エンターテインメント・ウェブマガジン
高殿円の小説『MESSIAH -警備局特別公安五係』を原案とし、テレビドラマや舞台、実写映画などのメディアミックスを展開している「メサイア・プロジェクト」の映画シリーズ4作目となる『メサイア -幻夜乃刻-』が11月17日から公開される。本作は、2018年4月に上演された舞台「メサイア -月詠乃刻-」に続くストーリーで、舞台版に続き杉江大志が主演する。「メサイア・プロジェクト」には、舞台初演時から加々美いつきとして出演している杉江に、役柄への思い、そして映画の見どころを聞いた。
そうですね。加々美は、芝居について何も分からなかったときからやらせていただいている役で、もう5年ぐらい演じさせてもらっています。シリーズを通して、加々美は人として成長していくのですが、僕自身も一緒に成長してきたと思います。自分がそのとき、持っているものを全て捧げてきた役ですし、全てを注ぎ込める幅を持った役です。
僕は、演じるときに「誰かになる」という意識はなくて、台本に書いてある「そのキャラクターの考え」の理由を探って、それを理解して読み解いていくというイメージなんです。加々美の場合は、彼の考えが手に取るように分かるし、何をどれぐらい大事にしているかということも分かっているので、台本を読んで感じたことをそのまま乗せる。その感じたことをどう表現するかということは考えましたが、何かを意識したということはありません。
加々美は決して強い人間ではないけれど、自分の信念を持っていて、ここぞというところでは踏みとどまれる強さを持っていると思います。僕は、自分に甘いし、ちゃらんぽらんな人間ですが、譲れないものがあって、ここだけはという場面では踏ん張れる。そこは共通点だと思います。
そうですね。舞台は舞台で迫力あるアクションをお見せできていると思いますが、映画は映画で映像だからこそのアクションになっていると思います。僕は、映像でのアクションの経験が少ないので、難しかったですし、映像って大変だなって思いました(笑)。
映像のアクションは「ガチ」だってことです(笑)。当たるし、痛いです(笑)。舞台のアクションは、何公演も同じことをするので、安全であることも大切ですし、繰り返し演じるからこそ、息のあったアクションが見せられるというのが特徴だと思いますが、映像のアクションは一瞬の緊張感が大事なんだと思います。一つミスしたら自分もけがをするし、相手にもけがをさせてしまうという緊張感があって、それがハラハラドキドキにつながるんだと、今回撮影をして感じました。
「メサイア」といったらアクションだとお客さんも思っていると思いますし、ハードルも上がっていますが、それでも期待していただいていいと思います。最先端のアクションをお見せできると思います。
養成所に通っていたときに少しだけ練習して、それなりにできていたと思うのですが、「メサイア」の現場に入ってレベルの違いを実感しました(笑)。でも、最低限のベースがあったので、とにかくがむしゃらにやって、やったらやっただけ自分のものになっていった気がします。「メサイア」のおかげで、アクションができるようになりましたし、アクションの見せ方も学びました。
映像は一瞬の集中力と、そこに持っていくエネルギーが大切なんだと思います。僕は、短期集中型なので、そういった意味では実は映像の方が向いているのかもしれません(笑)。