「いろんな仕掛けを考えながら演じていました」上野樹里、「今の時代にぴったりな映画だなと思いました」林遣都『隣人X -疑惑の彼女-』【インタビュー】

2023年11月27日 / 10:30

-今回は、メタファーというか、SFの形を借りていろいろな問題を提示するというタイプの映画だったと思いますが、こういう映画についてどう思いましたか。

上野 やりがいを感じられるところはありますね。やっぱり「今の世の中ってどうなんだろう」ということを、こういう映画の世界を通して、いったん社会からちょっと離れた世界の中に突入して、映画館を出た時に、自分というフィルターをかけて、「もしかしたらいろんなことを考え過ぎていたのかな」「あのことはどうだろう」「自分が今思っていることはどうだったんだろう」というふうに、自分と向き合うきっかけにしていただければと思いますし、ラブストーリーやミステリーとしてはもちろん、実は社会派的なところも、ご覧になった方が、何かしらの今の世の中をどう生きるのか、自分なりの意味を見いだしてもらえたらと思います。

林 見ていただいた方にはそれぞれに感じるポイントがあると思いますが、SF的な要素を用いることで、作り手の強い主張がなくなるところがいいですね。固定観念を押し付けるのではなく、見た人が自由に解釈して、何かと置き換えて考えてみるとか。見る人に委ねる部分を感じます。

-良子の「心で見ることが大切なんだと思うんだ」というせりふがあって、それが『星の王子様』の朗読とも重なってきます。あの言葉がこの映画のテーマの一つかなと思ったのですが…。

上野 そうですね、最初はちょっと違う文章を朗読する予定だったんですけど、現場で、スタンバイ中にその本を読んでいて、とても大切なメッセージになる一文を見つけまして。監督にすぐ伝えて撮影に取り組みました。普段生きていて当たり前にそばにあるもの、失って気付くかけがえのないもの、大体目には見えない感覚的な物事だったりしますよね。大好きな居場所とか、居心地とか、安心感とか温かさとか。大変な目にあって初めて自分の気持ちに気付けたりする。良子は口数が多い方ではありません。でも、大好きな本を読んでいる、何げないシーンから、人として失ってはいけない、良子からの大切なメッセージを感じとっていただけたらと思います。

(取材・文・写真/田中雄二)

(C)2023 映画「隣人X 疑惑の彼女」製作委員会 (C)パリュスあや子/講談社

 

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】2月前半の公開映画から『ほどなく、お別れです』『クライム101』『ブゴニア』

映画2026年2月21日

『クライム101』(2月13日公開)  米西海岸線を走るハイウェー101号線上で、数百万ドルの宝石が消える強盗事件が多発。デービス(クリス・ヘムズワース)の4年間にも及ぶ犯行は完璧だったが、犯罪組織からの追跡や警察内部の陰謀、そしてルー刑事 … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(12)道明寺天満宮と歴史の英雄たち ~野見宿禰、白太夫、そして道真~

舞台・ミュージカル2026年2月19日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。     ▼相撲 … 続きを読む

小林聡美、名作ドラマ「岸辺のアルバム」 舞台化は「今の時代も共感できる」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年2月19日

 小林聡美が主演する舞台「岸辺のアルバム」が、4月3日から上演される。本作は、数々の名作ドラマを世に残した山田太一が原作・脚本を務め、1977年に放送された連続ドラマを舞台化。一見平和で平凡な中流家庭の崩壊と再生を描く。ドラマでは八千草薫が … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第6回「兄弟の絆」 序盤の集大成となった小一郎必死の説得【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年2月17日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=藤吉郎/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。2月15日に放送された第6回「兄弟の絆」 … 続きを読む

名取裕子「“ぜひ友近さんと”とお願いして」友近「名取さんとコンビでやっていきたい」2時間サスペンスを愛する2人が念願のW主演『テレビショッピングの女王 青池春香の事件チャンネル』【インタビュー】

映画2026年2月16日

-本作を経験して、2時間サスペンスの魅力をどのように感じましたか。 名取 普遍的な人間の心情を描きながらも、泣いて、笑って、手に汗握って、リラックスしながら見られるところが一番の魅力ですよね。「何番目に名前が出る俳優が犯人だ」とか、だいたい … 続きを読む

Willfriends

page top