玉城ティナ「おばあちゃんになっても共演できたら」 飯豊まりえ「ティナと共演できるとは」 高校以来の親友同士がダブル主演「君と世界が終わる日に」Season5【インタビュー】

2024年2月14日 / 14:43

(左から)飯豊まりえ、玉城ティナ(C)エンタメOVO

-撮影現場の様子はいかがでしたか。

玉城 内容はすごくシリアスなんですけど、撮影以外のときは、私は穏やかに過ごすことができました。現場には、モーツァルトのような壮大な音楽も流れていましたし。(冬馬役の)柿澤勇人さんとご一緒する場面が多かったんですけど、柿澤さんは天然なところがあるので、話がかみ合わないまま2人で話していたり…(笑)。だいぶほっこりしていました。

飯豊 私は、撮影現場の環境が本当にサバイバルのようだったので、とてもハードでしたね(笑)。思い返せば、涙していたシーンも多くて、唯一の癒やしが、撮影の合間に手塚治虫さんの漫画『ブッダ』を読むことでした。

玉城 読んでたね。

-なぜ『ブッダ』を?

飯豊 この物語に『ブッダ』と通じるものを感じたんです。佳奈恵もこの不条理な世界に嫌気がさしていて、明日葉の信条の「汝の隣人(となりびと)を愛せよ」のような、自分よりも他の誰かに身をささげるような思いだったというか。そのせいか、クランクアップと同時に『ブッダ』を読み終えました(笑)。

玉城 まりえは大変だったよね。でも高校生の頃、私はまりえの背中を追うような気持ちでいたから、こうやってダブル主演できたことがとってもうれしい。そこにまりえが信頼を持ってくれているとしたら、さらにうれしい。

飯豊 もう、本当に信頼しかない。すごく難しかったと思うけど、明日葉はやっぱりティナでなければできなかった役。あんなふうに真っすぐで、佳奈恵も含めて多くの人から崇拝される明日葉の説得力はすごい。それはティナの根底にあるものが生きていたからだと思う。そういう役をティナが演じてくれることで、絶望的な物語に一筋の光が生まれた気もして。

玉城 佳奈恵も、まりえがSeason1から作り上げてきたキャラクターだから、すごく安定感があった。しかも今回、さらに強くなっていって。劇中ではあまり描かれていないけど、佳奈恵も明日葉も、お互いに孤独を抱えているので、分かり合える部分があるんじゃないかと思った。

飯豊 そうだね。

玉城 今回はすごくいい経験だったけど、私たちが将来、おばあちゃんになっても共演できたら、楽しそうだよね(笑)。

飯豊 そうなったらいいね。

-それでは最後に、視聴者さんへのメッセージを。

飯豊 長く携わってきた作品なので、いろんな思いがあります。ここまで佳奈恵を演じてきて思ったのは、日々大変なことも多いけど、そういうとき、支えになるものは、人それぞれなんだなと。佳奈恵たちは、誰かを守るため、という目的が支えになりましたし、人によっては、いろんな人との出会いが支えになるかもしれません。そういう意味では、「ここを見てください」とフォーカスするよりも、「登場人物それぞれの選択を見届けてください」とお伝えしたいです。

玉城 Season4で人類の理想郷“ユートピア”を目指してみんなで戦ってきた中で、色々な経験をして、明日葉もこのまま自分が正しいと思う道を進んでいいのか、迷い始めるんです。結局、終末世界といっても、描かれているのは私たちの日常と変わらない人間関係なんですよね。恋愛もありますし、いろいろ考えさせられながら、私も撮影に臨みました。今回は女性2人が軸になって成長していく物語なので、それぞれの決断にぜひ注目してください。

(取材・文・写真/井上健一)

 

「君と世界が終わる日に Season5」が2月9日(金)よりHuluにて独占配信中

毎週金曜エピソード更新(全5話)

Season1~4:Hulu にて全話配信中

 

飯豊まりえ<Styling: Eri Takayama Hair & Make-up: AYA(TRIVAL)>

玉城ティナ<Styling: Takako Imai Hair & Make-up: Mayu Suzuki>

 

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

井内悠陽「自分を貫くことは大切。でも、時には柔軟性も必要」 映画『爆上戦隊ブンブンジャー』で映画初主演を飾る20歳の新星【インタビュー】

映画2024年7月27日

-劇場版が公開される今月は、井内さんもちょうど20歳の誕生日を迎えるので、いい記念になりますね。  自分への誕生日プレゼントにもなるので、すごくうれしいです。プロデューサーにも「公開日を(誕生日の)7月12日にしませんか?」と冗談を言ってい … 続きを読む

田中真弓「70歳、新人のつもりで頑張っています」憧れだった朝ドラレギュラー出演 連続テレビ小説「虎に翼」【インタビュー】

ドラマ2024年7月26日

-「女の幸せ」という稲の一連のせりふは、田中さんご自身の生き方と相反するようにも感じますが。  友人たちから「真弓が絶対に言わない言葉だな。お前は絶対に反対側だな」という連絡がいくつもきましたし、自分でもそう思いました。女性は結婚や出産を機 … 続きを読む

真彩希帆、憧れの「モーツァルト!」でコンスタンツェ役 「この作品を見に来て良かったと感じていただきたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年7月26日

-では、真彩さんのこれまでの歩みも聞かせてください。2012年に宝塚歌劇団に入団し、雪組ではトップ娘役を務めました。その後、21年に退団し、現在は俳優として活動されています。まず、宝塚をめざしたきっかけを教えてください。  子どもの頃から東 … 続きを読む

【週末映画コラム】歴史の「if」を描いた2本『もしも徳川家康が総理大臣になったら』/『お隣さんはヒトラー?』

映画2024年7月26日

『お隣さんはヒトラー?』(7月26日公開)  1934年の東欧のある町。幸せそうなポーランド系ユダヤ人一家の日常が映る。一転、1960年の南米・コロンビア。ホロコーストで家族を失い、ただ一人生き延びたポルスキー(デビッド・ヘイマン)は、町外 … 続きを読む

鈴木梨央「特撮映画の魅力を実感しました」子役時代から活躍してきた若手俳優が、ファンタジー映画に主演『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』【インタビュー】

映画2024年7月25日

-ご自身が演じた時宮朱莉役に対する思いをお聞かせください。  朱莉と同世代ということで、家族に対して素直になれない部分など、自分にも当てはまる部分もあり等身大で演じることができました。 -鈴木さんは子役時代から数多くの役を演じてきましたが、 … 続きを読む

Willfriends

page top