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1951年にブロードウェイで初演されて以来、脈々と演じ継がれる不朽の名作ミュージカル「王様と私」が、北村一輝と明日海りおのW主演で上演される。19世紀後半のシャム(現タイ)を舞台に国籍・文化・身分を超えた信頼と愛を描く本作は、「Shall We Dance?」をはじめ、名曲の数々がストーリーを盛り上げ、長きにわたって愛されてきた。宝塚歌劇団を退団して以降、舞台だけでなく、テレビほか映像においても活動の場を広げる明日海に、本作への意気込みや初共演となる北村の印象などを聞いた。
明日海りお(ヘアメーク:中村未幸/スタイリスト:大沼こずえ(eleven.) (C)エンタメOVO
とてもクラシカルで、ミュージカルファンなら誰もが知っている作品で、(メーンナンバーの)「Shall We Dance?」も聞いたことがない人がいないくらいポピュラーな楽曲ですが、 そういう作品こそ、技術や演じる人の持っている魅力が問われると思います。なので、私に務まるんだろうか、大丈夫かなという思いはありますが、小林香さんが新しく演出をしてくださり、新たに翻訳も訳詞も書いてくださって、王様役を北村さんが演じてくださることで、新しいケミストリーが生まれるのではないかととても楽しみにしています。
今の社会においても、私と同い年の女性が、夫を亡くして、息子1人連れて海外で仕事を始めると聞いたら、すごい決断をされたんだなと感じると思います。それを海外にも船で行くような時代に、文化も違う国へ家庭教師として雇われて行くことを決めたアンナは、とても勇気がある人だと尊敬します。日本人の感覚で見ると、イギリス人のアンナは慇懃無礼(いんぎんぶれい)なところがあったり、王様に対しても自分の意見をはっきり言ったり、最先端をいく人なのだろうという感覚があります。でも、人はどう扱われるべきかといった理想をしっかりと持っていて、子どもに対してはとても愛情深い人です。それは、亡くなった夫のトムに愛されていたからだと思います。だからトムを亡くした後も、自分のすべきことを新しい場所でする勇気が持てた。その熱意と愛があるからこそ、王様と渡り合う度量が生まれるのだと今は考えています。
共感というよりは、すごいなと思うばかりです。もし、私だったら、夫が亡くなったら、そこからふさぎ込んでしまうと思いますし、なかなか異国の男性に囲まれて自分の意見をはっきりと伝えることはできないと思います。なので、本当に強い精神力の持ち主なのだろうと思います。ですが、だからと言ってキツさを感じさせる女性にはしたくないです。朗らかなところもあって、人間的な大きさもある人だと思いますし、王様と渡り合えるくらいなのでユーモラスな部分もたくさんあると思うので。すてきな方だなと思います。
映像の世界で長く活躍されていらっしゃって、お芝居に対してすごく熱い方だと色々な方から聞いていたので、こだわりをたくさんお持ちでいらっしゃるのかな、怖かったらどうしようなんて思っていたのですが、実際にお会いしたら、明るくてたくさんお話ししてくださる方で、とてもリラックスできました。今は甘えさせていただいています。本当に優しいんです。ポスター撮影の時にも、カメラマンさんから指示をいただくと、「そう言われると違うことしたくなっちゃうな」と笑いながらおっしゃるようないたずら心もお持ちで。そうして現場を盛り上げるお姿からも、きっとお客さまに喜んでいただくのが一番だという精神をお持ちなのだろうなと感じて、お稽古が楽しみです。私もそこを目指して自由に伸び伸びと演じさせていただくことが、より良い舞台につながっていくのかなとは考えています。
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