エンターテインメント・ウェブマガジン
もう10年以上東京に来ているので、だいぶ慣れてきたんですけど、今でも標準語を話す時は、違う言語を話しているみたいなところがあって、頭の中で変換している感じがあります。今回は大阪の実家に泊まって撮影現場に行っていたので、実家にいる自分を映したような自然さというか、本当の私が映っているんじゃないかなと思います。せりふも、20歳という設定なのでちょっと若い感じは出ていますが、ほとんどナチュラルな姿かなと思います。
関西弁って、怖い言葉にも聞こえるかもしれませんが、優しさもあって。「何でやねん」「知らんがな」とか、そこで終わるんじゃなくて、あまり会話がかみ合っていなくても、「何でやねん」って言葉だけでツッコミになったりして。しらっとした空気がなくなるじゃないですか。最近は東京でも「知らんけど」とか使いますよね。だから関西弁は相づちにぴったりな言語だなと思います。私は、関西人の中ではすごくとろい方なので、割とボケ担当っていうか、学生時代もツッコまれる方でした。今回もどちらかというと多分ボケだと思います。いろいろとかき回して、優子ちゃんに無理やりお見合いをさせる時も、「電話番号を教えたん?!」「勝手に教えるわけないやん! …家のは教えたけど」みたいなとところも、多分ボケですね。
すごく興味があります。私は、全ジャンルの中でコメディーが一番難しいんじゃないかなと思っていて。宮藤官九郎さんとか、コメディーのドラマや映画を作っている人はすごいなと思いながらいつも見ています。見せ方という点では、芸人さんが一番お芝居が上手だと思います。舞台上で見せる見せ方・間合い・落とし方というのは、やっぱり芸人さんが一番上手なんじゃないかなと思っています。
今まで演じてきた役も、夢に向かって頑張っている役が多かったので、そう遠くはないんですけど、お芝居をしているという感覚が多少ありました。今回は、そういう感覚がなかったので、「中条あやみって、実際はどんな人なの?」と聞かれたら、「本当の自分は見せたくはないけど、こんな感じ」みたいな。ちょっと恥ずかしい気がするぐらい素の自分に近いです。
早希ちゃんというキャラクターは独特というか、生い立ちや過去にもちょっと複雑なところがあったので、そこは意識して演じました。早希ちゃんが、何でこんなに家族に執着するのかと考えた時に、1人っ子で小さな頃はたくさんの愛情を受けて育ったけど、途中からご両親の事情でいろいろと変わって、自分がしっかりしないといけない、大人にならないといけないと思って生きてきて…。でも竜太郎さんと出会うことで、本当の自分に戻れるというか、自分が理想としていた家族だんらんを追い求めながらも、ちゃんとリアルな家族に出会えたということだと思います。
一見、ちょっとファンタジー風に見えて、設定にびっくりするかもしれませんが、家族の温かさも、難しさも描かれているので、この映画を見て、自分の家族っていいとこあるなとか、実はあの人はこういうふうに見えないところで頑張ってくれていたのかなとか、気付くことがたくさんあると思います。すごく心が温まる映画になっているので、笑って、泣いて、ほっこりしていただければと思います。
(取材・文・写真/田中雄二)

(C)2024 映画「あまろっく」製作委員会
舞台・ミュージカル2025年12月10日
-堤さんと高橋さんは高橋さんのドラマデビュー作以来のタッグと聞いています。堤さんは高橋さんの吉良上野介にどのような期待を寄せていますか。 堤 ぴったりだと思いますよ。生き馬の目を抜く芸能界で酸いも甘いも知り尽くしていますから。デビューの瞬間 … 続きを読む
ドラマ2025年12月8日
-治済に対する仇討ちのため、対立関係にあった蔦重と松平定信(井上祐貴)がタッグを組む展開にも驚かされると同時に、思わず胸が熱くなりました。 藤並 白河藩に戻った後の定信は、それまでとは打って変わって、大田南畝や山東京伝に本を書かせているんで … 続きを読む
映画2025年12月5日
-戦場で、田丸が絵や漫画を描くことにどのような意味があったと思いますか。 功績係に任命された田丸には、もちろん何かを書き記すという使命感もあったでしょうが、いつ自分や仲間が命を落とすか分からない状況の中で、自分の世界の中で向き合えるものが … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年12月4日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 2016年に四代目・玉田玉秀 … 続きを読む
ドラマ2025年12月1日
-雰囲気のいい現場だったようですね。 中でもしのぶさんは、「これはこういうことなのかな?」といった感じで、積極的に質問をされるんです。その上、「私、緊張しちゃう」などと、ご自身の気持ちを織り交ぜながら現場にいてくださるので、私も質問が … 続きを読む