原嘉孝×いとうあさこ、timelesz加入後初の舞台主演に「timeleszを背負っています」 舞台「ドラマプランニング」【インタビュー】

2025年8月11日 / 08:00

-本作はドラマ制作の現場が舞台の物語で、いとうさんはドラマ主演俳優の癖のあるマネジャー役です。

いとう 役者さんのマネジャーさんについて正直知らないこともありますが、ある意味役者をよく見せたい、役者の魅力を伝えたいという芯は想像できます。ただ、名物マネジャーという役なので、たぶん年齢もかなり上で、マネジャー歴も長くて、「私で回っていますよ、この現場!」という圧みたいなものが絶対に出ていると思っています(笑)。それと、私と同じトレンディードラマに夢中だった世代だと思うので、ドラマ愛とか人間性が出せたらすてきだなと思っています。

-原さんは、ドラマ制作会社の若手プロデューサーという役についてどう思いますか。

 プロデューサーは重圧やお金の問題、それに人の間を取り持ったりといろいろな責任を問われる中で、いい作品ができたと思っても、それが評価されなければ、自分が評価されません。それはイコール次の作品を任されないということ。この役がきたときに今まで僕が出演していたドラマのプロデューサーさんの顔を思い浮かべて、僕が出演するにあたって何かしらの圧があったのかと想像したり、事務所のプッシュがあったのかと想像しています(笑)。

いとう 役者“原嘉孝”を見つけてくださったのだと思うよ。プロデューサーもきっと千差万別でいろいろいると思う(笑)。

 そうですね。本当にいろいろと思い浮かべています(笑)。僕にも山田ジャパンさんの舞台への出演がtimeleszに入る前から決まっていたということや、そのような繋がりがほかにもいくつかありながらも、timeleszに入ってから知ってくださる方もたくさんいて、全部に愛を感じています。山田ジャパンさんも愛があって、僕がtimeleszに入ってから知ってくださった方も愛がある。もしかして、今までの決まった仕事に事務所のプッシュがあったならば、それも愛だと思います。そのような要因をたくさん担っているのがこのドラマプロデューサーという役柄で、いろいろな問題があるということに直面すると思います。しかも若くて、初チーフ・プロデューサーです。

いとう 実年齢くらいだよね。せめてやる気は絶対にあってほしい(笑)。そんな若いプロデューサーが流してほしくはない(笑)。なので、そのプロデューサーがマネジャーとどう対立するかというところが見どころです。

いとうあさこ(左)と原嘉孝(C)エンタメOVO

-上演劇場が下北沢の本多劇場ですが、下北沢という街や本多劇場に対する思いはありますか。

いとう 本多劇場の横にある小劇場 楽園が山田ジャパンの旗揚げの劇場で、山田と羽鳥(由記)の3人で、「いつか本多劇場に立ちたいね」と話したことがありました。2021年に山田ジャパンの舞台「優秀病棟 素通り科」で一度だけ本多劇場に立ちましたが、私は小屋入りから泣いていました(笑)。山田と(劇場内で)写真を撮りながら「やっとここまでたどり着いた!」などと言っていましたが、コロナ禍のために一席おきでしか客席が解放できなくて、みんながマスクをしなければならなくて。本多劇場に立てた喜びも大きかったんですが、完成形をまだ見られてないので、そういう意味では今回はヤバイです。

 それはヤバイですね。

いとう 初の本多劇場という喜びとはまた別に、満席の本多劇場が初なので、そこから見た風景はどんな気持ちになるんだろうかと、それが今から震えるぐらいうれしいです。そういう意味では今回の本多劇場は超スペシャルです。

 僕は演劇を始めた当時はジュニアで、仕事が多いわけでもなかったので、お金がありませんでした。そのような状況で、舞台のお仕事が入ったから勉強しようと、当日券で下北沢の小劇場を回っていました。当時は3000円くらいで見ることができたので、1人でメモ帳を片手に見に行っていました。

いとう 何を書いていたの?

 本当に演劇のことが分かっていなかったから、「この役者さんのこのペットボトルの飲み方が良かった」とか、役者さんの演技に違和感があれば、なぜ違和感を覚えたのかを、殴り書きでメモ帳に書いて、終演後に見直すということをしていました。それが僕の演劇の始まりで、その始まりの場所が下北沢でした。でも、本多劇場は3000円で見ることができないので、その当時は行けませんでしたし、どの役者の先輩に聞いても「本多劇場って、ちょっと特別だよね」とおっしゃっていたので、僕の中でも本多劇場に対する思いが募ってきています。そして、本作で初めて本多劇場に立ちます。

いとう 千秋楽に2人で泣いているかもね(笑)。

 (笑)。しかも、僕は数年前まで下北沢に5年間ぐらい住んでいたんです。下北沢はアーティスティックな街で、その夢を追う人が集まる街という憧れと執着もあります。

(取材・文・写真/櫻井宏充)

山田ジャパン2025年9月公演「ドラマプランニング」は、9月26日〜10月5日に都内・本多劇場で上演。

いとうあさこ(C)エンタメOVO

山田ジャパン2025年9月公演「ドラマプランニング」

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

ハリウッド・リメイク決定!インド発ノンストップ・アクション!「日本の皆さんにも楽しんでいただけるはず」ニキル・ナゲシュ・バート監督『KILL 超覚醒』【インタビュー】

映画2025年11月13日

-その結果、完成したこの映画では、強盗団が使う刀やナイフのほか、列車備え付けのシャッターや消火器、乗客の荷物など、一見武器になりそうにない身近なものを使った多彩なアクションが見所です。そういうアイデアはどこから生まれたのでしょうか。  私は … 続きを読む

上白石萌歌「小さなお子さまから大人の方まで幅広く届いてほしいと思います」『トリツカレ男』【インタビュー】

映画2025年11月11日

-ジュゼッペ役の佐野晶哉さんの印象はいかがでしたか。  ご一緒するのは今回が初めてでした。先に佐野さんの声が吹き込まれている状態でアフレコをさせていただきましたが、1日だけ一緒にお芝居ができた日がありました。その時に、第一声から本当に迷いな … 続きを読む

八木莉可子「相反する二面性をどちらも大切にしたい」「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」【インタビュー】

ドラマ2025年11月10日

 草なぎ剛主演の月10ドラマ「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜午後10時)。第3話で強烈なインパクトを残したゆずは(八木莉可子)の母(雛形あきこ)が、再びHeaven’s messenger … 続きを読む

目黒蓮が抱いた“継承への思い” 妻夫木聡、佐藤浩市から受け取った“優しさ”と俳優としての“居住い” 日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」【インタビュー】

ドラマ2025年11月9日

-目黒さんらしさを出しつつ、ドラマを見ている皆さんにも分かりやすいナレーション的なニュアンスでしょうか。  それもありますが、そこにただ声を当てているだけではなくて、後々に明かされてくる別の意味もある、といったようなストーリーを自分の中で組 … 続きを読む

堤真一、三宅唱監督「実はこういうことも奇跡なんじゃないのということを感じさせてくれる映画だと思います」『旅と日々』【インタビュー】

映画2025年11月6日

-シム・ウンギョンさんを演出してみていかがでしたか。 三宅 よくバスター・キートンの映画の話をしていたので、ある種の軽やかさをお持ちなんだなと思いました。それはウケを狙うということではなくて、徹底的に真剣なんですけど、それが重くなるのではな … 続きを読む

Willfriends

page top