エンターテインメント・ウェブマガジン
物語が進むにつれ、実は日常の中でも近しい人たちに恵まれていたことに、希はだんだん気付いていくんです。その点、演じる上では突然大きく変わるわけではないんですけど、グラデーションをつけるように、徐々に変わっていく感じを心掛けました。
私にとってもすごく印象的なシーンで、あの時間のことは今もよく覚えています。元々、脚本ではああいうテンション感になる予定ではなく、さらっと終わるはずだったんです。でも、私も芋生さんもお互いに役であると同時に自分たちでもある感じだったので、芋生さんからああいう言葉をもらったとき、私自身も感極まるものがあって…。その結果、あんなふうになりました。希としても、そっと背中を押して、包み込んでもらえた時間だったなと思います。

『朝がくるとむなしくなる』配給︓イーチタイム©Ippo
根本的に人って、すごく弱いと思いますし、誰もが悩みやコンプレックスを抱えながら生きていると思うんです。でも、同じくらい強さも持っているんじゃないかな…と。だから、その後の「そんなに正しくなんて生きられないよ、みんな」という加奈子のセリフもすごく響くんですよね。
石橋監督は、役の心情に寄り添いながら演出してくださった上に、「ああしてください」、「こうしてください」ということはなく、基本的にお芝居については任せてくださいました。しかも今回の石橋組は、スタッフ、キャスト共に皆さんとても柔らかい雰囲気で、温度感の似た方が多かったんです。だから、役作りのために意識してコミュニケーションをとる必要もなく、自然といい関係を築けたことが、作品にも反映されたような気がします。
脚本がより優しく色づいたような気がしました。石橋監督の優しい目線や芋生さんのたたずまいもすてきで、この世界観に入れてよかったな…と。10代の頃から親しかった芋生さんと初めて一緒にお芝居ができましたし、石橋監督ともいいチームになることができました。すごくいい空気感の中でお芝居をさせていただき、自分にとっては宝物のような作品になりました。
すてきな言葉がたくさん詰まっていて、ご覧になった方の背中をそっと押してくれるような作品になったと思います。そういう意味では、悩みを抱えた人や日常に疲れた人に見ていただきたいという思いはもちろんあります。とはいえ、そんなふうに構えることなく、ふらっと映画館に立ち寄った方にもぜひご覧いただき、何かを感じてもらえたら。1人でも多くの方に、非日常を味わえる映画の魅力を体感していただけたらうれしいです。
(取材・文・写真/井上健一)

『朝がくるとむなしくなる』配給︓イーチタイム©Ippo
映画2026年3月12日
-おススメの作品は。 ボーイズグループを追った『THE LAST PIECE -Glow of Stars-』と、脚本家の野島伸司さんに密着した『野島伸司 いぬ派だけど ねこを飼う」、『ブルーインパルスの空へ』は比較的分かりやすいと思いま … 続きを読む
音楽2026年3月11日
▼海の民特有の発声 ――台湾と地理的にも近い沖縄に共通点を感じることはありますか。 音楽面では、海の民特有の「明るく響き渡る発声」に非常に親近感を覚えますね。今回の来日は、集落の人々の祝福を背負っているような不思議な感覚があります。私の故 … 続きを読む
ドラマ2026年3月11日
竹内涼真が主演するドラマ「再会~Silent Truth~」(テレビ朝日系)の第8話が、10日に放送された。(※以下、ネタバレを含みます) 本作は、横関大氏の推理小説『再会』をドラマ化。刑事・飛奈淳一(竹内)が、殺人事件の容疑者となった … 続きを読む
ドラマ2026年3月11日
火曜ドラマ「未来のムスコ」の(TBS系)の第8話が、10日に放送された。 本作は、夢も仕事も崖っぷちのアラサー女性・汐川未来(志田未来)のもとに、“未来のムスコ”だと名乗る颯太(天野優)が現れたことから始まる、時を超えたラブストーリー。 … 続きを読む
ドラマ2026年3月10日
松下奈緒が主演するドラマ「夫に間違いありません」(カンテレ・フジテレビ系)の第10話が、9日に放送された。(※以下、ネタバレを含みます) 本作は、主人公・朝比聖子(松下)が夫の遺体を誤認し、保険金を受け取った後に、死んだはずの夫が帰還す … 続きを読む