柿澤勇人&笹本玲奈「東京ラブストーリー」ミュージカル化に「だからこそ恋ってなんだろう? と感じてほしい」【インタビュー】

2022年8月26日 / 18:00

 トレンディードラマとしても社会現象を巻き起こした柴門ふみ原作の人気漫画『東京ラブストーリー』が30年の時を超えて、ミュージカル「東京ラブストーリー」として11月27日から東京で開幕する。日本発のオリジナルミュージカルとして海外でのライセンス上演も視野にいれているという本作を、世代の異なる「空キャスト」と「海キャスト」のWキャストで上演する。空キャストで、カンチこと永尾完治を演じる柿澤勇人と、赤名リカを演じる笹本玲奈に、本作の魅力や役柄について、本作へ懸ける思いなどを聞いた。

笹本玲奈(左)と柿澤勇人 (C)エンタメOVO

-出演が決まったときの心境は?

柿澤 びっくりしました。どんな作品になるんだろうというのが率直な気持ちでした。日本発のオリジナルミュージカルを作るのは苦しい作業になると思いますが、その作業に携われるのはうれしいです。

笹本 私も驚きました。日本発のオリジナルミュージカルが増えてきている分、インパクトも必要なので、今となってはこれほど名前が知られている作品の方が興味を持っていただけるんじゃないかと思っています。

-原作漫画やドラマ版の印象は?

柿澤 一世を風靡(ふうび)したドラマだったので、今見たらどうなんだろうと思ってDVDを買い、好きになりました。リカに振り回されるカンチが、毎話どうなっちゃうんだろうとドキドキしながら見ました。ミュージカル版は設定も現代になっていて、ドラマ版とはまた違うカンチになりますし、また違う「東京ラブストーリー」になると思います。

笹本 漫画は読ませていただきましたが、ドラマ版を見てしまうとそのイメージに引きずられてしまうので、見ないまま稽古を始めようかと迷っている最中なんです。台本を読むと、「こういう人いるよね」というように、キャラクターが生々しく、人間っぽく描かれていて、どのキャラクターも共感できるので、漫画、ドラマ、ミュージカル、それぞれ全く違う印象になると思います。

-ブロードウェーでも活躍するジェイソン・ハウランドが音楽を担当する本作の魅力は?

柿澤 今の時代はSNSや携帯の画面を通して出会いや恋がありますよね。原作は時代として固定電話とかによるすれ違いみたいな面白さもありましたけど、現代でも、恋をしていく中ですれ違いなんていくらでもあると思うんです。時代が変わっても、人を好きになって悩むことは今でもあるし、だからこそ「恋ってなんだろう?」と今の若い人に感じてほしいです。ただ、そういうメッセージを押しつけるミュージカルでもないので、単純にエンターテインメントとして恋愛の楽しさを描いた作品になるといいなと思っています。

笹本 本作はどのキャラクターを見ても、それぞれの気持ちに共感できるんです。ドラマですと、さとみが視聴者から嫌われていたそうですが、本作ではどの人を見ても嫌な印象は受けませんでした。それと、出来上がってきている音楽を聞いているんですけど、曲が素晴らしいんです。台本が面白い上に曲がいいって、ミュージカルとして最高です。

-演じる役をどう捉えていますか。

笹本 リカは本能のままに行動しているけれど、脳で動いている部分のバランスというのがすごく自分と近いところがあると思いました。そこが今回のミュージカル版のリカのかわいらしくていとおしい部分なので、そういうところを大切にしたいです。

柿澤 カンチはものすごく揺れ動く人で、優柔不断で、でも仕事に関しては一生懸命で、ただ恋になると自分の気持ちに正直になれない、もどかしさみたいなのを抱えている人だと思います。見ているお客さまが、「しっかりしろ」と思ってくれるようなところが、今の若い人たちに近いのかなと感じています。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

原田琥之佑「この映画は、何でもあるけど、何にもないみたいなところが一番の魅力だと思います」『海辺へ行く道』【インタビュー】

映画2025年8月26日

 海辺の街に暮らす14歳の美術部員と仲間たちに起きたちょっと不思議なひと夏の出来事を小豆島でのロケで描く、横浜聡子監督の『海辺へ行く道』が8月29日から全国公開される。本作で主人公の高校生・奏介を演じた原田琥之佑に話を聞いた。 -最初に脚本 … 続きを読む

上田竜也&橋本良亮、舞台初共演を通して「絆はより強固になる」 音楽劇「謎解きはディナーのあとで」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年8月26日

 シリーズ累計500万部を突破する、東川篤哉による大ヒット小説「謎解きはディナーのあとで」が、舞台オリジナルストーリーで音楽劇として上演される。原作は、毒舌執事とお嬢様刑事が繰り広げる軽快なやりとりと本格的な謎解きが話題となり、2011年に … 続きを読む

青山貴洋監督「問診シーンが最大の課題に」日曜劇場『19番目のカルテ』【インタビュー】

ドラマ2025年8月25日

 体の不調を感じていても、何科を受診すべきか分からない…。そんな悩みを抱える人は少なくない。そうした現代の医療課題に向き合う存在が「総合診療医」だ。日曜劇場「19番目のカルテ」(TBS系)は、まさにその最前線で患者と向き合う医師たちの姿を描 … 続きを読む

中園ミホ 連続テレビ小説「あんぱん」は「やなせたかしさんが書かせてくださった」執筆を終えた脚本家が物語を振り返る【インタビュー】

ドラマ2025年8月22日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「あんぱん」。『アンパンマン』を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦をモデルにした柳井のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)夫婦の戦前から戦後に至る波乱万丈の物語は、いよいよクライマックスが近づいてきた。このタ … 続きを読む

森田剛「戦争と背中合わせの世界であるということは今も変わらない」 19世紀を代表する未完の戯曲に挑む パルコ・プロデュース 2025「ヴォイツェック」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年8月22日

 森田剛が主演する舞台、パルコ・プロデュース 2025「ヴォイツェック」が9月23日に開幕する。本作は、ドイツの劇作家ゲオルク・ビューヒナーが遺した未完の戯曲を、2017年にジャック・ソーンが翻案した作品を日本で初めて上演。冷戦下の1981 … 続きを読む

Willfriends

page top