―蓮子のキャラクターは柳原白蓮を基に作られていますが、役作りで工夫していることをお聞かせください。

 白蓮さんに関する資料を読んだり、写真も見させてもらいましたが、私の中では雲の上の存在のような方なのでとにかく想像するしかないというか…。それに伯爵家ってどんなふうに育つのだろうと(笑)。衣装は写真を見ても、やはりすごくいいものをたくさん着ていらっしゃるので、全部本物を準備するのはとても大変ですが、そうした方が着るであろうと思われる衣装を年代に合わせていろいろと準備してもらっています。あとは、他の人とは少し風情を変えるために髪の作りも他の人よりも大きく作ってもらっています。皆さんはかつらを着けて出ていますが、私は地毛を結って“大きな頭”にしているので、スタジオ入りの際に「今日も頭大きいね!」と言われると“今日もいい感じなんだな”と思います(笑)。

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

JT・モルナー監督「この映画の実現は厳しいと言われた時に、『羅生門』を見れば分かると言いました」『ストレンジ・ダーリン』【インタビュー】

映画2025年7月11日

-最初に35ミリフィルムで撮ったというテロップが出ますが、画面の色遣いや音楽の使い方を見ていると、70年代のニューシネマのような雰囲気があると思いましたが、そういう狙いはあったのでしょうか。  その通りです。ただ、それはアメリカ映画に限った … 続きを読む

鹿賀丈史「演じることよりも感じることの方が先だったかなと思います」『生きがい IKIGAI』【インタビュー】

映画2025年7月10日

-2度の災害を経験して行き場のない怒りを抱いている山本が、ボランティアの若者と出会って心が解けていって笑顔を浮かべる場面が印象的でしたが、若者役の小林虎之介さんとの絡みはいかがでしたか。  僕は若い人と芝居をするのがすごくうれしいんです。今 … 続きを読む

千賀健永、頭が良くてゲームが上手な弟に「かわいい復讐心はありました」【インタビュー】

ドラマ2025年7月7日

 トリンドル玲奈が主演するドラマ「レプリカ 元妻の復讐」が、7日23時6分からテレ東系で放送がスタートする。本作は原作・タナカトモ氏、作画・ひらいはっち氏による同名漫画を映像化。整形して別人として生きる主人公・伊藤すみれ(トリンドル)が、人 … 続きを読む

安田顕「水上くんの目に“本物”を感じた」水上恒司「安田さんのお芝居に強い影響を受けた」 世界が注目するサスペンスで初共演&ダブル主演「連続ドラマW 怪物」【インタビュー】

ドラマ2025年7月5日

-そのほか、撮影を通じて特に印象に残ったことがあれば教えてください。 安田 撮影が終盤に差し掛かった頃、原作者のキム・スジンさんにお目にかかる機会があったんです。キム・スジンさんは、それぞれのキャラクターに、ものすごく細かいバックボーンを作 … 続きを読む

TBS日曜劇場「19番目のカルテ」が7月13日スタート 新米医師・滝野みずき役の小芝風花が作品への思いを語った

ドラマ2025年7月5日

-松本さんとは初共演ですね。現場での印象は?  「はい、行くよ!」って声をかけて引っ張っていってくださる兄貴肌です。スタッフの皆さんとも積極的にコミュニケーションを取っていらっしゃる姿も見ますし、松本さんの存在で撮影現場全体が活気づいている … 続きを読む

Willfriends

page top