朝ドラ「ばけばけ」クランクイン!主演の髙石あかりは「良さが発揮されている」制作統括が語る撮影の舞台裏

2025年4月10日 / 11:00

 4月9日、2025年秋からスタートするNHKの連続テレビ小説「ばけばけ」の取材会が行われ、制作統括を務める橋爪國臣氏が、3月25日にクランクインした現場の様子などを語ってくれた。

(C)NHK

 「ばけばけ」は、「怪談」で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の妻・小泉セツをモデルにした松野トキを主人公に、急速に西洋化が進む明治の日本の中で、埋もれてきた名もなき人々の心の物語に光をあて、代弁者として語り紡いだ夫婦の物語となる。

 主人公・松野トキを演じるのは、2892人の中からオーディションを経て抜てきされた髙石あかり。4月2日に京都市内でクランクインした髙石の様子を橋爪氏は、「ベテランのキャストに囲まれて委縮することなく、思った通りの彼女の良さが発揮されている」と紹介。

 髙石の芝居については「ちゃんと(役を)生きているのが分かる。あまりに自然で、演技か、演技でないのかわからず、芝居をしているように見えない」と絶賛。その演技があまりにリアルだったため、「演技だと気付かなかった人が、途中で止めてしまった」という現場で起きたハプニングも明かしてくれた。

 さらに、「やはり、ふじき(みつ彦/脚本家)さんの脚本を体現できるのは彼女だった。選んでよかった。正直、彼女に助けられている部分がたくさんある」と語り、早くも信頼を寄せている様子。身近に接する中で目にした髙石の素顔についても「食べることが大好き。いろんなことに興味を持ち、アンテナが広い。そういうところが、芝居の深みにつながっている」と語ってくれた。

 一方、小泉八雲をモデルにしたトキの夫ヘブン役に抜てきされたトミー・バストウは、話題作「SHOGUN 将軍」など、世界の第一線で活躍する実力派俳優。それゆえ、オーディションのときも「実力が圧倒的だった。この人しかないと、みんなで一致」と起用の経緯を振り返った。さらに「人柄も素晴らしく、誰もが彼のとりこになる」と語り、人間的魅力も兼ね備えている様子がうかがえた。

 バストウの役作りについても、「ここまで役作りをする人はめったに見ない」と驚いた様子で、「われわれが知らない(小泉八雲に関する)アメリカ時代の小さな新聞記事から書籍まで読み込んでいる。この役をやるために自分の体をこう変えなければいけない、こういう歩き方を身につけなければいけない。とこだわっている」と語る言葉からも、その実力の一端がうかがえた。また、日本語が流ちょうなバストウは、監督とも通訳なしでコミュニケーションを取る一方で、「来日当初の八雲のカタコトの日本語のしゃべり方にもこだわっている」らしい。

 夫婦役を演じる髙石とバストウのコンビについても「生で会話しているようなせりふのやりとりができ、一方的な芝居にならない。相性がいい」とたたえた。

 そんな2人が活躍する作品の狙いを橋爪氏は「今、時代が混とんとする中で、うまくいかなかったり、取り残されたりする人がたくさんいる。そういった人たちの生きざまを描くドラマにしたい」と語った。

 これを踏まえた作品の内容については、「明治の空気感や人々の感じをリアルに出していきたい」ということで、「映像や美術の感じは、普段の朝ドラのテイストとは少し違う感じになっている」らしく、「今まで見たことのない朝ドラになるのでは」と意気込んだ。

 主人公トキのモデルとなった小泉セツについては、「ラフカディオ・ハーンと出会ったことで最終的には有名になるが、有名になる前の彼女に引かれた。時代に翻弄(ほんろう)された普通の人としての姿を描きたい」とのこと。

 それゆえ、主人公トキのキャラクターも「弱いところもあるし、張り切って進んでいかなきゃ、という人でもなく、いろんなことに翻弄されながら生きていく普通の人」ということで、視聴者にとって今まで以上に身近な存在となりそうだ。同時に、「髙石さんの持ち前の明るさがあるので、暗いシーンでも暗くなり過ぎない。そこが彼女の良さ」と、髙石ならではの魅力も語ってくれた。

 またこの日は、トキの幼少期を演じる福地美晴の出演も発表された。橋爪氏は福地について「すごく考えているが、芝居をすると考えたように見えないところがすごい。子役っぽくない芝居ができる大人の役者」と評価。劇中では一緒になることがない髙石とのやりとりについても「姉妹のようで、ほほえましく、仲良くやっている」と目を細めていた。

髙石あかり、(手前は)松野トキの少女期を演じる福地美晴(C)NHK


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

富田望生「とにかく第一に愛を忘れないこと」 村上春樹の人気小説が世界初の舞台化【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月30日

 今期も三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」に出演するなどドラマや映画で注目を集め、舞台やさまざまなジャンルでも活躍する富田望生。その富田が、2026年1月10日から上演する舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダ … 続きを読む

【映画コラム】実話を基に映画化した2作『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』『栄光のバックホーム』

映画2025年11月29日

『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』(12月5日公開)  太平洋戦争末期の昭和19年。21歳の日本兵・田丸均(声:板垣李光人)は、南国の美しい島・パラオのペリリュー島にいた。漫画家志望の田丸はその才能を買われ、亡くなった仲間の最期の雄姿を遺族 … 続きを読む

氷川きよし、復帰後初の座長公演に挑む「どの世代の方が見ても『そうだよね』と思っていただけるような舞台を作っていきたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月29日

 氷川きよしが座長を務める「氷川きよし特別公演」が2026年1月31日に明治座で開幕する。本作は、氷川のヒット曲「白雲の城」をモチーフにした芝居と、劇場ならではの特別構成でお届けするコンサートの豪華2本立てで贈る公演。2022年の座長公演で … 続きを読む

岸井ゆきの「夫婦の“切実さ”が描かれている」宮沢氷魚「すごくやりがいがありました」すれ違っていく夫婦役で初共演『佐藤さんと佐藤さん』【インタビュー】

映画2025年11月28日

 大学で出会った佐藤サチと佐藤タモツはたちまち意気投合し、一緒に暮らし始める。ところが卒業後、弁護⼠を⽬指すタモツは司法試験に失敗。独学を続けるタモツに寄り添うため、サチも司法試験に挑むが、数年後、合格したのはサチだった。結婚、出産を経て弁 … 続きを読む

28歳で亡くなった阪神タイガースの元選手の実話を映画化! 松谷鷹也「横田慎太郎さんのことを知っていただきたい」前田拳太郎「誰かの背中を押す作品になるはず」『栄光のバックホーム』【インタビュー】

映画2025年11月28日

 プロ野球、阪神タイガースの将来を担う選手として期待されながらも、21歳で脳腫瘍を発症して引退、その後も病気と闘いながら講演会活動などを続け、2023年に28歳で亡くなった横田慎太郎の生きざまを描いた『栄光のバックホーム』が、11月28日か … 続きを読む

Willfriends

page top