「鎌倉殿の13人」堀田真由「小栗旬さんが『ようこそ比奈』ってご自分のマスクに書いてくださって」 北条義時の妻が故郷・滋賀で撮影秘話を語る

2022年8月19日 / 08:00

 「大河ドラマ『鎌倉殿の13人』 トークライブin滋賀」が、8月14日、滋賀県長浜市の長浜文化芸術会館で開催され、ドラマで主人公・北条義時の妻・比奈を演じる同市出身の堀田真由が、詰めかけた故郷のファンにドラマの撮影秘話を語った。

比奈を演じる堀田真由

 「大河ドラマというのは、女優としての目標の一つでもあった」と語る堀田だが、「最初にお話を頂いたのは、クランクインよりもだいぶ前」ということもあり、出演が決まったときは、「何だか実感が湧かなかった」とピンとこなかった様子。

 それでも、「いつか出られたらいいなと思っていたんですけど、思ったよりも早く、そして三谷幸喜さんの作品に出られるということが本当にうれしかったです」と大河ドラマ初出演の喜びを語った。

 また、本作の撮影現場では、旧知のスタッフとも再会。チーフ演出を務める吉田照幸とは、堀田が出演した連続テレビ小説「エール」(20)でも顔を合わせており、演出の中泉慧は「わろてんか」(17~18)で助監督を務めていた。この再会を、堀田は次のように喜んだ。

 「自分自身も、またお会いできるようにならなきゃなと思っていましたし、再会できたら『わろてんか』のときより、もっともっと大きくなっていたいなと思っていたので、それも含めて、思ったよりも早くて、うれしい気持ちでいっぱいでした」

 続いて、話題は堀田が演じる比奈(歴史上では「姫の前」と呼ばれる)に移る。「歴史に沿ってはいますが、やっぱり三谷さんのオリジナルな部分もあるので」と前置きした上で、その印象をこう語った。

 「実際に台本を読んだときは、すごく小悪魔的な女性だなと思いました。そしてとっても芯が強くて、比企と北条の懸け橋となる方なので、やっぱり心が、思いが、すごく強くて、圧も若干強い(笑)」

 続けて、「そういった女性としての強さっていうところを出していけたら」と、演じる上で心掛けたことを明かした。

 義時の妻役ということで、現場で一緒になることが多い小栗旬との共演については、「緊張しました」と率直な気持ちを打ち明けた堀田。

 義時と比奈との初対面のシーンでクランクインを迎えた際は、小栗が、おなじみとなったお手製のメッセージ入りマスクで歓迎してくれたという。

 「そのときに小栗さんが『ようこそ比奈』ってご自分のマスクに書いてくださっていて、それがすごくうれしくて」

 ただし、「自分の心臓の音が聞こえるぐらいドキドキしていた」堀田は、言葉が出てこず、マスクについて話す機会がなかったらしい。

 「作品で、すごく緊張することってあまりない」という堀田だが、「『鎌倉殿の13人』はもう放送も始まっていて見ていましたし」との言葉に続けて、そこまで緊張していた理由をこう説明した。

 「『本当にやって来たんだな』という感じと、本当に目の前に小四郎(義時)殿がいて、『ああ、これから比企と北条の懸け橋をしていかなきゃいけないな、全うしたいな』と思うとすごく緊張して」

 これを「いかん」と反省した堀田は、すぐさま「小栗さんに、初日に『私はすごく緊張しています』って、もう言いました(笑)。言った方がもしかしたら自分の心が落ち着くかなと思って」とのこと。

 小栗も「そうだよね」と理解を示してくれたらしいが、それでも堀田は「最初の頃は本当に緊張していて、あまりお話ができなかった」という。大河ドラマ初出演の緊張ぶりがうかがえる言葉だった。

 さらに、話題は比奈と義時の出会いのシーンに及ぶ。実はこの2人の出会いは事情がやや複雑。比企一族出身の比奈は、「(ライバルである)北条との懸け橋に」と言われて義時の元を訪れたものの、亡き前妻・八重に思いを残す義時から「帰りなさい」と言われ、八重の話を聞かされる羽目に。そのときの比奈の思いを、堀田は次のように振り返った。

 「『この人は何なんだろう?』って、今まで出会ったことのないタイプの方に出会ったという感じを受けたと思うんです。前の妻、大切な方の話をしてくださるのって、相当心を開いたりしないとその胸の内って聞けないものだと思うんですけど、初対面でお会いしたシーンで、その話が出てくるっていうところにちょっとひっかかりを感じてはいました」

 その後、源頼朝(大泉洋)主催の巻狩りの場で2人は距離を近づけ、夫婦となる。その撮影では、イノシシに追いかけられた2人が一緒に倒れる際、演出の吉田から「そこで目が合って『ドキッ!』っていうのをください」との指示が。

 これについて堀田は「そこで2人が打ち解ける何かがあったんだろうね、というふうに話していました」と、比奈の転機となった場面の撮影を振り返った。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

大地真央 コシノ三姉妹の母役で映画初主演「コシノアヤコさんの生涯には人生のヒントが詰まっている」『ゴッドマザー~コシノアヤコの生涯~』【インタビュー】

映画2025年5月22日

 日本のファッション界に革命を起こし、昭和から平成を駆け抜けたコシノ三姉妹(コシノヒロコ、ジュンコ、ミチコ)。その母で、日本のファッションデザイナーの草分けとして活躍したコシノアヤコの生涯を、ユーモアと人情たっぷりに描いた『ゴッドマザー~コ … 続きを読む

河合優実「少しでも戦争について考えるきっかけになれば」戦争で大切な人を失った蘭子役への思い 連続テレビ小説「あんぱん」【インタビュー】

ドラマ2025年5月21日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「あんぱん」。『アンパンマン』を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦をモデルに、何者でもなかった朝田のぶ(今田美桜)と柳井嵩(北村匠海)の2人が、数々の荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパ … 続きを読む

稲垣吾郎、ハリー・ポッター役で「新しい風が吹かせられれば」 舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年5月21日

 稲垣吾郎が、現在、ロングラン上演中の舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」にハリー・ポッター役で出演する。本作は、小説「ハリー・ポッター」シリーズの作者であるJ.K.ローリングらが、舞台のために書き下ろした「ハリー・ポッター」シリーズの8作目 … 続きを読む

二宮和也「子どもたちの映画館デビューに持ってこいの作品です」『シナぷしゅ THE MOVIE ぷしゅほっぺダンシングPARTY』【インタビュー】

映画2025年5月17日

 テレ東系で毎週月~金、朝7時30分から放送中の乳幼児向け番組「シナぷしゅ」の映画化第2弾。番組のメインキャラクター「ぷしゅぷしゅ」と相棒「にゅう」が、バカンスで訪れた「どんぐりアイランド」を舞台に繰り広げる冒険をオリジナルストーリーで描き … 続きを読む

【週末映画コラム】異色ホラーを2本 デミ・ムーアがそこまでやるか…『サブスタンス』/現代性を持った古典の映画化『ノスフェラトゥ』

映画2025年5月16日

『サブスタンス』(5月16日公開)  50歳の誕生日を迎えた元人気女優のエリザベス・スパークル(デミ・ムーア)は、容姿の衰えによってレギュラー番組を降ろされたことから、若さと美しさと完璧な自分が得られるという、禁断の再生医療「サブスタンス= … 続きを読む

Willfriends

page top