エンターテインメント・ウェブマガジン
誰よりも人間的であるということですね。
杉咲さんとの共演はこれで4度目ですが、毎回驚かされます。いつも台本に書かれた以上のやり取りができるので、常に新鮮で。単にせりふを言っているのではなく、本人の思考から生まれた言葉のように聞こえるのが、杉咲さんのすごいところです。並大抵の努力でたどり着けるレベルではありません。きっと、いろんなものを乗り越えながらやっているのではないでしょうか。そういう意味で、うそのないすてきな俳優さんですし、僕はとても相性のいい方だと思っています。
感覚的なものですが、せりふの温度感だったり、芝居の間だったり…。といっても、役者同士だからわかる、みたいな特別なことではなく、人としての相性で、普段の生活の中で会話のリズムが合う人、合わない人がいるのと同じことです。
杉咲さんを見ていると、背筋が伸びます。例えば、手術シーンで必要な縫合の練習も、僕と同じ頃に始めて、難しい技術をどんどんものにしていき、今はもう、僕とは段違いのレベルに達しています。それはやっぱり、努力のたまものだろうなと。俳優として、という以前に、そういう杉咲さんの人間性に、みんなついていくんでしょうね。それは僕だけでなく、すべてのキャスト、スタッフが同じ思いでいるはずです。
僕も皆さんと同じ『アンメット』という作品のファンの1人なんですよね。僕だけでなく、この作品に関わる皆さんが熱烈な思い入れを持っていて、一言で言えば「『アンメット』という漫画のファンが作ったドラマ」になっています。だから、原作ファンの皆さんと同じレベルで語れると思いますし、皆さんがこのドラマをどう見ているのかも気になります。それこそ、オフ会のような感じで、「私は『アンメット』のここが好き」、「あなたは三瓶先生のどこが好きですか」と、いろんなやり取りをしてみたいくらいで。
その期待に応えられる手応えは十分ありますし、今までにないテレビドラマを作っているという自負もあります。
(取材・文/井上健一)
(C)カンテレ
舞台・ミュージカル2025年7月18日
-「違和感を持ち帰ってほしい」ということですが、今の世の中、「分からないもの」は何かと切り捨てられがちです。その点については、どのようにお考えでしょうか。 まず、僕自身は分からないものを提示しているつもりはありません。だから、その人の中で … 続きを読む
映画2025年7月18日
『「桐島です」』(4日公開) 1970年代に起こった連続企業爆破事件の指名手配犯で、約半世紀におよぶ逃亡生活の末に病死した桐島聡の人生を高橋伴明監督が映画化。 桐島が逃亡中に何を考えどういう生活を送っていたのかは想像するしかない。だから … 続きを読む
イベント2025年7月14日
-先ほどグルメの話がちょっと出ましたが、台湾で撮影中の思い出とかエピソードがあれば。 台湾におじゃまさせていただいたのは、映画『テルマエ・ロマエ』の撮影以来2回目だったんですが、とにかくスタッフのみなさんと和気あいあい撮影が … 続きを読む
映画2025年7月11日
-最初に35ミリフィルムで撮ったというテロップが出ますが、画面の色遣いや音楽の使い方を見ていると、70年代のニューシネマのような雰囲気があると思いましたが、そういう狙いはあったのでしょうか。 その通りです。ただ、それはアメリカ映画に限った … 続きを読む
映画2025年7月10日
-2度の災害を経験して行き場のない怒りを抱いている山本が、ボランティアの若者と出会って心が解けていって笑顔を浮かべる場面が印象的でしたが、若者役の小林虎之介さんとの絡みはいかがでしたか。 僕は若い人と芝居をするのがすごくうれしいんです。今 … 続きを読む