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劇中で吉原の大通りに使われた大きなスタジオで、「べらぼう」全体でも、上位に入るだろうという大規模な撮影でした。そういう撮影で大文字屋隊の先頭を任せていただけたことが、うれしかったです。実際の俄祭りは30日間続くので、日によって踊る速さが異なったり、扮装(ふんそう)が変わったりと、何パターンも撮る必要があり、真夏の暑い時期にみんなで水分補給しながら何十回と踊りました。先生からは、「正しく踊ろうと思わず、気持ちでいけば、多少リズムがずれてもそれが味になるから」とアドバイスをいただいて。だから、思い切り自分の気持ちに乗せて踊っていたら、途中で「さすがに今のはずれ過ぎです」と注意されてしまいました(笑)。
お芝居とはいえ、戦う相手なので「絶対に負けないぞ!」と強い気持ちを持って踊りました。それでも、次第に疲れてくると、お互いに「頑張ろうね」と声をかけあうようになって。最後は一緒に「いいものが作れた」という達成感を得て撮影を終えました。
大文字屋と若木屋が火花を散らして戦っている緊張感を、次郎兵衛が相変わらずの調子でいい具合に中和してくれます。そこは、蒼くんの人柄と次郎兵衛の役柄のたまものですね。撮影のときも蒼くんは、みんなが疲れている中でもニコニコ笑っていて、現場の空気を和ませてくれました。ただ、踊りの練習のとき、蒼くんは「難しい。全然できない」と言っていたのに、本番は完璧に仕上げてきたんです。彼はきっと、みんなの前で「勉強してない」と言いながら、テストで100点を取るタイプですね(笑)。
歴史上の有名な合戦はこれまで大河ドラマで何度も描かれてきましたが、今回のように吉原の俄祭りがこれほどのスケールで描かれるのは、めったにない貴重な機会ではないでしょうか。だから、今までにない形で盛り上がってくれることを期待しています。
クランクインの頃は流星くんとも初対面で距離がありましたが、撮影が進んだ今は、すっかり打ち解け、仲良くやっています。
女郎の現実はつらく悲しいことばかりで、お世辞にも吉原は「最高だ」と言える世界ではありません。でも、そんな世界でもときには手放しで「気持ちいい!」と感じる瞬間があってもいいんじゃないかなと。第12回はそういう物語になっているので、視聴者の皆さんにも全力で楽しんでいただけたらうれしいです。
(取材・文/井上健一)

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