【インタビュー】「情熱大陸」 ナレーター・窪田等さん 「かっこよく、上質を求めたい」

2014年4月24日 / 17:47

 毎回さまざまな分野で活躍する人物に密着するドキュメンタリー番組「情熱大陸」。5月4日(日)で放送800回記念を迎えるこの番組でナレーションを務める窪田等氏に、話を聞いた。

――番組が放送17年目に突入したことについて、感想をお願いします。

 毎週定期的にこなすお仕事ですから、あまり長くやっていると感じたことはないですね。でも、振り返ってみると800人もの人生を垣間見てきたというのは、とても素晴らしいことだと思います。

――ナレーションを入れるに当たって、一番注意を払っているポイントは?

 まずは、自分が主役にならないように気を付けています。あくまでも取材を受けてくださった方が主人公で、その人を『こういう人なんですよ』と視聴者に伝えるのが、僕の仕事なわけですから。僕は最初の視聴者ですけど、ナレーションをあてる上で作り手側の視点と視聴者側の目線を行ったり来たりします。その幅が行き過ぎず、離れ過ぎず、といった距離感が大事だと感じますね。

――印象に残る回や、手応えを感じた回は?

 生放送の回ですね。インタビューも生のコメントで、締めの時間の予測が難しかった。生放送は画の圧力がありますから、余韻を残すために最後のナレーション後、4秒は欲しかったんです。でも時間が足りるか分からない。『この言葉は切ろう』とか考えていたんですが、うれしいことに予定より1秒か2秒余った。僕らにしてみれば、ものすごく安心感がありました。で、うまく余韻を残すことができて”してやったり”と思いました。

――重厚感や、優しさ、温かみを感じる声ですが、ご自身の声を分析することは?

 自分では全然分からないです。いい声だとおっしゃっていただくことはありますが。ただ、僕は品のない男だから、仕事では品を良くしたい。声だけの世界ならかっこよく、上質を求めたいという気持ちはあります。ですから仕事と普段の話し方は全く違いますね。

――窪田さんなりの「情熱大陸」の楽しみ方を教えてください。

 音楽やナレーションを入れるタイミングにはこだわっています。そういう細部で『音楽が合ってるな』とか『心地いいな』と感じてもらえるとうれしいですね。

  「情熱大陸」TBS系で毎週日曜、午後11:00から放送中。

 


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