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トレンディードラマとしても社会現象を巻き起こした柴門ふみ原作の人気漫画『東京ラブストーリー』が30年の時を超えて、ミュージカル「東京ラブストーリー」として11月27日から東京で開幕する。日本発のオリジナルミュージカルとして海外でのライセンス上演も視野にいれているという本作を、世代の異なる「空キャスト」と「海キャスト」のWキャストで上演する。空キャストで、カンチこと永尾完治を演じる柿澤勇人と、赤名リカを演じる笹本玲奈に、本作の魅力や役柄について、本作へ懸ける思いなどを聞いた。
柿澤 びっくりしました。どんな作品になるんだろうというのが率直な気持ちでした。日本発のオリジナルミュージカルを作るのは苦しい作業になると思いますが、その作業に携われるのはうれしいです。
笹本 私も驚きました。日本発のオリジナルミュージカルが増えてきている分、インパクトも必要なので、今となってはこれほど名前が知られている作品の方が興味を持っていただけるんじゃないかと思っています。
柿澤 一世を風靡(ふうび)したドラマだったので、今見たらどうなんだろうと思ってDVDを買い、好きになりました。リカに振り回されるカンチが、毎話どうなっちゃうんだろうとドキドキしながら見ました。ミュージカル版は設定も現代になっていて、ドラマ版とはまた違うカンチになりますし、また違う「東京ラブストーリー」になると思います。
笹本 漫画は読ませていただきましたが、ドラマ版を見てしまうとそのイメージに引きずられてしまうので、見ないまま稽古を始めようかと迷っている最中なんです。台本を読むと、「こういう人いるよね」というように、キャラクターが生々しく、人間っぽく描かれていて、どのキャラクターも共感できるので、漫画、ドラマ、ミュージカル、それぞれ全く違う印象になると思います。
柿澤 今の時代はSNSや携帯の画面を通して出会いや恋がありますよね。原作は時代として固定電話とかによるすれ違いみたいな面白さもありましたけど、現代でも、恋をしていく中ですれ違いなんていくらでもあると思うんです。時代が変わっても、人を好きになって悩むことは今でもあるし、だからこそ「恋ってなんだろう?」と今の若い人に感じてほしいです。ただ、そういうメッセージを押しつけるミュージカルでもないので、単純にエンターテインメントとして恋愛の楽しさを描いた作品になるといいなと思っています。
笹本 本作はどのキャラクターを見ても、それぞれの気持ちに共感できるんです。ドラマですと、さとみが視聴者から嫌われていたそうですが、本作ではどの人を見ても嫌な印象は受けませんでした。それと、出来上がってきている音楽を聞いているんですけど、曲が素晴らしいんです。台本が面白い上に曲がいいって、ミュージカルとして最高です。
笹本 リカは本能のままに行動しているけれど、脳で動いている部分のバランスというのがすごく自分と近いところがあると思いました。そこが今回のミュージカル版のリカのかわいらしくていとおしい部分なので、そういうところを大切にしたいです。
柿澤 カンチはものすごく揺れ動く人で、優柔不断で、でも仕事に関しては一生懸命で、ただ恋になると自分の気持ちに正直になれない、もどかしさみたいなのを抱えている人だと思います。見ているお客さまが、「しっかりしろ」と思ってくれるようなところが、今の若い人たちに近いのかなと感じています。
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