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子どもの頃から東宝ミュージカルを見て育ち、「いつか私も出てみたい」と思っていたのですが、宝塚に男役というものがあることを知り、男役に憧れてめざしました。一度目はリーゼントで宝塚音楽学校受験をしましたが周りを見ても身長の低い男役候補がいなく男役は難しいと感じ、「娘役だとしても、宝塚に入りたい」と思い、再び受験して入学したという経緯があります。
娘役として入学した後に、音楽学校の資料室でDVDを見て研究したり、『宝塚GRAPH』という雑誌を見て、ドレスや髪飾りの紹介を切り抜いてスクラップしたりして、娘役の魅力を探っていくうちに、娘役の美しさや楽しさに気付いていったように思います。身のこなしやドレスの使い方、さばき方などに憧れ、また元々声が低かったので優しく高い声の出し方も常に研究していました。
最近になって、公演と公演の間が詰まっていたので、あまり考え込む時間がなかったからこそ、自分の力以上のものが出せていたのかなと思うようになりました。休みがあるといろいろなことを考えてしまいます。ですが、ただひたすら稽古をして公演をしてという日々を送っていると、火事場の馬鹿力がずっと続いているような状態で(笑)。音楽学校から数えると12年間、それが続いていたんだなと思うと、自分でもすごい経験をしたなと思います。
退団してすぐの頃から、いろいろな作品にコンスタントに出演させていただいたのであまり感じませんでしたが、それでも自分の時間が増えました。稽古が終わって家に帰ってきて、夜ご飯をしっかり作って食べる時間があって、テレビを見る時間もあって。役のことを考える時間はもちろん、自分のことを見つめる時間も増えたように感じます。ただ、舞台に対しての向き合い方はあまり変わっていません。見に来てくださった方に、チケット代以上のものをお届けする。仕草一つ、せりふ一つでもいいので、心に響くことがあって、「この作品を見に来て良かった」と感じていただきたいです。それから、私が子どもの頃に感じたように、舞台を見て「ミュージカルをやりたい」と思ってくれる子どもが増えることが私の目標なので、それは今も変わらずに大事にしていることです。
なんでしょうね…。もし、私が口下手な人間だったら、話すことよりも歌うことの方が説得力があると言うのでしょうが、私は話すことも好きなので(笑)。ただ、昔から、歌うことは自分自身を癒やす効果もあるとは感じています。そう考えると、私にとっての音楽は、お薬かな。自分や聞いてくださる皆さんに処方された薬だと思って、いろいろな音楽を取り入れたり、出したりしています。
すばらしいキャストの皆さんの中で、吸収できることを吸収し、より良い形でお客さまにお届けできたらと思っています。今回は、地方公演もあり、各地でご覧いただけます。たくさんのお客さまにお会いできることを本当に楽しみにしております。
(取材・文・写真/嶋田真己)
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