エンターテインメント・ウェブマガジン
はい。悔しさしかなかったですね。ダークサイド側の人間だったので、本当に性格が悪かったです(笑)。だって、当時、「若手俳優が僕だけだったら、全部出演することができるのに」なんて思っていましたし、それに対して友達が本気で注意してくれて考え直したんです。僕が悪いんだって。でもそういったことを、同一世代で同じような境遇で頑張っている人たちに話すと、「いや俺もそうだったよ」という人が多いので、そういった反骨心って大事なんですよ。ただ。それが吉と出るか凶と出るかというのは、外に向くか自分に向けられるかの違いだと思うんです。人のせいにしないというところに行けるかどうかで、自分を変えられるかどうかが決まる。そう考えると、欲深さとか愛されたいという承認欲求とか、いろいろと屈折した部分をジョーカーに乗っけて映画にしているのはすごいと思いました。
ジョーカーのように思って生きている人たちって結構いると思うんです。何で恵まれないんだとか、なんでこんな人生を生きなきゃいけないんだとか、そうやって不満をどんどんと広げていくと、そういうふうに思っている人たちって、結果ジョーカーになり得る可能性があると思っていて、そういう人って少なくないんじゃないかなって。だから、「ジョーカー」に対して、いろいろと賛否があり、「こうでなきゃいけない。こうなってはいけない」という人たちと、「いや、この気持ちは分かる」という人たちが争う構図になる。そうやって「ジョーカー」って作られていくと思うので、本当に怖い映画だなと思います。でもやっぱり出会いが重要になってきますね。何かあった時に、誰が自分を正してくれるかという。
ジョーカーってこうだよねっていうものがない。いろんな見方ができると思います。だから『ジョーカー2』を見て、誰が何を言っているとかではなくて、みんなが盛り上がって、どう語られていくのかが一番興味深いです。僕が思っていることも正解ではないと思いますし。でも、こうしてジョーカーのことを考えている時点で、もうすでに彼の思うつぼだと思います。それはジョーカーが生き続けているということなので。めちゃくちゃ心のきれいな人たちがこの映画を見たらどう思うのかとかにも興味がありますね。
(取材・文・写真/田中雄二)
(C) & TM DC (C) 2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
ドラマ2025年8月16日
-そんな魅力的な蔦重を演じる横浜流星さんの座長ぶりはいかがでしょうか。 横浜さんは、蔦重さんをどう演じるか、常に誠実に真面目に考えていらっしゃいます。そういう空気がスタッフやキャストにも伝播し、しっかり取り組もうという空気感が現場全体に生 … 続きを読む
映画2025年8月15日
-ネプトゥーヌス国王役の三宅さんはいかがでしょうか。人魚という設定の上に、娘と接するときと、それ以外では雰囲気がだいぶ違いますが。 三宅 ネプトゥーヌス国王は、「屈強で、威厳があり、でも娘に甘い」。最初にその3つのファクターを大事に、と伺い … 続きを読む
映画2025年8月14日
-リアム・ヘムズワースとラッセル・クロウを演出してみていかがでした。 2人とも自分が演じるキャラクターを見いだすための努力を惜しまず、そのキャラクターの中にある真実や誠実さを見つけてくれます。さらにそのキャラクターにエンタメ性や楽しさも持 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年8月14日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼みなさん、こんにちは 日本の伝 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年8月11日
-本作はドラマ制作の現場が舞台の物語で、いとうさんはドラマ主演俳優の癖のあるマネジャー役です。 いとう 役者さんのマネジャーさんについて正直知らないこともありますが、ある意味役者をよく見せたい、役者の魅力を伝えたいという芯は想像できます。た … 続きを読む