【花燃ゆインタビュー】佐藤隆太「雑草魂を持っているところは自分に似ているかな」 松下村塾一の豪傑で、真っすぐな性格の前原一誠役

2015年3月14日 / 08:39

 NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」で、頼りがいのある存在として松下村塾を盛り上げ、明治維新後は越後府判事や参議まで務めたが、やがて故郷の萩で反乱を起こす前原一誠を演じている佐藤隆太。熱血漢役を得意とする佐藤が、松下村塾の十傑の一人と言われた前原について語る。

 

前原一誠役の佐藤隆太

-出演依頼があった時の気持ちは?

 青春群像の中で自分たちの志を探し、それに向かって走っていくという、すごく熱量の大きい作品に参加できるということで、ぜひやらせてくださいという思いでした。

-前原は、とにかく熱い男と言われていますが。

 でも、分かりやすい熱さではないんです。前原は17歳の時に馬から落ちて脚に大きなけがを負います。その事がコンプレックスになっている。しかし、だからこそ、人の痛みが分かるし、人に負けないようにという力強さがある人です。松陰先生の遺志を自分が継ごうという思いが人一倍強かった人ですね。

-自分と重なる部分はありますか。

 前原は雑草魂を持っている人です。そこは自分と似ているかもしれません。僕も芝居する時はスマートさを目指すよりも、汗まみれ、泥まみれになるようなぐちゃぐちゃっとした芝居が好きだったりしますので。

-撮影現場の雰囲気は?

 本当に皆さんお芝居に対してまっすぐで。伊勢谷友介さんが松陰先生のようにいろんな話をしているし、高良健吾さんと東出昌大さんは芝居の話ばかりしている。期待していた通り、楽しいし、刺激的な場所です。この間あるシーンのリハーサルで塾生達の顔を見ていたら、みんな目がきらきらしていました(笑)。

-撮影した中で気に入っているシーンはありますか。

 前原が最初に塾に来た時は10日ぐらいの短い滞在だったんですけど、彼はそこで、松陰先生や塾生の中に光を見つけるんです。それが彼の転機になります。その時の芝居はやりがいもあり、楽しかったです。自分は脚が悪くて、歩くのが遅いのがコンプレックスだったけど、歩んでいくところが分からなかっただけなのだと気付くんです。

-前原のクライマックスである萩の乱はどう演じようと考えていますか。

 どういう描き方なのかがまだ分かりませんが、松陰先生の志を継ぐという前原の気持ちが基本です。松陰先生がもし生きていたら、きっと動いていると思って行動したわけですから。視聴者の方々が、松陰先生を一瞬思い出せるようなシーンになればいいなと思います。

-井上真央さんが演じる文の印象は?

 真央さんの文はキュートだけど力強さがあります。演技でちょっと目を合わせた時の表情に引き込まれます。すごく頼もしい母性があるので、安心して飛び込んで芝居ができるというか、一緒に演じていて楽しいです。一年間、大河の真ん中で頑張るのは大変だと思います。でも疲れた表情は全く見せず、一人一人に気持ちの良い挨拶をしてくれますし、なんと(主演の)真央ちゃんが自分でお菓子箱にお菓子を補充しているんですよ(笑)。


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

DAIGO「クリスマス気分を盛り上げてくれる作品なので、『パーシーのクリスマス急行』にぜひ乗車してください」『映画 きかんしゃトーマス サンタをさがせ!パーシーのクリスマス急行』【インタビュー】

映画2025年12月12日

 イギリスで最初の原作絵本が誕生してから80周年を迎えた人気児童向けアニメ「きかんしゃトーマス」の劇場版『映画 きかんしゃトーマス サンタをさがせ!パーシーのクリスマス急行』が12月12日から全国公開された。シリーズ初のクリスマスムービーと … 続きを読む

高橋克典「これは吉良の物語でもあるのだと感じていただけるような芝居をしたい」 堤幸彦「『忠臣蔵』は、演劇的に言えば1丁目1番地的な作品」 舞台「忠臣蔵」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年12月10日

 元禄時代に実際に起こった仇(あだ)討ちを題材に歌舞伎などで取り上げられて以来、何度もドラマ化、映画化、舞台化されてきた屈指の名作「忠臣蔵」が、上川隆也主演、堤幸彦演出によって舞台化される。今回、吉良上野介を演じるのは、高橋克典。高橋はデビ … 続きを読む

生田斗真が驚きの一人二役!「最初から決まっていたわけではありません」制作統括・藤並英樹氏が明かす舞台裏【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月8日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。謎の絵師“写楽”が、蔦重の下で歌麿(染谷将太)ら当 … 続きを読む

板垣李光人「最初から、戦争を考えて見るのではなく、実際に見て感じたことを広めていっていただければ、それが一番うれしいです」『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』【インタビュー】

映画2025年12月5日

 戦争がもたらす狂気を圧倒的なリアリティーで描き、第46回日本漫画家協会優秀賞を受賞した武田一義の戦争漫画をアニメーション映画化した『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』が12月5日から全国公開された。太平洋戦争末期、激戦が繰り広げられたペリリ … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(8)百年ぶりの復活へ 四代目が掲げた三つの大願

舞台・ミュージカル2025年12月4日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。    2016年に四代目・玉田玉秀 … 続きを読む

Willfriends

page top