【インタビュー】瀬戸康史、俳優デビュー10年目「死ぬまで続けたい」 NHK戦後70年大型ドキュメンタリードラマ「玉音放送を作った男たち」で熱演

2015年7月30日 / 16:51
瀬戸康史

瀬戸康史

 日本の敗戦を昭和天皇自らが語り掛けた玉音放送をテーマとしたドラマ「玉音放送を作った男たち」が、8月1日にNHK BSプレミアムで放送される。

 玉音放送のプランを着想し、それを阻止しようとする反乱軍と相対しながらも、昭和20年8月15日の放送を死守した情報局総裁・下村宏(柄本明)。本作は、下村と共に歴史的な放送を作った男たちの一部始終をドキュメンタリーで描く。 

 NHKの第1期アナウンサーで、天皇の玉音放送後にあらためてその内容の解説放送を行った和田信賢役を演じるのは瀬戸康史。重要な役どころを演じた感想や見どころを熱く語った。

―今回の役を演じた感想を教えてください。

 今まで時代劇もやってきましたけど、この作品は戦後70年という割と近い時代の話だったので、反対に難しかったですね。和田さんは実在の方で、奥様も娘さんもお元気でいらっしゃるので、自分なりに勉強して演じました。

―アナウンサー役ですが、演じる上で気を付けたことは?

 アナウンサーはどこか声に統一性がある人が多いような印象があったのですが、僕は声が低いので、この声のままアナウンサーらしくと、あまりご本人の声にとらわれずに演じました。玉音放送の詔書を読み上げるシーンが、いちばん苦労しました。気持ちが入り過ぎても、国民に情報として入ってこないところもあるでしょうし、伝え方を考えました。最後は、ノーカットで長く読み上げるシーンを撮りましたね。

―和田信賢氏とご自身の性格で似ているところは?

NHKのアナウンサー、和田信賢役

BSプレミアム「玉音放送を作った男たち」ではNHKのアナウンサー、和田信賢役を務める

 さまざまなことに興味があったところです。和田さんは、アナウンサーという職業に対しての思いが強くて、報道でニュースを読んだり、相撲の中継をしたり、朗読といった声の仕事に積極的に、ストイックに取り組んでいて、「声優」というジャンルを作り上げたような方だったので。

―瀬戸さん自身は今、どんなことに興味がありますか?

 役者として演じるだけじゃなくて、今、絵も描いています。表現者として、そういった違う形で皆さまに僕の思いを見ていただく方法に興味がありますね。

―反対に、和田信賢氏と自分が似ていないという部分は?

 和田さんは、その当時、軍のやり方が違うと声を挙げていた人だったのですが、僕はもし同じ立場にいたら絶対に流されてしまうタイプだと思うので、そういう点は違うな、尊敬すべきところだなと思いました。

―共演者の方とのエピソードを教えてください。

 撮影期間が1週間ぐらいしかなかったんですけど、高橋一生さんと仲がいいのでよく話をしました。柄本明さんは久しぶりにお会いしたんですが、「おはようございます」ってあいさつしたら、柄本さんの第一声がなぜか「ラッスンゴレライ」で(笑)。「ラッスンゴレライ」って言いながら僕の方に近づいてきて…。あの日はずっと言ってましたね(笑)。

―撮影期間が短かった分、役作りも大変だったのでは?

seto03-001

共演は柄本明、原田美枝子ほか

 その撮影期間は、ドラマとかを3本抱えていたんですけど、僕としては短期集中で全部100パーセントでやり切りました。

―多忙な中、せりふはどうやって覚えますか?

 家で本当に何度も声に出して読んだりして、覚えています。

―息抜きになっていることは?

 僕はストレスを感じない体質なのか、息抜きがほしいというのもないんですよね。でも今は(連続ドラマ「エイジハラスメント」で)共演中の竹中直人さんや杉本哲太さんなどベテランの役者さんたちと飲みに行くのが、息抜きになっているかもしれません。

―休みの日は何をしていますか?

 休みはちょこちょこあるんですけど、せりふを覚えたり、映画の公開や一人芝居のイベントが近いので、その打ち合わせをしたり、仕事関連のことをしています。

―終戦70年を記念したドラマですが、この作品を通して瀬戸さんが伝えたいことは?

