【インタビュー】映画『私ときどきレッサーパンダ』佐竹桃華&木村佳乃「母と娘の関係性に、すごく共感しました」

2022年3月16日 / 06:33

 ディズニー&ピクサー最新作『私ときどきレッサーパンダ』が、ディズニープラスで見放題・独占配信中だ。本作は、1990年代のカナダ・トロントを舞台に、ときどきレッサーパンダに変身してしまう主人公の女の子・メイが、大好きな両親や友人たちとの関係を通して、本当の自分を見つけていく物語。本作でメイの日本版声優を担当した佐竹桃華と、メイを少し過保護に見守る母親・ミンの声を担当した木村佳乃に、声優オーディションに合格したときの心境や、互いの印象、本作の魅力などを聞いた。

佐竹桃華(左)と木村佳乃 (C)エンタメOVO

-お二人とも、オーディションを経ての出演だったそうですが、オーディションに合格したときの感想から教えてください。

佐竹 私は、声優は初挑戦ですし、まさか自分がディズニー&ピクサーの作品で声優ができるなんて思っていなかったので、本当に「えっ!?」という驚きの気持ちが強かったです。収録日が近づくにつれて、声優初挑戦という言い訳はきかないなと思って、この作品がよくなるようにしなくちゃいけないなという責任やプレッシャーが生まれました。

木村 ディズニー&ピクサーというと、明るくて楽しい、ちょっとほろっとする作品というイメージがすごくあったので、初めて参加できてうれしかったです。

-劇中では母子役を演じましたが、お互いの印象は?

佐竹 私は20年後の目標に、「木村佳乃さんみたいな女優さんになる」と書いていたぐらい、憧れ中の憧れだったので、親子として共演できたことは、すごくうれしかったです。初めてお会いしたときは、ファンのように「本物だ~」と興奮してしまいました。

木村 アフレコが別録りだったので、お会いする前に佐竹さんの声を聞いていて。若い感じのメイの話し方や、声を聞いているときは、メイにぴったりだなと思ったのですが、実際にお会いした佐竹さんはもっと大人っぽい印象だったので、すごく役作りをされて、12、3歳のお声を出されたんだなと思いました。

-ご自身が担当したキャラクターについて、紹介してください。

佐竹 メイは頭もいいし、真面目で頑張り屋で、お母さんの言うことを聞いて期待に応えるようと頑張る一面もあれば、友達と羽目をはずして遊んだり、はやりのボーイズグループのオタクになってしまったりと、どの面もうそがない、すごく純粋な女の子です。ちょっぴりダサい格好だったり、完璧過ぎないところに親しみやすさがあって、彼女の魅力だなと思います。

木村 ミンは娘のメイが大好きで、メイは勉強もよくできるし、ママの言うことを聞いて、このままいけば大丈夫って、ちょっと過保護になってしまっているところがあるキャラクターです。メイがレッサーパンダになる時期がそろそろ来ることが分かっているのに、メイに言い出せなかったり、自分の母親とうまくいっていないところもあったり、弱い部分もある女性だなと思います。

-アフレコ時に、一番頑張ったところは?

佐竹 メイが「下見ちゃ駄目、下見ちゃ駄目…」と連続して言うシーンがあるのですが、そのシーンで舌が回らなくなって沼にはまってしまって、何回もNGを出しながら頑張ったので、注目してもらいたいです。

-本作は母娘の関係性について描かれていますが、ストーリーに共感する部分はありましたか。

佐竹 メイがお母さんのために頑張ったり、お母さんが悲しむかなと、自分の本当の気持ちを抑え込んでしまったり、思春期ならではの繊細な感情の動きには、すごく共感しました。私は今19歳なので、ようやく母の気持ちも分かるようになってきて、母がこの作品を見たら泣いてしまうだろうなと感じました。

木村 私は小学生の娘がいるので、完全にミンの目線で共感しました。娘も大きくなったら絶対に反抗期がくると思うので、冷や冷やしたり。子育てって、常に助けてあげることが愛情ではないですし、失敗しないと学ばないこともあるし、でも、心配だからつい手を出しちゃうんですよね。でも、私もきっと「放っておいてよ、ママ」って娘に言われるだろうなって、すごくそこに共感しました。

 
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