「僕たちがこれだけいろいろと頑張ったんだから、とりあえず見てくれ」(笑) 山寺宏一、伊瀬茉莉也『ビートルジュース ビートルジュース』【インタビュー】

2024年9月26日 / 17:47

-今回の吹き替えをしながら、苦労した点、楽しかった点、心掛けたことなどを。

山寺 一番苦労したのは全身吹き替えですけど(笑)。声の方ではもちろんビートルジュースは初めてだったので、どうやったら日本語吹き替え版を見に来るお客さんに楽しんでいただけるかということを考えました。字幕版と両方見る方もいるので、全く違ってもいけないし、違和感があってもいけないし、そこが難しいところです。マイケル・キ―トンをやるのは初めてじゃないけど、ビートルジュースを演じている彼をやるのは初めてだったので、冒頭のシーンはどういうテンションがいいのかとか、ディレクターといろいろと相談をしました。あとは、いくつかのパターンをやってみて、どれが面白いのかを判断してもらうこともありました。やっぱりこの仕事は、難しければ難しいほど楽しいです。ただ、うまくできたというのは自己満足で、あとは観客の皆さんの評価なので、そこでまた落ち込む可能性はありますけど、やっている時は楽しかったです。

伊瀬 ジェナ・オルテガさんの吹き替えを担当させていただいたのは今回が2作目でした。ディレクションの時に、もっとリアルにティーンエージャーの揺れている感じを出してほしいみたいに言われました。劇中のせりふで「リアルに生きろ」というのがありますが、まさにそれだなと。出てくるのはこの世のものではないキャラクターばかりだけど、アストリッドは生身の人間ということで、結構ディスカッションをして、キャラクターを固めるのにちょっと時間がかかりました。そこが難しくもあり、楽しいところでもありました。

-マイケル・キートンにはどんなイメージを持っていますか。

山寺 捉えどころが難しい。コメディーもシリアスな役もやって、そんなに派手な芝居をするわけじゃない。独特な感性を持っていると思うので、他の人とはちょっと違う感じがします。作品によって印象がガラッと変わりますしね。どちらかといえば静かな芝居が多い。多分、オーバーな演技とかあざといのが嫌いなんだろうなと思います。でも、ビートルジュースは振り切って思いっ切りやっているじゃないですか。だからいろんな引き出しを持っている人なんだなと改めて感じました。

-映画を見た感想や見どころも含めて、観客に向けて一言ずつお願いします。

伊瀬 ティム・バートン監督の世界観がドドーンと出ている作品になっているので、前作を見たことがない人でも、すごく楽しめる作品になっていると思います。ぜひ吹き替え版の方で楽しんでいただけたらうれしいなって思います。

山寺 これぞティム・バートンという感じの、これでもかというぐらい変なキャラが出てくるホラーコメディーの決定版です。あと一つどうしても言いたいことは、「僕たちがこれだけいろいろと頑張ったんだから、とりあえず見てくれ」と(笑)。できれば字幕版と吹き替え版を見比べてほしいです。

(取材・文・写真/田中雄二)

(C)2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

染谷将太 天才絵師・歌麿役は「今までにない感情が湧きあがってきた」 1年間を振り返る【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月15日

-ご自宅でも絵の練習をされたそうですね。  台本が来るたびに絵を担当するチームとの打ち合わせがあり、練習用の絵が並んだ計算ドリルのようなプリントを数十枚いただくので、それを自宅に持ち帰り、宿題のように繰り返し描いて練習していました。 -歌麿 … 続きを読む

「べらぼう」ついに完結! 蔦重、治済の最期はいかに生まれたか?「横浜流星さんは、肉体的にも作り込んで」演出家が明かす最終回の舞台裏【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月14日

-治済役が大きな話題となった生田さんについて、撮影を通じて感じた俳優としての魅力を教えてください。  生田さんで印象に残っているのが、何事にも動じないことです。常に泰然自若として、変なクセを出さない。ある意味、視聴者に想像させるようなキャラ … 続きを読む

稲垣吾郎「想像がつかないことだらけだった」ハリー・ポッターの次は大人気ない俳優役で傑作ラブコメディーに挑む【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年12月13日

 稲垣吾郎が、2026年2月7日から開幕するPARCO PRODUCE 2026「プレゼント・ラフター」で傑作ラブコメディーに挑む。本作は、劇作、俳優、作詞、作曲、映画監督と多彩な才能を発揮したマルチアーティスト、ノエル・カワードによるラブ … 続きを読む

DAIGO「クリスマス気分を盛り上げてくれる作品なので、『パーシーのクリスマス急行』にぜひ乗車してください」『映画 きかんしゃトーマス サンタをさがせ!パーシーのクリスマス急行』【インタビュー】

映画2025年12月12日

-パーシーのように、与えられた仕事を楽しくやるコツがあれば教えください。  仕事があることが幸せ。シンプルにそういう意識を持ってやっています。僕もミュージシャンを目指していろいろとやっていましたが、思うようにいかなくて。でも、音楽に対する情 … 続きを読む

高橋克典「これは吉良の物語でもあるのだと感じていただけるような芝居をしたい」 堤幸彦「『忠臣蔵』は、演劇的に言えば1丁目1番地的な作品」 舞台「忠臣蔵」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年12月10日

-堤さんと高橋さんは高橋さんのドラマデビュー作以来のタッグと聞いています。堤さんは高橋さんの吉良上野介にどのような期待を寄せていますか。 堤 ぴったりだと思いますよ。生き馬の目を抜く芸能界で酸いも甘いも知り尽くしていますから。デビューの瞬間 … 続きを読む

Willfriends

page top