山里亮太「長年の“したたかさ”が生きました(笑)」 三宅健太「山里さんには悔しさすら覚えます(笑)」STUDIO4℃の最新アニメ『ChaO』に声の出演【インタビュー】

2025年8月15日 / 08:00

山里亮太(左)、三宅健太(C)エンタメOVO

-ネプトゥーヌス国王役の三宅さんはいかがでしょうか。人魚という設定の上に、娘と接するときと、それ以外では雰囲気がだいぶ違いますが。

三宅 ネプトゥーヌス国王は、「屈強で、威厳があり、でも娘に甘い」。最初にその3つのファクターを大事に、と伺いました。それを踏まえた上で、劇中ではステファンとチャオの前に立ちはだかる壁のような存在ですが、悪役ではないので、なるべく彼の中に正義があるように、ということを心がけました。全ては娘の幸せを願う気持ちから生まれる行為なんだと。

-キャラクターの魅力の一端が窺えるお話をありがとうございます。ところで、山里さんはアニメの声優はこれまでも何度か経験されていますが、どんな思いで取り組んでいますか。

山里 どんな仕事でも緊張はするものですが、最も緊張するのが声優のお仕事かもしれません。声優って、本当にすごい世界だと思うんです。親しくしている声優の山寺宏一さんや宮野真守さんからも、いろいろと話は聞いていますし。だから、僕には手の届かないすごい場所に参加させていただいた上、こんなすてきな役をいただき、申し訳ない、という気持ちもあります。でも、そうやって萎縮しすぎると、作品に迷惑をかけることになるので、どこかで自信を持って臨まなければいけないんですよね。そういう意味では、常に新人のつもりで参加させていただいています。

三宅 本業が声優の僕から言わせていただくと、山里さんはプロの声優としてのお仕事をされていると思います。ピタッとはまっていますし。

山里 もったいないお言葉です。仮にそうだとするなら、それは、そんなふうに僕を導いてくださったスタッフの皆さんのおかげですし、僕の入る隙間を与えてくれたシー社長というキャラクターの懐の深さです。

-三宅さんは、山里さんのように本業が声優でない方とご一緒することで、刺激を受ける部分もあるのでしょうか。

三宅  ものすごく刺激的です。正直言って、山里さんには悔しさすら覚えるくらいで(笑)。

山里 やめてください(笑)。

三宅 人間性そのものが声に乗るって、とても羨ましいことなんです。例えば僕は、二次元のキャラクターに声色を寄せていこうとする時があります。でも、そんなことをしなくても、ちゃんと成立するわけですから。それが本当にうらやましい。

山里 ポジティブに捉えていただき、ありがとうございます。

三宅 “山里亮太”の名が全国に知れ渡っていても、この作品で聞く限り、シー社長なんです。きっと皆さん、“声優・山ちゃん”として聞いてくれますよ。

山里 そんなことを言うと、山寺(宏一)兄さんに怒られますよ(笑)。でも、僕にとっての“いい映画”って、いつの間にか自分をその世界の住人にしてくれるような作品なんです。STUDIO4℃さんの作品がまさにそれで。この作品も、全シーン、全秒、全コマが本当にきれいで、すてきなんです。ちょっと見上げたら、チャオたちがいそうな絵力にあふれ、観客を没入させる力がある。だからこそ、見ている最中は、一瞬でも意識をほかに向けてほしくない。そういう意味で、シー社長を見ながら、僕の顔が浮かんでこなければいいな、と思っているんです。

三宅 その心配はないと思います。でも、山里さんのおっしゃるように、この作品を見ると、確かに街の活気が生き生きと伝わってきますよね。名もなき人たちまで、当然のようにそこにいて、人生を感じる描写がちりばめられている。いつもあそこにいる彼は、きっとこんな人生を送ってきたんだろうな…って。そういう空気を感じさせるように、街の描写にはかなりこだわっていますよね。

山里 人間と人魚が共に暮らす街の世界観も、すごく面白いですし。

-そういう世界観の中で、お2人の掛け合いをもっと見たくなります。

三宅 ここはひとつ、STUDIO4℃さんに頑張っていただき、われわれのスピンオフを作ってもらいましょう!(笑)

山里 短編「王と社長」を、ぜひお願いします!(笑)

-この作品は世界最高峰のアニメーション映画祭、アヌシー国際アニメーション映画祭2025で審査員賞を受賞していますが、その点を含めた喜びを改めてお聞かせください。

三宅 本当におめでとうございます、と拍手を送りたいです。「日本アニメ」という枠を超え、STUDIO4℃さんの作品自体が、映像作品として世界に通用するんだと知らしめた感もあり、とても心強いです。それだけ力のある作品に参加しているんだと胸を張らせてもらえる気もして、嬉しいです。

山里 僕も本当にうれしいです。ただ、こんな素晴らしい作品にかかわれただけで、そのうれしさはマックスの状態なんです。だから「受賞した」と聞いても、「当然だよね」としか思わなくて(笑)。それくらい素晴らしい作品なので、できるだけ多くの方にご覧いただきたいです。

(取材・文・写真/井上健一)

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