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彼らも、ある意味バチバチでした。例えば、玉山(鉄二)くんがきっちりやると、次に出てくる人に、自分はもっと面白くやってやろうというスイッチが入ります。みんな真面目な人だから、負けないようにやるんです。それが結果として出てくる。それを司会者の席から見ているのがすごく楽しかったです。やっぱり俳優って基本はこうでなければ駄目だよなと感じました。俳優のそういう姿を見ていると演出家って楽しいだろうなと思いました。演出家が何か言わなくても勝手にやってくれるから。今回は全員がそうでした。自分の存在を印象づけるために、すごく工夫をしながらやっていました。それがすごかったです。
だから解答者の人たちも結構疲れたと思いますよ。集中して、息を抜くところがなかったから。ほかの人が解答している時も、じっと見ていましたから。それで、その人がすごくいいと、次の人にもやっぱり気合が入るわけです。でも俳優はそれでいいと思います。やっぱり俳優はどこか真面目じゃないと駄目なんです。ちゃんと相手のことを見て、自分はどうリアクションをするのかを考えつつ、勝負していかなければならない。でも、みんな俳優という職業は好きでしょうから、そういうものが画面にきっちり出ます。今回はそれを見ているのがすごく楽しかったです。俳優ってやっぱりいいなと、役とはまた違った意味で見ていました。
俳優業が今までよりも少し楽しくなってきました。いろんなことを考える時間が増えたこともありますが、追われている感じはもうないかな。その中でいろんなことを考えて、次はこういうのをやりたいなとか、あの人と話してみたいなと思うわけで、そういうのはこれからもっと出てくると思います。
そうです。この年になると、普通はみんなお父さんとかおじいちゃんの役を振られるんですけど、作品によってはまだまだほかにもできる役がたくさんあると思います。そういうことを考えられる若い世代が出てきたらいいなと思います。これがいいかどうかは別としても、今回の樺山のような役も来るわけです。ということは、今40代の俳優が、「唐沢さんが60いくつで、この役をやっているから、自分も60ぐらいになったらこういうハチャメチャな役をやってみたい」と思えるようなことがないと。みんながお父さんやおじいちゃんをやらされると思ったら絶望的です。俳優としては楽しくないですから。
そういう意味では、彼はすごいと思います。でも、あれをまねしちゃ絶対に駄目ですけどね(笑)。
まず原作を読んでいてもいなくても、どちらでも楽しめると思います。とにかく素直に見ていただければ、きっちりハマって、最後まであっという間に見られる映画だと思います。僕も自分で演じていながら、映画が始まった瞬間から、違う人として、この後どうなるんだろう、犯人はこいつじゃないのかと推理をしていました。何かそういう見方をしてしまうんですよ。それでまんまとはめられた。そういう感覚も含めて、楽しんでほしいと思います。こんなにひどい男をやってよかったのかなという後悔はちょっとありました。僕のイメージが崩れてもいいんですけど、本当はこいつ嫌なやつだったんだと思われたくないというか。そう思う人が多いんじゃないかな。だからできれば公開しないでほしいです(笑)。
(取材・文・写真/田中雄二)

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