望海風斗が挑む、希代の悪女・イザボー 「必死に生き抜いて、戦い抜く女性を演じたい」【インタビュー】

2023年11月24日 / 08:00

 望海風斗が主演、作・演出を末満健一が務める、新作オリジナルミュージカル「イザボー」が2024年1月15日から上演される。宝塚歌劇団 雪組トップスターとして活躍し、退団後は「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」や「DREAMGIRLS」など数々のミュージカルで活躍している望海。今作では、フランス百年戦争の時代に、国を破滅に導いたとされる悪徳の王妃・イザボーを演じる。望海に公演への思いを聞いた。

望海風斗 (ヘアメーク:yuto/スタイリング:為井真野(KIND) (C)エンタメOVO

-最初に脚本を読んだときの率直な感想をお聞かせください。

 演出の末満さんとは今回、初めてご一緒させていただくのですが、稽古を通して肉付けされていく、その過程が見えてくるような脚本でした。きっとそうして肉付けされていった部分が重要になるんだと思います。私自身、脚本を読みながら、イザボーがどのような人物なのか色々と調べましたが、ほとんど良いことが書かれていない人間なんですよ。もちろん、台本にも良いことが書いてあるわけではないですが、周りの登場人物たちの発言からイザボーの内面がうまく引き出されていたので、彼女の人間らしい一面も描かれていくのではないかなと思います。

-現在は、イザボーをどのような人物だと感じていますか。

 今から600年ほど前、子どもを産むことが女性の仕事だといわれていた時代に生き、夫が狂ってしまったり、百年戦争でフランスの危機に直面したりする中で、女性という理由で政治から遠ざけられながらも、道を切り開いていった人だと思います。当時は、悪女としてとらえられてしまいましたが、あの時代、あの境遇で、あそこまでできる人はなかなかいないと思います。しかも、それは国や夫を支えるためであって、自分のためではないわけですから。女性の可能性を広げるエネルギーや諦めない強さを持っている女性だと思いました。

-おっしゃるように、一般的にイザボーは悪女というイメージが強いと思いますが、今回の脚本を読んで共感する部分や理解できる部分もありましたか。

 イザボーは、他に方法があったのかもしれないけれど、「今、この中で守り抜いていくためにはどうしたらいいのか」を考えて必死だったのではないかなと思います。それは私たちが生きていく上でもあることですよね。例えば仕事でも、問題に直面し、どうにか切り抜けようと必死に対応したけれども、後から考えたらもっと最善の策はあったということは、皆さん経験したことがあると思います。そう考えるとイザボーの必死な姿には、私も共感できますし、きっと皆さんにも共感してもらえるところはあるんじゃないかなと思います。

-そんなイザボーをこれからどのように作っていこうと考えていますか。

 宝塚歌劇団を退団してから出会った役は、どの役も自分の中では挑戦的だったり、知らない扉を開けていく感覚のある役ばかりでしたが、イザボーには、どこか懐かしい感覚があります。どちらかというと、宝塚時代に自分自身がずっと向き合ってきた人間の底力や、時代を超えても変わらない人間であることの意味を感じさせてくれる役だと思います。なので、いざそうした役に向き合うと、自分の中に眠っている力が活性化できるんじゃないかなと感じています。私自身は悪女を演じようと思っているわけではなく、とにかくあの時代、あの境遇の中で、必死に生き抜いて、戦い抜く女性を演じたい。それが結果として、周りから見たら悪女と言われているだけであって、あえて悪い女性として演じようとは考えずに挑みたいと思います。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】8月の公開映画から

映画2026年9月4日

「ミニオンズ&モンスターズ」(8月7日公開)★★★ 映画のパロディーが満載  最強最悪のボスを求めて旅を続けるミニオンズがたどり着いたのは、1920年代のハリウッド。西部劇の撮影に乱入したことから映画スタジオに入り込み、人気スターと … 続きを読む

山口馬木也 柴田勝家の最期は「不思議な体験でした」【大河ドラマ「豊臣兄弟!」インタビュー】

ドラマ2026年8月30日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」(総合 毎週日曜 夜8:00~ほか)。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中だ。8月30日放 … 続きを読む

パク・ジョンミン「一人二役は想像以上に大変でした」韓国のヒットメーカーが「ガス人間」に続いて送り出すサスペンス・ミステリーで熱演『顔 -かお-』【インタビュー】

映画2026年8月28日

 日本でも話題を集めた『新感染 ファイナル・エクスプレス』(16)やエグゼクティブプロデューサー&脚本を務めたNetflix「ガス人間」も大ヒットした韓国のヒットメーカー、ヨン・サンホ。その最新監督作『顔 -かお-』が8月28日から全国公開 … 続きを読む

【映画コラム】「生き残る」とは何か『ラスト・サバイバー』『シェルター』が描く極限の人間ドラマ

映画2026年8月28日

『ラスト・サバイバー』(8月28日公開)  謎のパンデミックによって人類の大半が死滅し、生き残った者たちが奪い合い、殺し合う荒廃した世界。  パイロットのヒッグ(ジェイコブ・エロルディ)は、元軍人のバングリー(ジョシュ・ブローリン)と共同戦 … 続きを読む

安田章大「僕が演じられたのは、のんちゃんのおかげ」のん「安田さんとの出会いは衝撃でした」自閉スペクトラム症の兄とその妹役で初共演『平行と垂直』【インタビュー】

映画2026年8月28日

 自閉スペクトラム症(ASD)の大貴は、清掃の仕事に就き、周囲のサポートを受けながら自立した生活を送っている。一方、妹の希は、心理カウンセラーとして働きながら大貴を支えて暮らしていた。長い間、変わることなく続いてきた兄妹の日常は、希の結婚話 … 続きを読む

page top