次回で見納め!「平九郎の最期を見届けてください」岡田健史(渋沢平九郎)【「青天を衝け」インタビュー】

2021年8月17日 / 07:42

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「青天を衝け」。幕府から朝廷への大政奉還が行われ、徳川昭武(板垣李光人)に従ってパリに滞在していた主人公・渋沢栄一(篤太夫/吉沢亮)も帰国の途に就いた。いよいよ時代は明治に移っていくが、8月22日放送の第二十五回では、栄一の養子となった従弟の渋沢平九郎が、幕府崩壊後の動乱の中で壮絶な最期を迎える。平九郎を好演してきた岡田健史が、放送を前にこれまでを振り返った。

渋沢平九郎役の岡田健史

-平九郎の最期のシーンを演じた感想は?

 最期のシーンの撮影では、自然と涙があふれてきました。それは、天国の渋沢平九郎さんが「おまえに演じてもらって俺はうれしい」とか思ったりしてくれたかな…という思考に至った結果ですが、実在の人物の最期を演じることで「こういう気持ちになるんだな…」と新鮮な思いも湧き上がってきました。ただ、最期のことだけを言えば、変な話、僕でなくても壮絶なシーンになるに違いありません。そうではなく、そこに至るまで“平九郎”という人物をどのように作ってきたのか。それこそが、僕にしかできない平九郎だと思っています。それは、良し悪しで測れるものではなく、そうやって僕がここまで作ってきた“平九郎”が至ったのが、その最期のシーンなんだろうな…と。

-これまで約1年間、平九郎を演じてきた中で変化はありましたか。

 変化というか、新しく気付かされたことはあります。何かが変わったのではなく、新しく発見したものが追加されていった、という感覚です。実在の人物を演じることは膨大なエネルギーを要するとともに、こんなにも濃厚に生きることができるのか…という驚きもありました。

-というと?

 これまで、架空の人物を一から作りあげていく作品に出演してきましたが、過去に実在した人物を演じるのは今回が初めて。先の展開や最期がどうなるか分かっているからこそ、簡単には演じられない、ということに気付かされました。例えば、「渋沢栄一役をやりたい」と口で言うのは簡単ですが、実際に演じるとなると、全然簡単ではないでしょう。もちろん、架空の人物を作ることも簡単ではありませんが、それとは異なる難しさがあり、命を削るというか、まさに「命がけで演じることができた」という手応えを感じています。

-これまで演じてきた中で最も印象的だったシーンは?

 一番印象的だったのは、第七回でしょうか。この回では、栄一と(兄の尾高)惇忠(田辺誠一)が漢詩を詠みながら藍売りの旅に出ますが、出発前にそれを聞いた平九郎が、栄一に「へぇ。詩かぁ。いいなぁ」と一言こぼす場面があります。僕が平九郎を演じる上で真骨頂だと考えていたのが、純粋な憧れの対象である“兄ぃ”たちとの関係性を徐々にズームアップしていくこと。最期を演じるに当たっても、僕が考えたのは“兄ぃ”たちのことでした。そんなふうに“兄ぃ”たちを慕っている平九郎の中身を濃く作っていくために一番考えて、その後のリズムをつかむことができたのがそのシーンでした。そういう意味で、あのシーンが最も印象に残っています。

-そうすると、平九郎は惇忠や栄一たちをどんなふうに見ていたのでしょうか。

 平九郎の根底には「いいなぁ、兄ぃたち」という憧れの気持ちと同時に、自分にできないことができる兄たちに対するコンプレックスもどこかあったに違いありません。僕自身、幼少期に兄たちに対して同じようなことを感じていました。大人とは違い、幼少期に感じる年の差は、非常に大きいものがあります。だから、自分が持っているものと年上の人たちが持っているものの違いに対するコンプレックスは、すごく大きいんだろうな…と。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

佐々木蔵之介「この映画を見た後で自分の気持ちがさまようようなところがあるので、誰かと一緒に見てほしいと思います」『名無し』【インタビュー】

映画2026年5月22日

 その男が右手で触れた瞬間、相手は消え、死が訪れる。世にも奇妙な凶器なき犯行と謎に包まれた動機とは…。俳優だけでなく、脚本家、映画監督としても活躍する佐藤二朗が、初めて漫画原作を手がけたサイコバイオレンスを、自らの主演・脚本、城定秀夫監督で … 続きを読む

宮野真守&神山智洋、初共演の二人が作り上げる、劇団☆新感線のドタバタ音楽活劇ミステリー 「多幸感にあふれた作品をお届けしたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年5月22日

 宮野真守と神山智洋(WEST.)が出演する、2026年劇団☆新感線46周年興行・夏公演 SHINKANSEN☆RSP 怪奇骨董音楽劇「アケチコ!~蒸気の黒ダイヤ、あるいは狂気の島~」が、6月12日から上演される。本作は、脚本に劇作家の福原 … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第19回「過去からの刺客」慶の心を動かした小一郎の言葉【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年5月21日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=羽柴秀吉/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。5月17日に放送された第19回「過去か … 続きを読む

唐沢寿明「こんなにひどい男をやってよかったのかなという後悔はちょっとありました」『ミステリー・アリーナ』【インタビュー】

映画2026年5月21日

 推理力に覚えのある解答者たちが、国民的な人気を誇る推理ショーを舞台に、頭脳戦を繰り広げるさまを描いた深水黎一郎の同名小説を、堤幸彦監督が映画化した『ミステリー・アリーナ』が、5月22日から全国公開される。本作でクレージーな天才司会者・樺山 … 続きを読む

川島鈴遥、森田想「この映画は、ちょっと落ち込んだ時とかに見るといいかもしれません。きっと心が軽くなります」【インタビュー】『いろは』

映画2026年5月21日

 長崎で巻き起こる「ドロドロのダメ男巡り」と「ヒリつく姉妹の絆」を描いた青春ロードムービー『いろは』が5月22日から全国公開される。妹の伊呂波を演じた川島鈴遥と姉の花蓮を演じた森田想に話を聞いた。 -最初に脚本を読んだ時の印象から伺います。 … 続きを読む

page top