「菅田さんとは、本当に万千代と万福のようないい関係になっています」井之脇海(小野万福)【「おんな城主 直虎」インタビュー】

2017年11月26日 / 20:50

 草履番から小姓へ、さらに知行一万石を賜るなど、井伊家再興を目指して徳川家の中で着々と出世していく万千代(菅田将暉)。その万千代が虎松と呼ばれた幼少の頃から共に井伊谷で育ち、今もそばに付き従うのが、亡き小野政次(高橋一生)のおい・亥之助こと小野万福だ。演じる井之脇海が、万千代役の菅田との共演、撮影の舞台裏などについて語ってくれた。

小野万福役の井之脇海

-出演が決まった時のお気持ちは?

 高橋一生さんが見事に演じられていた小野政次のおいっ子、しかも世の中も一生さんに注目しているこのタイミングで、僕が小野家を継ぐことができるのだろうかと心配になりました(笑)。でも、頂いた役は一生懸命やろうと思って、素直にうれしかったのと同時に、少し怖さもありました。

-“怖さ”というのは?

 昔の人は家系を大事にしますよね。だから、表向きとはいえ、伯父が裏切り者の上に、早くに父親を亡くしている人を、自分がどこまで演じられるだろうかと身構えてしまいました。でも、台本を読んでみたらそんな心配は不要で、家がつぶれた後、穏やかな環境ですくすくと育った、どちらかというと父親の玄蕃(井上芳雄)に似たタイプだったので、安心しました。

-万福の印象は?

 僕もこのドラマをずっと見てきましたが、今までの登場人物とは違った真っすぐさがあります。多分、万福1人ではああはならなかったでしょうね。万千代と一緒だったから、ああいう真っすぐなコンビになったんだろうなと感じています。

-万福が、政次や玄蕃から受け継いだのはどんなところでしょう。

 ものの考え方として、真っすぐな玄蕃は二つぐらいの選択肢の中から選んでいく感じですが、政次はたくさんある選択肢の中から、背伸びしないと届かないようなものを選んでいくイメージがあります。真っすぐな性格の万福は、基本的には玄蕃に似ていると思います。ただ、政次は育ての親みたいなものですから、受け継いでいるものはすごく多い。腕には同じような布を巻いていますし、かっちゅうも一部は政次のものを引き継いでいるんです。そういったものが目に入るたび、政次を身近に感じて、守られているような気持ちになるのではないでしょうか。

-万千代役の菅田将暉さんと共演した感想は?

 共演は4回目くらいですが、お互いに信頼関係があるので、すごくやりやすいです。お互いにいろいろ考えていて、リハーサルで芝居を合わせた時に違うと感じると、「ここはこうしない?」、「それいいね」みたいな意見を気さくに言い合えるので。時代背景や所作なども一緒に学びながらやっているので、本当に万千代と万福のようないい関係になっています。

-菅田さんも、井之脇さんがしっかりしているので、万千代と万福のように支えてもらっているとお話しされていました。

 そんなふうに思われているというのは今、初めて聞きました(笑)。でも、実際の年齢は役とは反対で菅田さんの方が上なので、僕としては菅田さんに引っ張ってもらっている感じです。そういう意味では、いい影響を与え合っているのかも知れません。撮影初日には焼き肉に誘っていただき、いろいろなことを話して距離を近付けた上でお芝居ができているので、そういった部分も生きていたらいいですね。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

玉置玲央「柄本佑くんのおかげで、幸せな気持ちで道兼の最期を迎えられました」強烈な印象を残した藤原道兼役【「光る君へ」インタビュー】

ドラマ2024年5月5日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。5月5日放送の第十八回で、主人公まひろ/紫式部(吉高由里子)にとっては母の仇に当たる藤原道長(柄本佑)の兄・藤原道兼が壮絶な最期を迎えた。衝撃の第一回から物語の原動力のひとつとなり、視聴者に強烈 … 続きを読む

「光る君へ」第十七回「うつろい」朝廷内の権力闘争の傍らで描かれるまひろの成長【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年5月4日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。4月28日に放送された第十七回「うつろい」では、藤原道長(柄本佑)の兄である関白・藤原道隆(井浦新)の最期が描かれた。病で死期を悟った道隆が、嫡男・伊周(三浦翔平)の将来を案じて一条天皇(塩野瑛 … 続きを読む

妻夫木聡「家族のために生きているんだなと思う」 渡辺謙「日々の瞬間の積み重ねが人生になっていく」 北川悦吏子脚本ドラマ「生きとし生けるもの」【インタビュー】

ドラマ2024年5月3日

 妻夫木聡と渡辺謙が主演するテレビ東京開局60周年特別企画ドラマスペシャル「生きとし生けるもの」が5月6日に放送される。北川悦吏子氏が脚本を担当した本作は、人生に悩む医者と余命宣告された患者の2人が「人は何のために生き、何を残すのか」という … 続きを読む

城田優、日本から世界へ「日本っていいなと誇らしく思えるショーを作り上げたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年5月3日

 城田優がプロデュースするエンターテインメントショー「TOKYO~the city of music and love~」が5月14日から開幕する。本公演は、東京の魅力をショーという形で世界に発信するために立ち上がったプロジェクト。城田が実 … 続きを読む

【週末映画コラム】台湾関連のラブストーリーを2本『青春18×2 君へと続く道』/『赤い糸 輪廻のひみつ』

映画2024年5月3日

『青春18×2 君へと続く道』(5月3日公開)  18年前の台湾。高校3年生のジミー(シュー・グァンハン)は、アルバイト先のカラオケ店で4歳年上の日本人バックパッカーのアミ(清原果耶)と出会い、天真らんまんでだがどこかミステリアスな彼女に恋 … 続きを読む

Willfriends

page top