 玉音放送を作った人たちがいたということ、放送に至るまでに大変な苦労があったことが、作品中に描かれているので、そこを見てほしいです。戦争を経験した方が少なくなってきているので、戦争を経験した国の国民として、ドラマを通して何か思うところはあると思いますし、絶対に忘れてはいけないことなんだなと思いますね。多くの人に見てほしいです。

瀬戸康史

1988年5月18日生まれ、福岡県出身

―デビューから10年を迎えられた瀬戸さんですが、あらためて思うことはありますか?

 役者として10年できたことは自分でも驚きで、あっという間だったなと思います。10年続けられていることに感謝するのと、まだまだこれからなので、今後もずっと役者を続けていければと思います。僕の周りでは、20代後半ぐらいでいろいろな事情で役者を辞めて違う道に行く人が多かったので、続けられるというのは、いろんな要素が合わさってできていることだと思いますし、今後も死ぬまで役者を続けていくことが目標です。

―10月は主演舞台Dステ「夕陽伝」も上演されますね。

 はい、日本の古い物語「古事記」をベースに作られた作品です。僕が演じるのは、王族の家系の長男で、これから王にならなきゃいけないという運命を背負っているんですけど、それから逃れるように自由に生きているタイプで、弟とぶつかり合ったり、幼なじみの女性と恋愛関係になるのか?みたいなこともある役どころです。

 それから殺陣もあるので、個性豊かな人物たちの思いが一振り一振りに表れるような殺陣ができればいいなと思っています。

―今年も上半期が終わりましたが、下半期の目標は?

 下半期は、舞台と映画が公開されますし、いろんな瀬戸を見ていただきたいです。若い人たちにも舞台を見に来てもらって、生ものの良さを感じてほしいって思います。

 

【作品情報】
ザ・プレミアム 戦後70年ドキュメンタリー・ドラマ「玉音放送を作った男たち」
NHK BSプレミアム 8月1日午後7時30分~9時

Dステ17th「夕陽伝」
10月22日~11月1日 サンシャイン劇場
11月21日~22日 森ノ宮ピロティホール

取材&テキスト:小宮山あきの
撮影:金田 誠

 


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

相葉雅紀「チームメイトの障がい者の皆さんから、ものすごい熱量を感じました」黒島結菜「相葉さんは本物の野球チームの監督のようでした」実際の障がい者たちとも作り上げた奇跡の物語『4アウト ─もう一度、プレイボール─』【インタビュー】

映画2026年11月3日

 東京に初めて結成された身体障害者野球チーム「東京ブルーサンダース」創設の実話に基づく奇跡の物語『4アウト ─もう一度、プレイボール─』が、11月6日から全国公開となる。  戦力外通告を受け、失意の日々を送っていた元社会人野球選手の矢上雄一 … 続きを読む

山崎育三郎「一番、自分に近い存在」 ミュージカル「ファインディング・ネバーランド」が伝える「解釈力」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年10月31日

 山崎育三郎が主演するミュージカル「ファインディング・ネバーランド」が2027年1月8日から上演される。本作は、ジョニー・デップ主演で2004年に公開された映画『Finding Neverland』(邦題『ネバーランド』)を元に作られたミュ … 続きを読む

【映画コラム】10月の公開映画から

映画2026年10月31日

「ディスクロージャー・デイ」(10月1日公開)★★★★ 宇宙人の存在を知った人類は…  地球外生命体を巡る秘密と、その開示に迫るスティーブン・スピルバーグ監督のSFサスペンス。「未知との遭遇」から約50年。宇宙からの来訪者を描いてきた監督が … 続きを読む

柳楽優弥「川栄さんと真剣に作品に向き合ってきた」川栄李奈「柳楽さんを信頼しています」共演4度目の2人が伝説的作品に挑む『RYUJI 竜二』【インタビュー】

映画2026年10月30日

 1983年に公開されるや否や観客の熱狂的な支持を集めた『竜二』。直後に主演・脚本の金子正次が急逝したことも重なり、伝説的作品として時代を超えて語り継がれてきた。その伝説が、新たに『RYUJI 竜二』として令和の現代によみがえる(10/30 … 続きを読む

横浜流星に「流星をよろしく」の声続々 『国宝』脚本家・奥寺佐渡子が「LOST10」で感じた愛される人柄【インタビュー】

ドラマ2026年10月30日

 横浜流星が主演するドラマ「LOST10」が、毎週金曜午後10時からTBS系で放送中だ。本作は、横浜と映画『国宝』以来の再タッグとなる奥寺佐渡子氏が脚本を担当し、「Nのために」「最愛」などを手掛けた塚原あゆ子監督らのチームが制作するヒューマ … 続きを読む

page top