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国の借金が1000兆円を超えた日本。あるとき、突如“デフォルト=国家破綻”の危機に直面する。新たに総理大臣に就任した江島隆盛は、この難局を乗り切るため、特命プロジェクト“オペレーションZ”を開始。だがそれは、「国の歳出を半分にする」という限りなく不可能に近い改革だった。果たして江島は、エリート財務官僚・周防篤志ら4人のメンバーと共に、この困難なプロジェクトを成功に導き、日本を救えるのか…? 3月15日からWOWOWで放送開始となる「連続ドラマW オペレーションZ ~日本破滅、待ったなし~」は、『ハゲタカ』シリーズで知られる真山仁の小説を原作にした超大型政治経済エンターテインメントドラマだ。主人公・江島を演じる草刈正雄と周防役の溝端淳平が、撮影の合間を縫って作品の魅力や撮影の舞台裏を語ってくれた。
草刈 珍しい題材だと思いました。こういったシリアスな政治ものは最近、あまり多くないですから。緊張感のある話でもあったので、ぜひ挑戦してみたいと。
溝端 大好きな『ハゲタカ』の真山先生が原作ということで、最初に小説を読ませていただきました。今の日本の情勢がとても身近に感じられ、夢中になってしまいました。読み進むたびに手が震えて、恐怖すら感じるほどで。フィクションとは思えない説得力があり、衝撃的でした。これをドラマ化するのであれば、ぜひやらせていただきたいと思いました。ちょうど30代に突入した節目の年に、真山先生の社会派ドラマで官僚という役に初挑戦ができることを、とても光栄に思いました。
草刈 僕は普段から、役作りのようなことはあまりしていません。台本を読んだときのインスピレーションを大事にしているので。その代わり、政治に詳しい友人から、いろいろな話を聞き、そこからイメージを膨らませていきました。ただ、最初はせりふの多さに衝撃を受けました(笑)。とはいえ、やっているうちに総理大臣らしいせりふを言うことが、だんだん快感になってきましたが(笑)。
溝端 ぴったりです。僕が言うのもおこがましいのですが、草刈さんが現場に入ってくるときの立ち姿や歩き姿は、まさに総理の雰囲気。空気もピリッと締まるし、とにかく威厳があって、立っていても、座っていてもカッコいいです。
草刈 そうですね。ただ、台本には「堅物の政治家」というより「人間味のある総理」といった雰囲気で書かれています。溝端くん演じる周防のことも「篤志」と下の名前で呼びますし。だから、単なる「総理大臣」ではなく、緊張感のある物語の中で、人間味を含めたいろいろな面を出していけたら…と思っています。
草刈 成り切っていますよね。政治に詳しい方に聞いてみると、官僚というのは「侍」なんだそうです。本気で日本のことを考えていて、いい上司の下では命さえも捨てられるのだとか。それほど優秀ですごい人たちなんだと。そういう役に、ばっちりはまっています。
溝端 ありがとうございます。
溝端 嫌でも感じざるを得ません。先日、「消費税を10年以内に15パーセントに引き上げるよう、IMFが日本に提言した」というニュースを聞いたときは、「15パーセントでいいの?」と思ってしまったほどで。僕たちはドラマの中で「消費税を20パーセントに」みたいな話をやっているので、完全に感覚がまひしてきました(笑)。
草刈 「こういうことが現実に起こるかもしれない」と、皆さんに感じてもらえたらいいですね。そこから、いろんなことを考えてほしい。
溝端 国の予算は、あまりにも莫大(ばくだい)過ぎてその状況が想像しにくいんです。でも、このドラマでは「1億以上の借金があるのに、500万の年収で、毎年1千万を使う人」といったように、一般家庭に置き換えて説明してくれます。そんなふうに例えてくれると、スッと入ってきますよね。
草刈 財政再建については「病気なら、治ると分かっていれば、どんなにつらくても誰もが手術する」と人間の病気に例える場面もあります。確かにその通りだなと、すごく納得しやすい。このドラマの意義は、そういうところにあるのではないでしょうか。
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