【インタビュー】舞台「あおざくら 防衛大学校物語」本郷奏多が語る、漫画原作作品の役作り「原作を一番にリスペクト」

2020年3月20日 / 12:00

 本郷奏多が主演する舞台「あおざくら 防衛大学校物語」が4月9日から上演される。本作は、『週刊少年サンデー』に連載中の人気漫画『あおざくら 防衛大学校物語』を原作としたもので、2019年秋には舞台版と同じキャストでドラマ化もされた。物語の舞台は、幹部自衛官を養成する機関である防衛大学校。主人公の近藤勇美が、厳し過ぎる防大生活の中で、仲間たちと共に、時に苦しみ、時に喜び、成長していく姿を描く。近藤を演じる本郷に、TVドラマ撮影時の思い出や、舞台版への意気込みを聞いた。

近藤勇美役の本郷奏多(ヘアメイク 福田純子(Nestation)/スタイリスト 川地大介)

-ドラマ化に続き、舞台化も決定しました。舞台化の話を聞いたときは、どんな気持ちでしたか。

 もともとドラマの後に舞台をやることも決まっていたプロジェクトだったので、舞台が決まったからどうだということではなかったのですが、ドラマ撮影時も、このキャストたちはしばらく一緒にお仕事をする仲間なんだという思いを持って臨めたのがよかったと思います。

-では、ドラマの撮影中に、例えば休憩時に意識的にみんなで話をしたなど、舞台へ向けての“準備”もされていたということですか。

 そうですね。僕は普段、共演者の方と必要以上にコミュニケーションを取るタイプではないのですが、今回はなるべく積極的に話をするようにしましたし、みんなでお弁当を食べたりもしました。

-本作で描かれる防衛大学校での生活については、どう感じましたか。

 独特のルールがたくさんあって、それが面白いからこそ、いろいろなエピソードを抽出した物語が作れるのですが…。厳しい世界だなとは思いました。僕自身は、効率主義者なので、必要以上の理不尽は前時代的だと感じてしまうのですが、防衛大学校は国民の皆さまの税金を基にしているという前提の学校で、そこにいる方たちにはプライドもあって、もちろん伝統もあるので、一概にはなんとも言えないものなんだと思います。一見すると無駄に思えるようなことにも理由があるということも、この作品に携わることで知ることもできました。ただ、作品としては、そういった難しい話を描いているのではなく、「ここではこういうことが起こっているんです、面白いよね」というコメディー作品だと思うので、ただただ楽しんで見てもらえればと思います。

-本郷さんが演じる近藤という役については、どのようにとらえていますか。

 勉強が何よりも好きで、お金が好きだと割り切って言える変わった子だと思います。でも、実は誰よりも仲間思いで、人間らしいところもあるキャラクターなので、そのギャップを面白く見せられたらと思っています。ドラマでは、コミカルに、振り切って演じた方が面白いだろうと思っていたので、漫画っぽさを強調して演じたつもりです。

-舞台ではどのように演じたいと思っていますか。

 若い男の子たちがわちゃわちゃと全力で頑張っている姿をお見せするのが、本作の大前提だと思っているので、みんなで楽しく、一生懸命、大きな声でやるというのが第一だと思います。舞台でも、男性キャストばかりだと思うので、男子校のようなノリでみんなで楽しみたいですね。ご飯にもみんなで行きたいと思っています。

-本郷さんにはあまり男子校ノリというイメージはないのですが…(笑)。

 はい、僕もないです(笑)。でも、ドラマ撮影時にある程度のコミュニケーションは取れているので、舞台の稽古に入ってもきっといい関係を築けると思います。僕は、映像の現場では、基本的には役者たちの関係性は作品には影響しないものだと考えていますが、この作品に関しては、役者たちの良い関係性が作品にとってプラスに働くだろうと感じているので、そういう意味でも、コミュニケーションを大切にしていきたいと思います。

-本郷さんの役作りの仕方についても教えてください。

 僕は、何よりも監督の意見が一番だと思っています。役者は、最後に作品に参加するので、ある意味、立場は一番下。企画をする方がいて、お金を出す方がいて、それを集める方がいて、監督がいて、脚本を書く方がいて、衣装やメークを担当してくれる方もいて…、そういった多くのスタッフの方々が作り上げたところに、役者は最後に参加するんです。なので、スタッフの皆さんの方が熱量が絶対的に多いと思いますし、監督からの指示には従おうと思っています。それでも、どうしても疑問に思うことがあった場合は、それを質問という形で尋ねることはあっても、押し通すことは絶対にしたくないと思っています。

-では、今回のドラマでも、基本的には台本を覚えて、後は現場に行ってから役を構築していったんですか。

 そうですね。一人で考えて、それを演じるのは僕はエゴでしかないと思うので、現場で監督の言葉を聞いて、ほかのキャストさんとのバランスを取りながら演じました。

 
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