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現在から300年後、人類と猿の立場が完全に逆転し、猿が独裁支配をもくろむ衝撃的な世界を大胆に描いた「猿の惑星」新サーガの第1章『猿の惑星/キングダム』が公開された。来日したウェス・ボール監督に話を聞いた。

ウェス・ボール監督
フランソワ・トリュフォー監督が「偉大な映画とは、スペクタクルと真実を完璧に混ぜたものである」と言っています。このシリーズにはその言葉が当てはまると思います。キャラクターは猿たちなのに、私たちは彼らに人間として共感して、警鐘の物語として映画を見ます。また、憧れの対象となるような猿のキャラクターは、人間の一番いい資質を持っている。作品自体も「人間とは?」という問い掛けをしてくれる。とても思慮深く、人間の本質に触れるような深い意味を持つ作品でありながら、スペクタクルの要素もある。そんなところが理由ではないでしょうか。
真実というものが、いかにゆがめられているかということです。今の世界では真実は一つではなくいろいろな見方ができる。だからレガシー、ヒストリーといったものも、悪人の手に渡ったら、ゆがめられて利用されたりもする。そうしたことにもこの映画は言及しています。
その通りです。僕らはフィルムメーカーとして最新のテクノロジーを使ってストーリーをつづっています。壁画を描いた原始人から始まって、動画が作られて、今ここまで来て、これからはAIも出てくる。アーティストとしても、今後はそういうものも取り入れていくと思います。
例えば、デザインの観点から言うと、このシリーズの場合は、それが誰なのかが分かるというのはとても重要なことです。簡単に皆が似ている状態になってしまうので、それぞれをちゃんと区別できるように意識しました。あとは、果たしてどこまで彼らに感情移入をすることができるのかという点です。彼らに、生きている存在としての信ぴょう性を持たせて、リアルに感じさせることが大事でした。
その通りです。前作とのつながりが直接的過ぎると、シリーズなので、お金もうけのために作っているのかと思われてしまう(笑)。だけど、ある程度時間を開けたら、物語的にもいろんな可能性が出てきました。ミステリーも描けるし、ノアは世界のことを知らないので、いろいろなことを発見していく様子が描ける。レガシーであるシーザーが残したものがどうなったのかも描ける。そして人類の残した世界がどうなっているのか、エイプ(猿)たちはどんなふう進化したのか。そうした設定の根を見つけることによって、今までの作品に敬意を払いながらも、独立した1本の作品として見られるものにしたかったのです。もちろん、手掛ける前に今までの9作と比べられることは覚悟しました。なので、できるだけ他の作品と同じレベルにして、確かにこのシリーズの1本だと思われるような作品にすることを心掛けました。また、これが初めて見る「猿の惑星」という人にも入りやすい作品にしたつもりです。
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