平野綾「毎日、生きるのが楽しくなる」 ハラスメント社長に反撃する姿を描いた痛快ミュージカル「9 to 5」【インタビュー】

2024年10月3日 / 08:00

-平野さんが演じるドラリーというキャラクターは、どのようにとらえて演じていますか。

 ドラリーはその見た目とは真逆で、仕事にとても真面目に取り組んでいて、とても努力家です。これまでいわれのないことで疑われたり、同じ職場の人から変な噂を立てられて誤解されたりすることが多かったのですが、彼女自身はそれをすごく気にしているというわけでもなく、受け止めてしまえるくらい器が大きい人です。自分のことをみんなに知ってほしいのではなく、私は私だからといって生きていける強さを持っています。3人がチームを組んだことで、ようやく心から信頼できる友達や仲間ができますが、それでも彼女は自分のスタンスを変えません。ですが、仲間ができたことによって、強さは増したのかなと思います。それまでは一人で戦っていましたが、仲間と一緒に戦えることで、安心して立ち向かえるようになった。そこがすごく彼女らしい部分で私はとてもいとしいなと演じていて思います。

-ところで、平野さんは声優やアーティストなど、幅広く活躍されていますが、舞台に出演することにはどのような思いがあるのですか。

 私は、元々ミュージカルがやりたいという思いから業界に入ったんです。10歳のときに児童劇団に入って、そこから芸歴がスタートしているので、ようやく今、舞台を軸に活動できているなと感じ、人生で1番楽しい時間を過ごさせてもらっていると思っています。もちろん、声優のお仕事も歌のお仕事もとっても大切です。今の私がここにいさせてもらえるのは、それらの経験があったからこそですし、大切さの度合いという意味ではどのお仕事も同じです。それぞれ大好きで、それぞれ大切な現場です。

-仕事をしていく上で、変わらない信念や自分の中で軸としている思いは?

 「自分以外の人になりたい。自分以外の人の人生を歩みたい」と子どもの頃に思ってお芝居を始めたので、とにかくいろいろな役を演じたいと思っています。昔はコンプレックスが強かったので、自分ではない誰かになれるということが救いでもありました。だからこそ、演じているときに平野綾だと気付かれたくないというところがあります。今、幅広い役を演じさせていただいていますが、見終わるまで「あれ、平野綾だったの?」と気付かれないお芝居がしたいと思っています。

-今後の夢や目標は?

 どのジャンルから私を知っていただいたかによって、皆さん、持たれているイメージが違うと思います。なので、それがいつの日か一つにまとまって、「平野は平野だからいいよね」と言い合っていただけるような機会があったらうれしいです。そのためには、自分の活動の幅をさらに広げていかなくてはと思うので、年齢などにとらわれずに、自分が思った通りに突き進んで、できるだけ多くの皆さんに知っていただいて、「面白いな」とか「この人を見ていたら毎日を楽しく生きられるヒントもらえた」と思っていただけるような役者になりたいです。

(取材・文・写真/嶋田真己)

 ミュージカル「9 to 5」は、10月6日~21日に都内・日本青年館ホールほか、大阪、福岡、静岡で上演。

ミュージカル「9 to 5」

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

山崎育三郎「一番、自分に近い存在」 ミュージカル「ファインディング・ネバーランド」が伝える「解釈力」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年10月31日

-改めて、この作品の魅力はどんなところにあると感じていますか。  僕は、生きていく中で「解釈力」が大事だなと思っています。生きているといろいろなことが起きますよね。大変な状況や苦しいこと、大失敗もある。でも、起こった事実は変えられなくても、 … 続きを読む

【映画コラム】10月の公開映画から

映画2026年10月31日

「クジラに落ちた男」(16日公開)★★★ 父を知り、父を乗り越える  巨大なマッコウクジラに丸のみにされた17歳のジェイ(オースティン・エイブラムス)が、亡き父の教えを頼りに脱出を図る。ブライアン・ダッフィールド監督が描くのは、「ピノキオ」 … 続きを読む

柳楽優弥「川栄さんと真剣に作品に向き合ってきた」川栄李奈「柳楽さんを信頼しています」共演4度目の2人が伝説的作品に挑む『RYUJI 竜二』【インタビュー】

映画2026年10月30日

-以前お話を伺った際、柳楽さんはご自身のお芝居について「以前は自分を役に寄せていくやり方をしていたが、『浅草キッド』の後からは、自分のパーソナルな部分を役に反映させて演じるようにしている」というお話をされていました。今回、竜二という役に対し … 続きを読む

横浜流星に「流星をよろしく」の声続々 『国宝』脚本家・奥寺佐渡子が「LOST10」で感じた愛される人柄【インタビュー】

ドラマ2026年10月30日

-小駒と直の掛け合いで工夫したことはありますか。  小駒と直は年齢も職業も育ちも違い、仲良くなれる要素も、バディになれる要素も全くないと思ったので、まず2人の共通点を考えました。刑事も保険調査員も、被害者や遺族が一日でも早く安心できるように … 続きを読む

桐谷健太、「聖地X」で5年ぶりの舞台に挑む 「きっといろいろな刺激を受け、新たな感覚に出会える」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年10月30日

-5年前の「醉いどれ天使」以来の舞台出演となりますが、舞台にまた立ちたいという思いはずっとあったのですか。  お話をいただけるならと思っていました。ただ、役者は見てくださる方がいて、やりましょうとおっしゃっていただいてできるので、舞台に立つ … 続きを読む

page top