エンターテインメント・ウェブマガジン
コラボレーションに関しては、クリントから学んだことが多いです。彼は、全てをマネジメントしようとはせず、むしろ他の人がどんなアイデアを持っているのかを見ることを大切にしていました。私の場合も、プロダクションデザイナーや撮影監督、俳優たちが「こうしたらどうだろう」と提案してくれることがあり、そのアイデアが私が考えていたものよりもはるかにいいことがよくあります。その意味で、計画を持っていることは大切ですが、他のアイデアがあれば耳を傾けるようにしています。クリントとリーアムの似ている点は、非常に無駄がないというか、必要なことが分かっているところです。やることが分かっていて無駄がないから、2人ともあれだけの本数の映画に出たり撮れたりするのだと思います。私自身も映画製作の現場はとても楽しいし、仕事自体がとても好きなので、そこが私たち3人の共通点だと言えます。
実際の脚本も女性の設定です。実は『セイ・ナッシング』(何も発しない)という本がありまして、これは事実に基づいた話で、主人公が実在したIRAの女性兵士なんです。脚本はちょっと彼女の人生をなぞらえた部分があるのではないかと思いました。そのこともあって、この脚本は非常に信ぴょう性があると感じました。
まさにそうした相反する要素がキャラクターに深みを与えている部分だと思います。主人公が映画の終盤で「皆のすることにはそれぞれ理由がある。それぞれの正義がある」と語るように、行動の裏には理由があるとして、それぞれの行動を正当化しているわけです。でも、何が正しいのかということはどこから見るかによって変わってくると思います。白黒がつけられない部分がこの映画を非常にリアルにしている要素であって、多層的であり、一筋縄ではいきません。ですから、さまざまな視点とタイトルがそれを象徴しています。ただ、アイルランドを表現する時に使う、「聖人と学者」という知識を持っている人の土地とする言い方をちょっとひねって、「罪深い者」というふうに変えています。
リーアム・ニーソンが日本でもとても人気があるというのは私も知っていますが、果たして日本の人たちがこの映画に共感してくれるのか、どう受け取ってもらえるのかというのは、非常に興味があって気になるところです。私は映画を見て知らない世界のことを垣間見るのがとても好きです。ですから、日本の皆さんも、遠く離れたアイルランドのことを、この映画を通して経験して、この時代にここに住んでいたのはどういう人たちで、どんな気持ちを持って暮らしていたのだろうかと思いをはせていただければと思います。その時代の雰囲気や文化、景色の美しさなどを堪能してもらえたらうれしいです。
私がその言葉を発することができたらよかったのにと思いました。素晴らしい表現です。サンキュー。
(取材・文/田中雄二)

演出中のロバート・ロレンツ監督(左)
映画2026年2月21日
『クライム101』(2月13日公開) 米西海岸線を走るハイウェー101号線上で、数百万ドルの宝石が消える強盗事件が多発。デービス(クリス・ヘムズワース)の4年間にも及ぶ犯行は完璧だったが、犯罪組織からの追跡や警察内部の陰謀、そしてルー刑事 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2026年2月19日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼相撲 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2026年2月19日
小林聡美が主演する舞台「岸辺のアルバム」が、4月3日から上演される。本作は、数々の名作ドラマを世に残した山田太一が原作・脚本を務め、1977年に放送された連続ドラマを舞台化。一見平和で平凡な中流家庭の崩壊と再生を描く。ドラマでは八千草薫が … 続きを読む
ドラマ2026年2月17日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=藤吉郎/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。2月15日に放送された第6回「兄弟の絆」 … 続きを読む
映画2026年2月16日
-本作を経験して、2時間サスペンスの魅力をどのように感じましたか。 名取 普遍的な人間の心情を描きながらも、泣いて、笑って、手に汗握って、リラックスしながら見られるところが一番の魅力ですよね。「何番目に名前が出る俳優が犯人だ」とか、だいたい … 続きを読む