ラミ・マレック、レイチェル・ブロズナハン「主人公はいわゆるスパイスリラーには出てこないようなキャラクター」『アマチュア』【インタビュー】

2025年4月11日 / 08:00

 戦闘や暗殺については全くの素人であるCIA職員の男が、妻を殺したテロリストへの復讐(ふくしゅう)に乗り出す姿を描いたアクションサスペンス『アマチュア』が、4月11日から全国公開される。本作で内気な愛妻家の主人公チャーリー・ヘラーを演じたラミ・マレックと妻のサラを演じたレイチェル・ブロズナハン。来日した2人に話を聞いた。

(左から)ラミ・マレック、レイチェル・ブロズナハン(C)エンタメOVO

-最初に脚本を読んだ時の印象は?

ラミ 脚本の初稿はいろいろと盛り込んだものではなかったのですが、逆にそれがよかったと思います。というのは、今回はプロデューサーでもあったので、プロデューサーとして本気でこの企画と向き合うことになったからです。それからしばらく考えて、脚本を大幅に改訂しました。基本的に目指したのはオーセンティックでリアルなもの、そして共感できるものです。スパイスリラーものにアクションはつきもので、アクションシーンはちょっと誇張されたハイパーリアルなものになるのは分かっていましたが、キャラクターやストーリー面においてはリアルにすることをとても大事にしました。

レイチェル 私が読んだ脚本はほぼ完成したものでした。それを読んでチャーリーのストーリーにとても感動しました。彼はいわゆるスパイスリラーには出てこないようなキャラクターですが、彼が喪に服す旅をしながら、そのパッケージとしてすごく大きなアクションがあって、アドベンチャーがあって、そして世界中を回ってのいろんなスタントがある。けれども、キャラクターがしっかり真ん中にいるところが、私も含めて観客の方がしっかり見て取れるところがすごくいいと思いました。

-ラミさんがレイチェルさんをこの映画に誘ったと聞きましたが。

ラミ 彼女の人間性はもちろん、その仕事ぶりや能力についても以前から最高の敬意を払ってきました。だからそんな彼女に声を掛けることは、ドキドキしてナーバスになります。恋愛的な意味で声を掛けるのと同じように、断られる可能性もあるわけですから。でも、共演の可能性をつぶしたくはなかったので、声を掛けずにはいられませんでした。その結果、この作品ができて、来日して、こうしてお話しすることができました。

レイチェル 私も彼に対しては、以前から人間としても俳優としても敬意を払ってきました。そして、いつか一緒に仕事がしたいねと何年も言っていました。なので、この業界で才能を発揮しながら、すごく親切で、とても心が広いこの人がやりたいと思ってること、すごく情熱を抱いているプロジェクトの一部にぜひなりたいと思って、すぐにイエスと言いました。この映画ができたこと自体が奇跡だと思います。特に今回のラミのように俳優がプロデューサーをやる時は、他の俳優や監督や脚本家と話をするのにもすごく緊張すると思いますが、彼はいくつもの役割を見事にこなしていて、それを見てインスピレーションを受けました。彼は今回すごく大胆な動きをしたと思います。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

上白石萌歌「小さなお子さまから大人の方まで幅広く届いてほしいと思います」『トリツカレ男』【インタビュー】

映画2025年11月11日

 何かに夢中になると他のことが目に入らなくなってしまうジュゼッペ(声:佐野晶哉)は、街の人々から「トリツカレ男」と呼ばれている。ある日、ジュゼッペは、公園で風船売りをしているペチカに一目ぼれし、夢中になるが…。作家・いしいしんじの同名小説を … 続きを読む

八木莉可子「相反する二面性をどちらも大切にしたい」「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」【インタビュー】

ドラマ2025年11月10日

 草なぎ剛主演の月10ドラマ「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜午後10時)。第3話で強烈なインパクトを残したゆずは(八木莉可子)の母(雛形あきこ)が、再びHeaven’s messenger … 続きを読む

目黒蓮が抱いた“継承への思い” 妻夫木聡、佐藤浩市から受け取った“優しさ”と俳優としての“居住い” 日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」【インタビュー】

ドラマ2025年11月9日

 日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」への出演発表時、“物語の鍵を握る重要な役どころ”という情報のみだった目黒蓮演じる謎の人物。そこから約2カ月、11月2日放送の第4話でようやくその正体の一端が解禁された。男の名は中条耕一、佐藤浩市演じる山王 … 続きを読む

堤真一、三宅唱監督「実はこういうことも奇跡なんじゃないのということを感じさせてくれる映画だと思います」『旅と日々』【インタビュー】

映画2025年11月6日

 三宅唱監督が脚本も手掛け、つげ義春の短編漫画『海辺の叙景』と『ほんやら洞のべんさん』を原作に撮り上げた『旅と日々』が11月7日(金)から全国公開される。創作に行き詰まった脚本家の李(シム・ウンギョン)が旅先での出会いをきっかけに人生と向き … 続きを読む

【映画コラム】俳優同士の演技合戦が見ものの3作『爆弾』『盤上の向日葵』『てっぺんの向こうにあなたがいる』

映画2025年11月1日

『爆弾』(10月31日公開)  酔った勢いで自販機を壊し店員にも暴行を働き、警察に連行された正体不明の中年男(佐藤二朗)。自らを「スズキタゴサク」と名乗る彼は、霊感が働くとうそぶいて都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告する。  やがてその言葉 … 続きを読む

Willfriends

page top