北村匠海「長谷川博己さんのお芝居は、やっぱり迫力がすごい」 日曜劇場「アンチヒ-ロ-」【インタビュ-】

2024年5月8日 / 12:00

 長谷川博己が主演を務める日曜劇場「アンチヒーロー」(TBS系)が放送中だ。本作は殺人犯をも無罪にしてしまう“アンチ”な弁護士・明墨正樹(長谷川)の姿を描き、視聴者に“正義とは果たして何なのか? ”“世の中の悪とされていることは、本当に悪いことなのか?”を問い掛ける逆転パラドックスエンターテインメント。

 このほど、明墨法律事務所に入所し、明墨のもとで学びながら「正義とは何なのか?」という問いに揺れ動く弁護士・赤峰柊斗を熱演している北村匠海に、撮影で感じている思いや作品の魅力、今後の展望などを聞いた。

(C)TBS

-これまでの放送を受けて、反響はいかがですか?

 「面白い」という反響が一番多いなと思います。「何が正義なのか」と考えてくれる方はもちろん、ストーリーの全貌が見え隠れしはじめたので、一体誰が本当に悪い人なのか、全員が怪しまれている段階なのかなと。僕としても、純粋にエンターテインメントとして楽しんでくださっている方がたくさんいて、とてもうれしいです。

-これまでの撮影で印象に残っていることはありますか。

 テレビドラマにしては珍しく、台本が最後の方まで出来上がっている段階で撮影に入っているので、本作においては、その難しさを感じています。全体を通して感情を出すお芝居は意外と少なくて、事件の説明をするシ-ンが多いのが本作の特徴の1つ。特に明墨法律事務所での撮影は、1日掛けて全員でひたすら何かの説明芝居をしています。大変ではありますが、それをみんなで共有できている日々はとても愛おしいですね。

-NGが出ても和気あいあいとした雰囲気のようですね。

 もうNGが出ても仕方がないんです(笑)。せりふそのものというより、視聴者の方々に分かりやすく説明することがとにかく難しくて…。覚えないといけない人名も多いので、「この人が何をやった人で…」という複雑な関係を説明しているうちに頭がこんがらかってしまうんです。第1話から3話は特に長谷川さんの難しいせりふが多くて苦戦されていたのですが、そこに対して少しずつ笑える空気感を作り出してくださって、それがその後、全員の助けにもなりました。

-肩肘張らないような関係性を作ることができているのですね。

 そうですね。それでいてシーンによっては「次は和やかな空気で撮るものじゃないな」という役者としての配慮が全体的に漂います。シリアスな法廷のシーンではそういうお互いの距離感もすごく大事なので、全員が阿吽(あうん)の呼吸で臨めている感覚があります。

-長谷川さんのお芝居を間近で見て、どんなことを感じていますか?

 僕なんかがとやかく言える立場ではありませんが、やっぱり迫力がすごいです。長谷川さんご自身は細いタイプだと思うのですが、赤峰として対峙(たいじ)するときは、すごく芯が太いなと感じます。明墨の独特な雰囲気は、長谷川さんだからこそ引き立つのだろうなと。役者はそれぞれのルーツによって演じ方が異なるのですが、長谷川さんのお芝居を間近で感じると、とてもワクワクしますし、赤峰としても立ち向かうかいがありますね。

-紫ノ宮飛鳥役を演じる堀田真由さんとのお芝居にも注目が集まっていますね。

 紫ノ宮と赤峰は犬猿の仲のようで、実はずっと同じラインにいると思っています。第3話で赤峰がようやく紫ノ宮と並ぶような感覚があったので、この先2人が誰のために動いていくのかも注目してほしいです。撮影では相談して芝居を決めることはあまりなくて、テストの撮影でびっくり箱を空けるような感じで、「どうくるかな?」「そうくるか!」みたいなことが多いです。そんな僕らの“タッグ感”もぜひ楽しんでください。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

なにわ男子・大西流星「“timeleszのお兄さん”な原くんは印象通り」 timelesz・原嘉孝「流星は優しくてしっかりしてる子」 1月期ドラマでW主演【インタビュー】

ドラマ2025年11月20日

 なにわ男子・大西流星と、timelesz・原嘉孝がW主演する「東海テレビ×WOWOW 共同製作連続ドラマ 横浜ネイバーズ Season1」が、2026年1月から放送がスタートする。  本作は、令和版『池袋ウエストゲートパーク』として注目を … 続きを読む

早見沙織「プレデターの新しい魅力をこの映画から感じていただけると思います」『プレデター:バッドランド』【インタビュー】

映画2025年11月19日

 未熟故に一族を追われた若きプレデターのデクは、生存不可能とされる最悪の地「バッドランド」に追放される。デクはその地で謎のアンドロイドの少女ティアと出会う。「プレデター」シリーズ中、初めてプレデター自身を主人公に据えて描いた『プレデター:バ … 続きを読む

【Kカルチャーの視点】「ユミの細胞たち」の原作者、ウェブトゥーン作家イ・ドンゴン

インタビュー2025年11月17日

 韓国文化の“今”を再構築し続けるKカルチャー。今回は、デジタル空間で物語を紡ぐウェブトゥーンの世界に焦点を当てる。平凡な会社員ユミの頭の中で繰り広げられる細胞の物語――。2015年に連載を開始した「ユミの細胞たち」は、全512話で32億ビ … 続きを読む

尾上眞秀「お母さんやおばあちゃんが喜んでくれました」寺島しのぶの長男が舘ひろしとの共演で映画初出演『港のひかり』【インタビュー】

映画2025年11月14日

 日本海沿岸の小さな漁師町を舞台に、元ヤクザの漁師・三浦と目の見えない少年・幸太という、年の離れた孤独な2人の絆を描くヒューマンドラマ『港のひかり』が、11月14日から全国公開中だ。  主演に舘ひろしを迎え、『正体』(24)の俊英・藤井道人 … 続きを読む

『物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家の物語』(7)神々がすむ土地を語る

2025年11月14日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼玉田永教と神道講釈  銭湯の湯け … 続きを読む

Willfriends

page top